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民芸モダンの宿《雲仙福田屋》
長崎和牛と雲仙の在来種野菜を鉄板焼で堪能

2022.4.11
民芸モダンの宿《雲仙福田屋》<br><small>長崎和牛と雲仙の在来種野菜を鉄板焼で堪能</small>

長崎・雲仙には40年にわたり、種をつないで在来種を守ってきた農業者がいる。野菜の花が咲く彼の畑と、生命力あふれる野菜に惹かれた人たちが雲仙にやってきた。オーガニック野菜の直売所ができ、野菜が主役のレストランがオープン。いま、その小さな畑を中心に、確かなオーガニックの輪が広がっている。

今回は、雲仙温泉にある民芸調和風旅館「雲仙福田屋」で、目の前の専用カウンターで長崎和牛をはじめ、島原半島の海の幸や雲仙のオーガニック野菜のステーキなど五感で愉しむ。

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野菜を愛する料理長に
もてなされる

草野さんの見事な手さばきに見入ってしまう

海の小浜温泉に対し、雲仙温泉は山の温泉郷。硫黄の匂いが立ち込め、白い噴気でけむる雲仙地獄が有名だ。この地で外せないのが雲仙福田屋の鉄板焼。野菜がおもしろくてしょうがないという料理長の草野玲さん。地元の大切な食材でもてなされているという喜びが込み上げてくる鉄板焼だ。実は草野さんも、岩崎さんの在来種野菜にハートをつかまれてしまった一人。彼の畑に通い、自らも畑をもち、少しずつ種を採るようになった。

島原半島は本当に食材が豊かだと実感。鉄板焼はそれぞれがもつ美味しさを引き出していく

まず食前酒代わりに出されるのが黒田五寸人参を搾っただけのジュース。鉄板には20種類ほどの野菜が並べられる。近隣の5〜6軒の農家から仕入れるもので、岩崎さんの野菜セットもある。「10種類ほどの中には知らない野菜もあって、岩崎さんの説明を見ながら勉強させてもらっています」と草野さん。メニューありきの食材選びが、野菜を見てメニューを決めるというスタイルに変わったそうだ。

島原半島で育つ20種類ほどの野菜をじっくり焼く。野菜によりバターを落とすものも

低温でじっくり焼いた野菜は、甘く、香ばしく、凝縮した旨みがたまらない。これが甘鯛やアワビといった長崎が誇る魚介、長崎牛などの付け合わせになるのだが、主役の存在感がある。野菜は季節ごとに替わるから、何度でも足を運びたくなる。

開放的な宿泊者専用のパノラマ露天風呂「薫風の湯」。酸性単純硫黄泉の濁り湯が満ちる
あつ湯、ぬる湯がある内湯「白雲の湯」。竹の葉がそよぎ、清水川のせせらぎが心地よい
2021年3月よりワーケーション専用の部屋を新設。こちらのスイートはグループ利用もできる

民芸モダンの宿 雲仙福田屋
住所|長崎県雲仙市小浜町雲仙380-2
Tel|0957-73-2151
料金|1泊朝食付本館1万5070円〜、別邸2万8380円〜、鉄板焼きプラン3万1900円〜
IN|15:00
OUT|10:00(別邸は11:00)
営業時間|日帰り入浴 12:00〜14:00(最終受付)
https://www.fukudaya.co.jp/
 

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text: Yukie Masumoto photo: Azusa Shigenobu
Discover Japan 2021年5月号「美味しいニッポントラベル」

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