山の恵み、清流・仁淀川と
土佐和紙の魅力を知る
植物分類学者・牧野富太郎が愛した
高知・横倉山を遊ぶ④
牧野富太郎が通った横倉山周辺は仁淀ブルーで知られる仁淀川など見どころも多い。横倉山とあわせて訪れてみてはいかがだろう。
横倉山とともにこのエリアの自然を象徴するのが、清流・仁淀川。全国の一級河川の水質ランキングでたびたび1位に選ばれ、どこまでも澄みきった青は「仁淀ブルー」と呼び親しまれている。キャンプフィールドでの滞在やラフティングなどのアクティビティを通して、川を身近に感じる体験も。
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高知の豊かな山の木、清らかな水が支える文化に、土佐和紙がある。日本三大和紙産地のひとつに数えられ、仁淀川流域の町・いの町を中心につくり続けられてきた。最古の記録として927年に完成した法典『延喜式』に、紙を納めた産地として土佐の名が登場している。幕末には大坂の紙問屋で扱う紙の4割を“土佐もの”が占めていたという。
「いの町紙の博物館」で紙漉きを実演する職人の友草喜美枝さんは、この道67年の達人。「楮は繊維が長くて漉きやすく、破れにくい丈夫な紙ができます。雁皮やミツマタは繊維が細くて短いので、漉くのは難しいけれど、なめらかで優美な仕上がりになるんです」。経験に裏打ちされた技術の高さに、友草さんへの注文は途切れることがない。
現代的なセンスで、アクセサリーやインテリアなどにアレンジする取り組みにも注目が集まる土佐和紙。その可能性は、まだまだ広がりそうだ。
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スノーピークおち仁淀川キャンプフィールド
住所|高知県高岡郡越知町片岡4
Tel|0889-27-2622
WASHI ORIORI
住所|高知県高岡郡越知町越知甲2060
Tel|090-5422-3155
1|高知・横倉山は幻想的で神秘的なロマンに包まれていた
2|横倉山で見られる植物たち
3|安藤忠雄建築「越知町立 横倉山自然の森博物館」
4|山の恵み、清流・仁淀川と土佐和紙の魅力を知る
5|高知・横倉山エリアの旅案内
text: Aya Honjo photo: Sadaho Naito
Discover Japan 2023年9月号「木と生きる」