美しい所作 – 礼
相手に対する感謝や敬意を体現するのが礼。下記の伝書の言葉にもあるように、何度も儀礼的に頭を下げるのではなく、時と場所に合わせた心の込もったお辞儀を心がけたいところ。こころを伝えるには、手の動きと身体の傾斜が連動して、流れるような動きを意識することが大事です。また「礼三息」という息遣いがありますが、これはお辞儀をする際、息を吸いながら上体を傾け、動きが止まったところで息を吐き、再び息を吸いながら上体を起こすもの。相手と呼吸を合わせることで、心あるお辞儀が生まれます。
教えてくれた人
小笠原 敬承斎(おがさわら・けいしょうさい)
東京都生まれ。小笠原忠統前宗家(小笠原惣領家32世)の実姉・小笠原日映門跡の真孫。聖心女子専門学校卒業。英国留学の後、副宗家を経て、平成8年に小笠原流礼法宗家に就任。礼法の普及のため、各地で指導・講演、執筆活動を行っている
https://www.ogasawararyu-reihou.com
「人に式対の事さのみ繁きは返りて狼藉(ろうぜき)なり」
=お辞儀は何度もするものではなく、一度のお辞儀に心を込めるもの
立礼
いずれも日常よく用いられるお辞儀だが、どれだけ上体が前傾するかで、礼の意味するところが変わる。立礼も座礼も、正しい姿勢が基本となり、腰を据えて行うこと。
座礼
座礼には、このほかにも目礼、首礼、合手礼など全部で9種類あるが、日常的に使われるのはこの3種。上半身と腕の動きが自然に美しく連動することが肝心である。
美しい所作
所作の基本3種 1/6公開予定
姿勢
礼
食事 1/5公開予定
text:Ayano Nomizu photo:Akito Ochiai
2016年4月「30分で納得 ニッポン文化集中講座 マナー」