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秋田県大館市でサウナ・グランピング…
《ノアソビSDGs》で”地産地遊”

2023.3.31 PR
秋田県大館市でサウナ・グランピング…<br> 《ノアソビSDGs》で”地産地遊”

ノアソビ(野遊び)とは、豊かな自然と四季を身近な存在として親しんできた日本独自の文化であり、心の安らぎや充足感、ストレスの解消などを自然環境の中で得る営み。「野遊び」を中心に地方創生を目指すプロジェクトが「ノアソビSDGs」です。その活動に参画する4つの自治体のひとつが秋田県大館市。今回は大館市ならではの、“野遊び”な地方活性につながる取り組みの詳細をお届けします。

『大館の豊かな暮らし、自然思考のライフスタイルを体験できる野遊びリゾート』をコンセプトに、新たな価値創造を目指す秋田県大館市。豊かな自然環境を活かそうと、県立自然公園である田代岳といった五色湖エリアに点在するロッジとキャンプ場の整備を進めています。新たにグランピングのできるノアソビ(野遊び)の拠点として数年以内の開業を目指し、2022年度には2回のモニターツアーも終え、2023年5月からは本格的に実証実験がスタート予定。新たな取り組みの中で見出す『地域の暮らしの価値』とは?

「おべだふりするな」
多様な価値観を受け入れられる地域づくり

モニターツアーで住民に挨拶をする大館市観光課の田村さん

「私は大館生まれ大館育ちですが、地域住民を交えたワークショップで対話を重ねるごとに新しい発見があります。自分たちが暮らす地域にこんなにも魅力や可能性があるんだ!と」
そう話すのは大館市の観光課の田村さん。観光資源の掘り起こしや観光の呼び水となるソフトの事業開発を目的としたワークショップを企画するほか、地域住民と一緒にモニターツアーをしたり、ハード整備の調整など、ノアソビSDGsの事業を一手に担っている。

モニターツアーではきりたんぽの可能性を探るため様々なアイデアを出し合った

「昨年秋にノアソビSDGs事業大館市の観光資源について話し合うワークショップを半年にわたり行いました。さまざまな議論を重ねた上、地域独自のコンテンツは『きりたんぽ』だろうと話がまとまりました。大館市ではきりたんぽを日常的に食べることが当たり前で、それが地域独自の観光コンテンツとして大きなカギになるとは思ってもいませんでした。『昔から親しまれている日常の食文化』が資源になるんだということは驚きでした」
郷土料理が故に、ワークショップ参加者の思い入れもさまざまだ。田村さんは、多様なバックグラウンドを持つ住民と関わる上で必要なことは「俯瞰すること」と「おべだふりをしないこと」と話す。

「行政という役割上『公正公平』が絶対。そのため、地域の住民と親身に向き合いながら、地域というで捉えた時は冷静に俯瞰することも意識しています。その上で秋田弁でいう「おべだふりをしないこと(知ったかぶりをしないこと)」を心がけています。自分の目線で理解しているものとその人の目線からみるものとでは、まったく異なるものかもしれないという自覚をもって常に相手の視点で物事を捉えるようにしています」

田村知香子さんは大館から市外に向けて、大館の魅力を発信することに興味を持ち、2014年に大館市役所へ入庁。2019年より観光課へ配属となり、野遊びSDGs事業のほか、広域での周遊観光の促進事業、大館市観光交流施設「秋田犬の里」の管理運営を担当

「この1年を通して地域資源の掘り起こしやビジョンの共有、モニターツアーの実施など地盤づくりを徹底してきたことで、大館市の認知度も少しずつ高まってきました。ノアソビを起点とした事業は2年目を迎えます。今まで気づかなかった地域資源を活用した施策が求められると思うので、引き続き住民の方々と一緒に邁進したいと思います」

何気ない暮らしの喜びを噛み締める

田代岳の自然を散策しながら体感するモニターツアー(秋)の様子

『田代岳の絶景で絶品の郷土料理』を合言葉に、2回に及ぶモニターツアーでは、きりたんぽを食のメインコンテンツとしながら季節ごとの自然を存分に体感できるプログラムを設計した。1回目の秋はきりたんぽに加え紅葉狩りや滝巡りといった田代岳散策を、冬に2回目に行った際は雪深い地域ならではのかんじき体験やかまくら&サウナ体験を行った。

モニターツアー(冬)では地元の若者が企画した雪見サウナ体験が好評だった

プログラムを実現するためのディレクターとして白羽の矢が立ったのは三澤雄太さん、舞さんだ。地域おこし協力隊の活動を経て、現在は空き家活用やWEBディレクション、民泊、コミュニティの場づくりなど多岐にわたって活動の場を広げている。
三澤さんご夫妻は長野市在住時、各地で古民家や空き家のリノベーションによって街が変貌するのを間近で見て、「自分たちも地元に帰って何かできないか」と、2019年に地域おこし協力隊として大館市にUターン。地域おこし協力隊という本業を持ちながら、フリーランスとして、場作り・空き家・デジタル活用をキーワードに、事業の立ち上げにも取り組んでいる。

モニターツアーでは夫婦で役割分担しながら現場をディレクション

「引き受けた当初は不安がなかったといえば嘘になりますが、わたしたちが『Oh I see.なるほどね。』と気軽に身近な人たちの悩みや課題に向き合い、人の流れやつながりを生み出していけるような場づくりを事業としていることもあって、親和性はあると思いました。実際、この事業を通じてさまざまな地元の人たちと関わりが持てるようになったので、大変ではありますが充実しています」

三澤さんご夫妻は2021年に空き家問題やまちづくりに取り組むNPO法人 あき活ラボを設立。協力隊退任後の2023年には、Webマーケティングや空間デザイン・宿泊業をメインに取り組む株式会社OICを設立し、NPO法人の運営との2軸でまちづくりに取り組んでいる。
今年に入り古道具屋「空-kuu antiques-」をオープン。空き家活用事業で現地調査にいった際に譲り受けた、古家具や生活の道具を販売しており、県北初の古道具屋ということでまち全体からも注目されている。

「ものの価値をちゃんと伝えて必要な人のもとに届いて欲しいという気持ちで古物商許可を取得しお店を開くことになりました」

小道具屋「空-kuu antiques-」これから空き家の活用事業と連動し注力していく

大館市は暮らしが中心である地域ということもあり、人の往来も少なく、地域独自の観光資源と呼べるものも近隣の市街に比べると多くない。だからこそ、三澤さんたちはノアソビSDGsの事業に期待していると熱く語る。
「外の視点を取り入れながら、地域の人たちと一緒にサービスや商品の開発をする事業はとても貴重で面白いと思っています。おおらかでゆったりとした地元の方と接点を持ってもらい、心温まる経験をしてもらえたら嬉しいし、この事業に地元の人たち自身がもっと身近に感じられるように自分たちも取り組んでいきたい」

隠れたローカルヒーローたちが支える地域のこれから

モニターツアーを遂行するにあたり欠かせない大館のローカルヒーロー

大館市のノアソビSDGs事業を支えているのは専門性が突出した「ローカルヒーロー」たちだけではない。私たちは長きに渡ってこの地で暮らす暮らしに特化した人たちの存在を忘れてはならない。
昔は買い物にいくのも一苦労だったという背景もあり、薪を割って火をくべる。春は山菜を採り、夏は川魚を釣り、冬はジビエを料理する。米や野菜も自分たちで育てるなど、当たり前に生きる術、その地で暮らすすべを自然に身につけている人たちが事業を下支えしているのだ。

地域の食材の一番美味しい活かし方を聞けば右に出る者がいないと言われる佐藤輝光さん

ジビエやきりたんぽに向き合いながら黙々と持ち場で自分の仕事に徹している姿が印象的な佐藤輝光さんは、秋・冬のモニターツアーで共に極上の食コンテンツを担当した。口数は少ないが胸に熱い想いを秘めている。定年退職後に食品衛生免許を取得し、地域の食材を用いた商品開発を精力的に行っている。
「ツアーの当日はもちろんのこと、事前の打ち合わせ自体も楽しみながら参加しています。地域の文化の伝承と掛け合わせすることがこの地域ならではの唯一無二のコンテンツになると思っています」

モニターツアーの様子を満足げに見つめる齋藤隆雄さん(左)と岩沢健さん(右)

地域住民の一番の強みは住民同士の「助け合いの精神」と「結束力」とにこやかに話す岩沢健さんは御歳88歳。まだまだ現役だ。現在はラズベリーの美味しさと活用方法の幅広さに魅力を感じ、秋田県大館市を主産地にすべく栽培や商品開発に力を入れている。
ヒーローは他にもいる。齋藤隆雄さんは、運送会社退職後、比内地鶏とラズベリーの生産を始めた。田代のラズベリーの魅力を知ってもらおうと『たしろラズベリー研究会』を発足し会長をつとめている。冬のモニターツアーではかまくらづくりの中心人物となり、ツアーの成功に導いた立役者のひとりだ。

「つくったことなくてもまずやってみる。まずは手を動かす。そして何ごとも楽しむ。昔からそうやって生きてきた。この地域の自然の良さは自分たちはよく知っている。地域素材をうまく活用して、これからもひたむきに仲間とチャレンジしていきたい」

読了ライン

モニターツアーで好評だった佐藤さんお手製きりたんぽ鍋
秋田犬も参加した冬のモニターツアーの様子。今後も実証実験を行い地域資源の掘り起こしを行っていく


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