ニセコ
《SHIGUCHI/シグチ》
人と自然、アートをつなぐ ギャラリーステイ|前編
ニセコ町から里山を走り、ほどなく羊蹄山のダイナミックな姿が現れる。20分も走れば、やがて車は原生林に覆われた倶知安町花園地区へと入る。目指すはギャラリーステイ「シグチ」。アートとともに過ごす宿である。人里離れた別世界、ここまで来たらやっぱりロングステイしたい。“自然と人のつながりを取り戻す場”とうたう唯一無二のステイ先だ。
静寂の中で本に集中。
温泉に浸かり、景色を眺める
古民家を利用したA、B、Cの3棟からなるヴィラには、リビング、寝室、和室のほか、調理器具や作家もののうつわやカトラリー、冷蔵庫などがフル装備されたキッチンがある。
そして、温泉。敷地内から湧き出る豊富な湧出量を誇る天然温泉を各ヴィラで楽しめるのだ。ヴィラによっては2カ所あり、源泉かけ流しの湯が滞在者の心身を癒してくれる。
この日、部屋に置かれた本を開いてみた。久しぶりに読書に集中できたのは、部屋にテレビが置かれていなかったからかもしれない。またはこの俗世から離れた環境に心が癒され、雑念が遠のいたからか……。こうして時が流れ、静けさの中で眠りに就いた。
翌朝の目覚めはすっきりと最高だった。ショウヤさんの奥さまに、肌触りがとりわけ優れたベッドのリネン類についてたずねると、「ここで使っているシーツは600スレッドカウントのコットンです。確かスペイン王室御用達の品」とのこと。世界で流通するコットンの中でも稀少なエジプト綿だという。眠りの深さはこのリネン類にもあったのかも知れない。
「シグチ」のこだわりはアメニティ類にも決して手を抜いていないことからも感じられる。
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text: Kyoko Sekine photo: Shouya Grigg, Shinsuke Matsukawa
Discover Japan 2022年5月号「ニュー・スタイル・ホテルガイド2022」