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ニセコ
《SHIGUCHI/シグチ》
人と自然、アートをつなぐ ギャラリーステイ|中編

2022.6.8
ニセコ<br>《SHIGUCHI/シグチ》<br><small>人と自然、アートをつなぐ ギャラリーステイ|中編</small>

ニセコ町から里山を走り、ほどなく羊蹄山のダイナミックな姿が現れる。20分も走れば、やがて車は原生林に覆われた倶知安町花園地区へと入る。目指すはギャラリーステイ「シグチ」。アートとともに過ごす宿である。人里離れた別世界、ここまで来たらやっぱりロングステイしたい。“自然と人のつながりを取り戻す場”とうたう唯一無二のステイ先だ。

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食事のスタイルはその日の気分で

そもざの店内。中央にある大きな丸いテーブルがメイン。今年後半には大掛かりなテラス席を新設する予定。季節を肌で感じ自然の中で食事が楽しめる

敷地内に建つ「そもざ カフェ&ギャラリー」は、栃木県大田原市から築150年という古民家を移築し改装した建物である。1階にはレストランとともにギャラリーが併設され、ショウヤさんと奥さまの目利きで選ばれた地元作家の陶器類が並び、その一画にはオーガニックティーやチョコレートも売られている。この自由な空間では不定期に展示会やイベント開催もあるというから楽しみだ。

レストラン部分については、近々テラス席を広げ、さらにレストランを増築する予定があるという。初夏から夏、そもざの下を流れる硫黄川のせせらぎを聴きながら、森に包まれるテラスに憩う時間は至福の時だろう。

キッチンで料理をする小関達弥シェフ。先達が培ってきた地元の料理を現代風にアレンジして提供したいと語る。周囲の自然を感じながら料理との一体感に五感が喜ぶ。次回は特別なリクエストもしてみよう
部屋でプライベートに楽しむインルームダイニング用のメニュー

小関達弥シェフが提供するのは地元の食材を使い、イノベーティブなフレンチを基本とする独創的な料理。「ショウヤさんの哲学を自分のフィルターを通して表現したい。フランス、和食、アイヌの食文化を背景に、ショウヤさんの元で料理をすることでおもしろい化学反応が起きるといい。こんな山奥まで足を運んでくださるゲストと驚きや楽しみを料理でも共有したい」と抱負を語る。小関シェフはミシェル・ブラス氏、ベルナール・ロワゾー氏ら名料理人の下で研鑽を積んだ。

さて、そもざの料理は、ソムリエの佐々木克之氏推薦のワインとともにコース料理を満喫するのがいいが、ヴィラに運んでもらい、のんびりといただく“インルームダイニング”も悪くない。マイペースでつまめるインルーム用のメニューがある。

またキッチンがフル装備のヴィラなので、食材を調達してきて、料理の腕を振るってみてもいい。

各ヴィラの客室に備わるフル装備のキッチンなら自分たちで料理も可能。料理道具ばかりか、大きな冷蔵庫や電子レンジ、奥さまこだわりのカトラリーなどをすべて装備。長期滞在には贅沢なキッチンで自己流料理を
朝食の一例。中央の皿はパンチェッタとその下にハナシベツ(ジャガイモ)とハーブ、うつわの中には紫ニンジンのポタージュ、右の皿はホタテのカルパッチョ、フルーツ入りヨーグルト、スクランブルエッグ、コーヒーと焼きたてパンの盛り合わせなど

 

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text: Kyoko Sekine photo: Shouya Grigg, Shinsuke Matsukawa
Discover Japan 2022年5月号「ニュー・スタイル・ホテルガイド2022」

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