京都《伏見稲荷大社》のご利益の秘密②
本殿から頂上までで出合える神さま&パワースポット6選
伏見と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、朱い鳥居が連なる光景で知られる「伏見稲荷大社」だろう。その謎めいた雰囲気に外国人参拝客も多く集まるが、この伏見一帯が、歴史と深く結び付いたパワースポットであり、「水」にまつわる逸話が多いのも事実。京都屈指といわれるご利益の源をめぐらずにはいられない。
今回は「伏見稲荷大社」の歴史と深く結び付いたパワースポットを紹介する。
千本鳥居をくぐると……伏見稲荷大社には
数々の神さまが宿っていました。
伏見稲荷大社は背後に稲荷山を擁していて、山を一周するお参りを「お山めぐり」と呼んでいます。
千本鳥居から奥社奉拝所へ進み、根上りの松のある鳥居を過ぎると三ツ辻と本殿へ戻る分かれ道に出合います。
三ツ辻から四ツ辻へと、長い石段が続きます。
この四ツ辻からさらに奥には、「七神蹟」と呼ばれる聖地があり、強力なご利益があるといわれ、聖地巡礼に訪れる人は年々増えているようです。
お山めぐりに準じて、四ツ辻から右回りで進むと、御膳谷奉拝所、雷石と呼ばれる岩座、御劔社へと次々に聖地と出合えるのです。
あまり知られていませんが、洛南伏見には、金運、開運を授かれるふたつの寺社が向かい合って建っています。
京阪本線の丹波橋駅、もしくは近鉄丹波橋駅が最寄りの駅です。西へ歩いて数分ほどでたどり着くのが「大黒寺」。通称「伏見の大黒さん」です。
知らず通り過ぎてしまいそうな存在ながら、大黒天をご本尊として、金運、出世開運にご利益ありとされるありがたい寺です。ご近所さんは「薩摩寺」と呼ぶことが多いように、幕末には薩摩の志士たちが密談を交わした、薩摩藩ゆかりの寺でもあります。
本殿から頂上までで
出合える神さま&パワースポット
1|願い事がかなうか占える!? 「おもかる石(重軽石)」
千本鳥居の先、「奥社奉拝所」にある「おもかる石」。石灯籠の前で願い事をし、石を持ち上げる時の重さが予想より軽ければ願い事がかない、重ければかない難いといわれている
2|ふたつのご利益をもつ根上がりの松
伏見稲荷大社のパワースポットのひとつ。松の木肌をなで、自分の身体の痛むところをなでるとその痛みが治る、木の根元をくぐると、「株の値が上がる」ご利益があるとされる
3|稲荷山の中腹に現れる不思議な力をもつ「新池」
熊鷹社の後ろに広がる別称・谺ケ池(こだまがあいけ)。行方知れずの人の居場所を探すとき、池に向かい手を打ち、こだまが返ってきた方向に手掛かりがつかめるという言い伝えがある
4|先見の明を見抜く眼力を授かれる「眼力社」
眼力大神、石宮大神を祀り、眼の病を治し、先見の明を授かれると、商売・相場にご利益があるとされる。逆立ちした狐像がある、不思議な手水舎が目印
5|社殿の奥にパワーストーンが!? 「御劔社」
稲荷山の「七神蹟」のひとつ、別名長者社神蹟。加茂玉依姫(かものたまよりひめ)を祀り、社殿上の「御劔石(みつるぎいし)」は、霊力により雷が縛り付けられていたと伝わる
6|一ノ峰に鎮座する「上社神蹟」でゴール!
標高 233m、山頂にある一ノ峰。末広大神を祀った神蹟で、親塚を囲むように無数のお塚や社が並び、商売繁昌、金運上昇などさまざまな神が宿る強力なパワースポットと伝わる
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ご利益スポット3選
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伏見稲荷大社
全国に3万社あるといわれている稲荷神社の総本宮。もともとは稲の豊作を願い参拝していたが、時代の変化とともにご神徳は拡大。千本鳥居を抜けた稲荷山には、さまざまな神が宿る旧跡「七神蹟(しちしんせき)」がある
住所|京都市伏見区深草薮之内町68
Tel|075-641-7331
拝観時間|24時間参拝自由(ご祈祷受付9:00〜16:30)
拝観料|無料
https://inari.jp
photo: Katsuo Takashima
Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」