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おさがり文化の新しいかたち。
北海道上川町×TSIホールディングスが
“洋服のアップサイクル”で家族の想いを未来につなぐ

2022.4.22 PR
<small>おさがり文化の新しいかたち。</small><br>北海道上川町×TSIホールディングスが<br>“洋服のアップサイクル”で家族の想いを未来につなぐ

“日本一オープンイノベーションなまち”を目指す上川町と、“世界で最も幸せなファッションカンパニー”をスローガンに掲げるTSIホールディングスは2021年秋、「持続可能な地域づくりを目指す包括連携協定」を締結。それぞれの強みを生かした共創により、地域の魅力創出や課題解決を目指す。“住民の人生の節目にTSIを”の想いの下、多角的に連携を進める中、洋服をアップサイクルして新しい命を吹き込むというプロジェクトが動き出した。

アップサイクルした洋服をバトンに
住民の人生の節目に寄り添う

「上川町はとにかく自然豊か。何物にも代えがたい美しさがあります。そしてその素晴らしい環境はもちろん、そこで暮らす皆さんの温かさ、町に対する町長の深い愛情や次世代への想いに感銘を受けました」

TSIホールディングス(以下TSI)代表取締役社長の下地 毅さんは、3年前に上川町をはじめて訪れたときの感動をそう教えてくれた。同時に、過疎化や高齢化など、町が抱える課題についても知り、「ファッションを通じて、地域課題を解決する手伝いがしたい」と考えたという。

2021年10月29日に締結した協定では、上川町の豊富な地域資源や自然環境と、TSIの技術・人材・ブランド力を融合させ、地域起点の新たなライフスタイルやモノづくりの創出など、持続的な発展を目指した取り組みを行っていく。

 

上川町×TSIホールディングス
地域包括連携協定を締結

 
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下地 毅(しもじ・つよし)さん
TSIホールディングス代表取締役社長。1985年、文化服装学院卒業後、ラングラージャパンにデザイナーとして入社。’90年、上野商会に入社し、2018年に取締役社長就任。’20年よりTSIホールディングス取締役、’21年3月にTSIホールディングス代表取締役社長就任。https://tsi-holdings.com

上川町は北海道のほぼ真ん中、日本最大の山岳国立公園である大雪山国立公園の北方部に位置する

その取り組みのひとつとして今春、洋服のアップサイクル事業が動き出した。町が窓口となり、着なくなった洋服を回収。TSIが運営する修理・お直しの専門店「ReSew」の職人がその洋服を生まれ変わらせた上で、子どもや孫など家族に贈るというもの。モニターとしてアップサイクルを体験したのは、上川町の西木麻希さん・瑠花さん母娘。進学のため上京する瑠花さんへの贈り物として、麻希さんが若い頃に着ていた洋服のアップサイクルを依頼した。

「普段の仕事は洋服の修理が基本ですが、今回は一からのモノづくり。しかも依頼主と直接会わずにつくるということで、アイデア出しに一番、時間がかかりました」

「ReSew」の本多裕介さんは、リメイクに際しての苦労をそう語った。アイデア出しに際し、本多さんが大切にしたのは、贈る側と贈られる側、それぞれの想いだ。

「段ボールひと箱分の洋服が届いたのですが、どれも大切に保管されていたことが分かる状態でした。“長く使いたい”と瑠花さんに思ってもらえることはもちろん、お母さまにも洋服への愛着や思い出を感じてもらえるものをつくりたいと思いました」

本多裕介(ほんだ・ゆうすけ)さん
「ReSew(リソウ)」の修理担当・主任。「ReSew」はTSIが運営する修理・お直しの専門店。洋服の修理はもちろん、リメイクやカスタムを通して、資源の有効活用やリサイクル精神を啓蒙しながら、洋服の「楽しさ」を発信している。https://www.resew.tokyo

本多さんが提案したラフスケッチの一部

そこで本多さんは、瑠花さんのファッションの好みや将来の夢などをヒアリング。その上で、ボタンや切り替え線など、もともとの洋服の要素を取り入れたアイデアを複数提案した。そのデザイン案を目にした瑠花さんは、

「声優になりたいという話をしたら、台本も入れられる手帳カバーを提案してくださって、それがとてもうれしかったです。母も大喜びしています。私がデザイン案を見ていたら、母も欲しいと言い出して、追加で自分用のバッグへのアップサイクルをお願いしたくらいです(笑)」と教えてくれた。

西木瑠花(にしき・るか)さん
上川町出身。この春、高校を卒業して進学のため上京。そんな人生の節目を記念して、上川町×TSIホールディングスによる洋服アップサイクル事業のモニターに応募。瑠花さんの母・麻希さんが若い頃に着ていた洋服をリメイクした手帳カバーとショルダーバッグ、ナップサックを受け取った

チェック柄のセットアップをアップサイクル。手帳カバーのヌメ革部分には、瑠花さんの名前が刻印してある
こちらも同じセットアップから生まれたショルダーバッグ。フリルがついた切り替え線は、もともとのデザインを生かしたもの
しっかりした生地の赤のセットアップは、ナップサックにアップサイクル。セットアップのボタンをそのまま、ひもの留め具にあしらった

アパレル×ローカル、都市×地域の
新たな関係性から生まれる
持続可能なまちづくり

着なくなった洋服に新しい命を吹き込み、家族の想いをつないでいく。このアップサイクル事業は、住民の暮らしに寄り添うと同時に、洋服の廃棄・焼却によって排出されるCO2の削減につながるSDGsへの取り組みでもある。

上川町役場の三谷航平さんは、

「日本一大きな国立公園を有し、自然が豊かな上川町では、SDGsへの取り組みとして、単に使う量を減らすのではなく、有限な資源を効率的に使いつつ再生させることが大切と考え、循環できるまちづくりを進めています。中でも洋服アップサイクル事業は、TSIさんとの連携があってこその取り組みですし、想いをつなぐことで循環させるという、とても“あったかい”企画だと思います」と教えてくれた。

三谷航平(みたに・こうへい)さん
上川町役場産業経済課 移住定住グループ。2012年、上川町役場入庁。上川町が展開する新規事業の企画構想・立ち上げに主担当として携わる。’19年より東京の民間企業に出向。KAMIKAWORK.Lab.TOKYO.SATELLITE(上川町東京事務所)を兼ねつつ、都市・地域をつなぐ架け橋として、数多くのプロジェクトを企画・進行している。https://www.kamikawork.jp

「ファッション業界は世界的に見ても環境負荷が大きい業界。TSIは徹底してCO2削減に取り組んでいます。洋服のアップサイクル事業は、時間と労力がかかりますから、コストベースでいったら割に合いません。でも技術者は誇りをもって取り組めますし、その結果、技術力も上がります。そして何より、想いをつなぐという夢があります」

という下地さんの想いを受け、三谷さんは、

「上川町が理想とするのもまさに同じ。日本全体で人口が減っているいま、町の価値は人口という数字ではなく、豊かさという質が問われていくようになると考えています。目指すのは、住民一人ひとりが夢や希望をもち、自分の町に誇りを感じられるまちづくり。今回、締結した協定によって、上川町に新たな価値が生まれることと思います。洋服アップサイクル事業は今後、上川町のふるさと納税の返礼品として、また観光客向けにも展開していく予定です。住民が町に価値を見出し、内外の人が町と寄り添うきっかけにしたいと思いますし、この事業を契機に、TSIのコンテンツをもとにした新しいライフスタイルを広く発信していきたいと思います」と語った。

同時に上川町は、都市部企業のローカルへの新たな関係人口創出モデルを構築し、“日本一オープンイノベーションなまち”を目指す。

「場所にとらわれない暮らし方・働き方をする人が増えているいま、地域の課題を解決するための人材を、必ずしも地域内に求める必要がなくなってきています。上川町では、さまざまなプロジェクトを通して、地域内外の人材とつながるための場やシステムを構築し、互いに価値を提供し合える関係人口の創出に取り組んでいます」

物質的な距離や立場を超え、日本中の人、企業、教育機関などとつながり、それぞれの強みを掛け合わせることで、地域の価値を最大化し、ともに成長していく。これは今回、締結した協定が目指すものでもある。

連携の柱は、総面積の94%を森林が占める“林業のまち”上川町の森林資源の活用。木材を使った商品の企画・販売や体験コンテンツの開発、学校制服や林業従事者のための機能服の共同開発のほか、キャンプ場や子どもの遊び場、林道の整備などにもともに取り組む。その根底には、上川町の自然と文化を守り、次の世代につなげていきたいという想いがある。「目指すのは短期的なメリットではない。将来を見据え、自治体とアパレル企業が地域起点の新しいライフスタイルを共創することに意義がある」と言う下地さんは、

「怪我から守る衣服を開発・提供することで、林業従事者が安心して仕事に従事できれば、次世代の雇用につながるでしょうし、子どもたちが安心して遊べる河川敷の再生や動物愛護などによって、住みやすい環境づくりに取り組みたい。将来的には、上川町にTSIの森をつくり、自然と共生するサステナブルな社会の実現も目指しています。同時に、“世界で最も幸せなファッションカンパニー”として、服のもつ楽しさ、ワクワク感を子どもたちに伝えていきたいですね。町の皆さん一人ひとりの人生に寄り添いながら、アパレル企業ならではの持続可能なまちづくりにともに取り組んでいきたいと思います」と、想いを語った。

北海道上川町
北海道のほぼ中央に広がる日本最大の山岳自然公園「大雪山国立公園」の北方部に位置し、大雪山連峰と北海道第一の河川、石狩川の清流に恵まれた自然豊かな町。大雪山系のひとつ・黒岳への登山口には北海道有数の温泉地である層雲峡温泉があり、大雪高原温泉の秋は“日本一早い紅葉”が見られる。主な観光施設は、層雲峡温泉・大雪山黒岳スキー場・大雪森のガーデン・層雲峡オートキャンプ場・かみかわヌクモなど。夏はラフティングや登山、サイクリング、冬はスキー、スノーボード、犬ぞり、冬キャンプなど多彩なアクティビティも楽しめる。
近年では、町内全域をキャンパスに各種講座やイベントを展開する「大雪山大学プロジェクト(https://daisetsuzan-univ.jp/)」や、上川町での新しい働き方をテーマに移住者や関係人口の創出を図る「カミカワークプロジェクト(https://www.kamikawork.jp/)」、ほかにも、地域DMCを核にした通年型山岳リゾートタウン実現プロジェクトや、アドベンチャートラベルの推進による欧米豪市場の開拓など、先駆的な地方創生プロジェクトに数多く取り組んでいる。
https://www.town.hokkaido-kamikawa.lg.jp/

株式会社TSIホールディングス(TSI HOLDINGS CO.,LTD.)
2011年設立。東京都港区に本社を置くアパレル企業。主に百貨店やショッピングセンターなどに出店するアパレルメーカーをはじめとする子会社およびグループ会社の事業活動の管理を行う。連結従業員数5700名。東京証券取引所第1部上場。証券コード3608。https://tsi-holdings.com
ブランドリスト:https://tsi-holdings.com

text: Miyu Narita photo: Kazuya Hayashi

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