北海道《洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌》
ジオパークでアイヌ文化と自然に染まる滞在【後編】
北海道全域でホテルやレストランを展開する「鶴雅グループ」の最新の宿泊施設、「洞爺湖(とうやこ) 鶴雅リゾート 洸の謌」。洞爺湖有珠山ジオパークのエリア内に建ち、自然と隣り合わせの場所で体験できる食や温泉、アクティビティとは?
ジオパークを味わい尽くすためのフレンチ
「料理には可能な限り、地のものを使っています」と話すのは、レストランルミエールの料理長・御厩敷 周(おんまやしき まこと)さん。ホテルのある壮瞥町は、土質的に果樹栽培が盛ん。隣接する洞爺湖町、伊達市は野菜の産地として知られ、ブランド牛も育てている。それらの素材には手を加え過ぎずそのものの味を大事に。また、さまざまな年代の人が楽しめるように、食べやすさとやさしい味を心掛ける。野菜が美味しい地域ならではの逆転の発想で、フレンチを楽しんでほしいとも話す。たとえばメインの「とうや湖和牛 フィレのロースト」。年間出荷数が限られる地元産ブランド牛を使ったひと皿だが、主役は添えた地元産タマネギだ。「凝ったものや食べ慣れないものは、フランス料理をハードルが高いものに感じさせてしまいます。食べ慣れたものを一緒にお出しし、それがいつも以上に美味しければ、和牛やアワビなども楽しく食べていただけるのではないかと考えています」。
食、温泉、美しい景色に浸る時間、自然を身近に感じる体験。「洸の謌」での時間は火山や自然の恩恵に、存分にあずかるものとなるだろう。楽しみはさらにある。館内にはアート作品が多く、美術館のよう。犬と泊まれる部屋もあり、エントランスから一般客とは別という配慮もうれしい。ラフティングやパウダースノーを楽しめるニセコエリアまでは車で1時間程度と、アドベンチャーツーリズムの拠点として利用することもできる。道内で15の宿泊施設を運営する鶴雅グループだが、その中でも「洸の謌」は特に過ごし方にバリエーションがあるのが特徴、と鎌田清隆支配人は胸を張る。
館内で、また近隣のフィールドで、何万年もの時をかけて生み出された土地ならではの恩恵に浸れば、身体の中からリフレッシュできることだろう。北海道、そして洞爺湖だから。そんな休日がここには用意されている。
読了ライン
夜、朝、昼、
いつでも自然が隣り合わせ
洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌
住所|北海道有珠郡壮瞥町壮瞥温泉88-26
Tel|0142-82-7165
客室数|48室
料金|1泊2食付3万1100円〜(税・サ込)
カード|AMEX、Master、JCB、VISAなど
IN|15:00 OUT|11:00
夕食|フレンチ、日本料理(レストラン)
朝食|洋食、和食(レストラン)
アクセス|車/道央自動車道伊達ICから約15分 電車/JR洞爺駅から車で約15分
施設|大浴場、レストラン、BAR、ラウンジ、ライブラリー、スパ、鶴雅アドベンチャーベース SIRI、ドッグラン
text: Masayo Ichimura photo: Norihito Suzuki
2023年10月号「私を癒す15の旅。/九州」