発酵食品名鑑②
『醤油編』
全国各地に根づく発酵食品の魅力を伝えるべく、発酵デザイナー・小倉ヒラクさんを監修者に迎え、ヒラクさんが本当に美味しいと思う発酵食品だけを厳選!
今回は、日本の食卓に欠かせない必須調味料「醤油」。日本各地の醤油には、濃口、薄口のほかにも、地域特有の醸造法などにより、その種類は多種多様。ここでは味わい別に各1本をセレクト。
発酵デザイナー。山梨県甲州市を拠点に全国の醸造家との商品開発、ワークショップなどを行う。著書に『日本発酵紀行』(D&DEPARTMENT PROJECT)などがある。
未来を見据える醤油蔵の、自慢の一本
「ヤマロク醤油」のさいしこみ醤油「鶴醤」/香川県
「木桶文化の継承者がつくっている醤油蔵の醤油です。4年もかけて仕込むので、味が濃い。すきやきの出汁割にちょうどいいです。」
東京に残る、唯一の醤油蔵
「近藤醸造」のキッコーゴ丸大豆醤油/東京都
「自家醸造なのに価格が良心的。近藤さん親子がとてもチャーミングでかわいいんです。人懐っこい味なので、入門編や普段使いに最適。」
価格:298円/360㎖
Tel:042-595-1212
Fax:042-596-4151
注文方法:Tel、Fax、インターネット
https://www.kondojozo.com/
幻の製法で醸す、濃厚たまり醤油
「東海醸造」の底引きたまり/三重県
「醤油とは思えないフルーティーさがあります。豆味噌の旨みが凝縮しきった、たまりならではの贅沢な味。穴子の照り焼きにおすすめ!」
価格:900円/200㎖
Tel:059-382-0001
Fax:059-382-5135
注文方法:Mail、Tel、Fax
http://www.tokaijozo.com
古来の麦醤が復活!究極のしろたまり
「日東醸造」の白醤油 しろたまり/愛知県
「日東醸造さんは、醤油とみりんのよさをあわせもつ醤油です。変わり種にみえて実はすごく使いやすくて1本あれば便利に使えます。」
国産原料のみで醸す、本物の醤油づくり
「大徳醤油」の丸大豆醤油/兵庫県
「極めてきまじめな味わいです。醤油としてそのまま使ってもいいのですが、煮物にぴったりで、軟らかい旨みが広がります。」
醤油業界の新星がつくる、純粋無垢な醤油
「ミツル醸造」の生成り濃口/福岡県
「さしみ最強。ぜひ加熱しないで使ってほしい。香りを嗅ぐだけでうっとりできる、官能的醤油。さしみはこの醤油に限ります!」
一度味わえば虜。能登の甘口醤油
「谷川醸造」のサクラ醤油 こいくち(鶴)/石川県
「能登の醤油は九州より味が濃いです。キリっとしていて甘じょっぱい。パッケージ、ブランドがおしゃれでセットはお土産におすすめ。」
洋食にもマッチする、濃厚な旨みの魚醤
「ふらっと」の自家製いしり(魚醤)/石川県
「手作り感があって、とってもワイルドな味わいです。魚醤の原型のような製法でつくられるのですが、洋食にあうんです!」
日本は、醤油、味噌、みりん、酢、漬物、納豆、珍味など独自の発酵食文化を生み出しています。今回紹介した商品はお取り寄せも可能なので、ぜひお試しあれ!
監修=小倉ヒラク 文=小倉ヒラク、林 貴代子、新居奈津、相磯法子、写真=岩堀和彦、野中弥真人
Discover Japan 2019年11月号「すごいぜ!発酵」の一部を抜粋して掲載しております。
1|『珍味編』
2|『醤油編』
3|『味噌編』
4|『みりん編』
5|『酢編』
6|『漬物編』
7|『納豆編』
8|これも実は発酵食品!
9|青森県でつくられる「ごども納豆」