Discover Japan 2023年4月号
「すごいローカル、見つけた!」
いま、都市とローカルの境界線はなくなりつつある一方で、まだまだ発掘されていない観光資源は数多く存在しています。
今回の特集では、土地に息づく文化や独自性を生かした、足を運びたくなる旬なローカルをご紹介!
ニッポンが誇るべき”原風景”の中に建つアートホテル「楽土庵」や“日本酒”を起点に福井の文化を味わう黒龍酒造の新施設「ESHIKOTO」を大ボリュームでひも解きました。さらに、この春注目したいワーケーションスポット、食、アート、伝統工芸も!
また、写真家・石川直樹さん、建築家・谷尻誠さんなどをはじめとした、ニッポンカルチャーを知り尽くすクリエイター8名に、絶景、アート、建築、ものづくり、発酵食、日本酒というキーワードごとに、いま一番自慢したいローカルの魅力を教えていただきました。
とっておきのローカル情報がギュッと詰まった一冊で、この春に行きたい旅先を見つけてはいかがでしょうか?
原風景×滞在で土着の文化に出合う旅
富山の“土徳”を体感する宿へ
「楽土庵」
豊かな水を蓄えた田んぼのそばには古民家が佇む、富山県西部の砺波平野。古民家を再生して2022年秋に誕生した「楽土庵」は、民藝や食、体験を通じて、地域に秘められた大いなる力を体感できる宿です。美しい原風景や文化、信仰などを守り続けるために、滞在することが地域保全にもつながる「リジェネラティブ・ツーリズム」の魅力についてもひも解きました。民藝運動の創始者・柳宗悦や版画家・棟方志功にも影響を与えたこの地で、究極のリトリート体験をぜひ。
酒蔵こそ、地元自慢のスペシャリスト!?
黒龍酒造が目指す未来の観光は「ESHIKOTO」にあり
福井を感じ、味わう新たな酒蔵複合施設「ESHIKOTO」。福井が誇る自然美を眺めながら、日本酒を通して人と文化をつなげる酒蔵ツーリズムの新たな拠点となるべく、2021年6月に誕生しました。福井の伝統的工芸品にも深くかかわる九頭竜川を目の前に、福井の銘酒「黒龍」の酒造り、世界的建築家のサイモン・コンドルさんが手掛けた日本酒の熟成棟など、未来に向けて突き進む、黒龍酒造の新たな挑戦が詰まった次世代の観光拠点の楽しみ方をひも解いています。
全国各地を知り尽くしたクリエイターたちに聞きました!
私たちのニッポン自慢
絶景、アート、建築、ものづくり、発酵食品、日本酒。各分野に精通したクリエイターの方々に、いま自慢したい日本の魅力を教えてもらいました。写真家・石川直樹さん、アートディレクター・北川フラムさん、建築家・石上純也さんと谷尻誠さん、バイヤー・山田遊さん、デザイナー・辰野しずかさん、発酵デザイナー・小倉ヒラクさん、ユリーカ(EUREKA!)店主・千葉麻里絵さん、彼らの視点から、春の旅先探しや自宅での楽しみ方のヒントが見つかるはずです。
ニッポンの伝統工芸が、世界のラグジュアリーブランドに なる!?
この春、伝統技術ディレクター・立川裕大さんによる新ブランドが始動する。その名は「AMUAMI(編阿弥)」。文化に軸足を置きながらも遊び心あるプロダクトを通じて、日本が誇る伝統技術、職人文化、そして美意識を世界に発信する。ファーストコレクションでは、ガラスと漆、金箔や組紐を掛け合わせた石英シリーズのほか、格子状に組み上げた立体組子の家具、絹を袋織りにした真田紐を掛け合わせたシルク100%のランプシェード、組子や螺鈿などの伝統工芸で装飾を施した木箱、竹藝家/バンブーアーティスト・中臣一さんとのコラボレーションによる照明、神奈川・東京・埼玉の伝統技術を掛け合わせた手元供養品「五輪塔」がお披露目された。工芸大国だからこそできる技と技との掛け合わせの妙をぜひ見てほしい。ニッポンの伝統工芸が、世界のラグジュアリーブランドになる日も近い!
“古典技法×遊び心”で食卓を和ませる
新道工房のうつわ
先人たちの技やセンスに敬意を払い、独自の遊び心を交えて現代風にアレンジする新道工房。愛知県瀬戸市で宮本茂利さん・智子さん夫妻によってつくられるうつわを食卓に並べれば、たちまち空間に笑顔が生まれます。小誌の直営店Discover Japan Lab.では、3月25日(土)~4月9日(日)に「新道工房 個展」を開催。千鳥やひょうたんなどの福を呼び込むモチーフから、中国風の子どもを模した唐子まで、普段使いしやすい作品と魅力を紹介しています。
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