覚えておくべき正しい神社の参拝マナー7つ
《参拝が楽しくなる基礎知識》
日本全国には8万を超える神社はいわば神さまの宮殿。宗教史研究家の渋谷申博さん監修のもと、「覚えておくべき正しい神社の参拝マナー」を教えてもらった。神さまは本殿から参拝者のことを見ているため、願い事のあるなしにかかわらず、境内ではマナーを守って行動しよう。
① 神さまに失礼のない服装で
神社を訪れる際は、神さまに見られても恥ずかしくない格好で、暑い季節でも肌の露出は少なめに。参拝時は帽子やサングラスは取ること。拝殿に上がる正式参拝をする際は、正装に準じた服装にする。
② 鳥居をくぐる前には一礼を
境内入り口に立つ鳥居は、境内に入らせていただくという気持ちで一礼してからくぐる。神社は公園などではなく、神さまの居場所であるため、謙虚な気持ちをもつこと。帰るときもお礼の一礼を。
③ 手水では心も清める
神社は聖地のため、心身を清めてから入らねばならない。かつては海などで全身を洗い清める禊が行われたが、容易ではないため、手水で手と口を清めて代用とする。怒りや欲望といった心の汚れもすすぐ気持ちで行うとよい。
④ 参道の真ん中は歩くべからず
道の真ん中をのしのし歩くのは行儀が悪いこと。特に神社では、御祭神に遠慮して端を歩くのが正しい。ただし初詣などの混雑時は、この限りではない。
⑤ 参拝の基本は二礼二拍手一礼
拍手は、神さまや貴人に対して敬意を示す古来の作法。この前後に深く頭(こうべ)を垂れる拝を行って、神さまを崇める気持ちを示す。島根県の出雲大社など、神社によっては四拍手のケースもあるので、拝殿に参拝作法が掲示されていないか注意しよう。
⑥ お賽銭は金額にこだわらない
語呂合わせで金額を決める人もいるが、本来お賽銭は米などを奉納する代用として納めるため、無理ない範囲で精一杯の奉納をすべき。なお1円玉はできれば避けたい。
⑦ おみくじは持ち帰るもの
おみくじは、神意を判断するための手段のひとつとして用いられてきた。つまり、神さまのお告げであるため、ありがたくいただくのが基本。願掛けをしたい際などは、指定の場所に結んでいく。
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illustration: Aki Ishibashi
Discover Japan 2023年8月号「夏の聖地めぐり。」