発酵デザイナー・小倉ヒラクが自慢したい「発酵食品」
私たちのニッポン自慢【Part 7】
絶景、アート、建築、ものづくり、発酵食品、日本酒。各分野に精通したクリエイターの方々に、いま自慢したい日本の魅力を教えてもらいました。彼らの視点から、春の旅先探しや自宅での楽しみ方のヒントが見つかるはずです!
Part 7は発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが自慢したい発酵食品。数ある発酵食品の中から、風土や地域信仰とのかかわりが強い品をセレクト。珍しいだけでなく美味しさもお墨付きです。
小倉ヒラクさん
東京都出身の発酵デザイナーであり、東京・下北沢の「発酵デパートメント」オーナー。山梨県甲州市を拠点に、全国の醸造家との商品開発、ワークショップなどを行っている。著書は『発酵文化人類学』(木楽舎)など多数
<ゆかりの地で手掛けた店>
東京都・世田谷区「発酵デパートメント」
ディープな発酵の世界に東京で触れる
発酵食品を求めて世界を旅してきたヒラクさんが出合った、ユニークな発酵食品が集う店。「僕の故郷である佐賀県呼子の『松浦漬』も置いていますが、正直なところ味は評価が分かれるんですよね。気になる人はぜひ発酵デパートメントへ!」
<ここが自慢!>
全国各地の発酵食品が集結。レストランで実際に各地の発酵料理も味わえる
住所|東京都世田谷区代田2-36-15
Tel|03-6413-8525
営業時間|11:00〜20:00(金曜は〜21:00)
定休日|不定休
https://hakko-department.com
栃木県・日光市
上澤梅太郎商店の「日光みそのたまり漬七種刻み合わせ(だんらん)」
商業・物流の中心地で生まれた土産物
味噌づくりで出るたまりに塩漬け野菜を漬け込み、数カ月以上熟成。「日光街道の宿場町だった今市宿は、京都や江戸、会津、日光のジャンクション。デザインも持ち運びやすさも完成された土産品です」
<ここが自慢!>
日光の観光地化が、誕生のきっかけ。深いコクがあり、白米が進む味わい
価格|600円
内容量|120g
原材料|大根、キュウリ、ショウガ、フキなど
購入方法|オンラインショップ
Tel|0288-21-0002
www.tamarizuke.co.jp
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新潟県・妙高市
かんずりの「吟醸かんずり六年仕込ミニ」
雪深い地を守る、中医学に基づいた薬膳
塩漬け唐がらしを雪の中にさらし、麹、ユズ、塩とともに6年以上発酵・熟成させた調味料。「冬の寒さしのぎに唐がらしを食べていたことが起源。寒い地域だからこそ、未病の観点から食べられていたようです」
<ここが自慢!>
ラーメンや焼き鳥のほか、地元ではたくあんに付けて食べることも!
価格|648円 ※5月1日より777円に価格改定予定
内容量|40g
原材料|唐がらし、糀、ユズ、塩
購入方法|Tel、Fax(0255-72-0344)、オンラインショップ
Tel|0255-72-3813
https://kanzuri.com
和歌山県・湯浅町
太田久助吟製の「金山寺味噌」
禅宗の修行から生まれた“おかず味噌”の原型
湯浅町は中国の径山寺(きんざんじ)から金山寺味噌が広まったとされる場所。手作業で仕込んだ甘辛い味は、副菜はもちろん味変のお供にも。「大陸から伝来した醤(ひしお)文化の原型をとどめる貴重な発酵食品です」
<ここが自慢!>
全国に広がる金山寺味噌の原点。当時は画期的な夏野菜の保存法だった
価格| 木箱入り1080円
内容量|270g
原材料|米、大豆、裸麦、ウリ、ナス、ショウガ、紫蘇、塩、砂糖など
購入方法|Tel、Fax(0737-62-4811)
Tel|0737-62-2623
Mail|otakyuusukeginnsei@outlook.com
https://ota-kyusuke.jp
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宮崎県・日南市
戸村精肉本店の「むかでのり」
信仰と深く結び付いた日南地域の季節商品
日南海岸で収穫した海草・トゲキリンサイを煮出し、冷やし固めたものを麦味噌に漬けたプルプル食感の逸品。「県内でも存在を知る人はごくわずか。海沿いの地域でつくり、山上の集落でも消費されています」
<ここが自慢!>
かつては漁師の手づくり。現在は戸村精肉本店が守り継いで製造している
価格| 682円
内容量|約180g
原材料|キリンサイ、麦味噌、水飴、酒精など
購入方法|Tel、Fax(0987-27-3663)
Tel|0987-23-1882
www.tomura.com
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自慢したい「日本酒」
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text: Natsu Arai photo: Shimpei Fukazawa, Atsushi Yamahira
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