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ノアソビSDGs/三重県いなべ市
鈴鹿山脈の豊かな懐を、アウトドアの五番街に!

2022.3.28 PR
<small>ノアソビSDGs/三重県いなべ市</small><br> 鈴鹿山脈の豊かな懐を、アウトドアの五番街に!

三重県の最北端にあるいなべ市は、北に養老山地、西に鈴鹿山脈が走る田園地帯が広がる土地。この豊かな自然を活用し、いなべ市を世界に通用するアウトドアの五番街にしようという計画が進められている。すでに西日本一の人気を誇るキャンプ場を有するこの地で、「ノアソビSDGs」が担う役割はどういったものになっていくのか。行政と民間の事業者両方のキーパーソンとなる人物に話をうかがった。

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「ノアソビSDGs」とは?
「野遊び」とは、豊かな自然と四季を身近な存在として親しんできた日本独自の文化であり、心の安らぎや充足感、ストレスの解消などを自然環境の中で得る営み。その野遊びを通してSDGsや地方創生の実現を目指すのが「ノアソビSDGs協議会」だ。“ノアソビ”のカナ表記には、“モッタイナイ”のように、日本から生まれた概念がグローバル化し世界の合言葉になるように、という意味が込められている。

〈お話をうかがった方〉
小川 悟(おがわ さとる)さん
いなべ市政策監。いなべ市出身。1981年、三重県庁に入庁し、以来、2005年日本国際博覧会協会(愛知万博)の催事管理課長、首都圏アンテナショップ「三重テラス」の立ち上げ、伊勢志摩サミット推進局サミット事業推進課長などを歴任。2019年より現職に就き、地域創生に従事する。

アウトドア事業の磨き合いで、世界を目指す。

名古屋から車で約40分の距離に位置する三重県いなべ市。人口4万5000人を超える同市は県内で2番目に工業が盛んな地域で、平野部にはトヨタやデンソーといった大企業の工場が建つ。一方、面積の約58%を占める山間部は、キャンプやサイクリングなどが楽しめるアウトドアスポットとして知られる。名古屋や大阪からも気軽に行けるエリアとあって、西日本一の人気を誇る「青川峡キャンピングパーク」など人気のアウトドアスポットが点在している。

さらに2022年夏には、デンマーク発のアウトドアブランド「ノルディスク」がプロデュースするSDGsをテーマにしたアウトドアフィールド「Nordisk Hygge Circles UGAKEI」がオープン予定。同ブランドによる日本初の施設で、宇賀渓の手つかずの自然を満喫するキャンプを楽しむことができる。

そうしたベースがあった上で、いなべ市は、今回の取り組みであるノアソビSDGsの事業にも参画している。いなべ市政策監の小川さんによると、これらのアウトドア事業を推進する狙いは、“いなべ市=アウトドアの聖地”という価値をつくり、世界に認知させることにあるという。

「青川峡キャンピングパーク、ノルディスク ヒュッゲ サークル ウガケイ、ノアソビSDGsという事業を通して、『いなべに行けばアウトドアを楽しむあらゆる環境が整っている』という認知を広めていきたい。私はそれを、いなべのアウトドア五番街構想と呼んでいますが、いなべを世界レベルのアウトドアの聖地にしたいと考えています。そのためには、各事業がブランド力をつけて個性を際立たせないといけません。お互いが切磋琢磨しながら質の高いものをつくり上げていく磨き合いによって、いなべ全体の価値も上がっていくのではないかと思います」

青川峡キャンピングパーク。週末やハイシーズンはすぐに予約でいっぱいに
宇賀渓の大自然に包まれてアウトドアステイができる「Nordisk Hygge Circles UGAKEI」

いなべノアソビSDGsを価値づける体験コンテンツ

いなべ市がアウトドアの聖地として認知され、さまざまな選択肢が利用者にあると考えた場合、ノアソビSDGsならではの強みや魅力とは? 小川さんがそういった目線で一つひとつの事業の仕組みをつくり上げる中で行き着いたのは、「利用者の体験の機会を増やすこと」だったという。

「キャンプ場で1日過ごして帰るというだけなら、ほかのキャンプ場でもできます。いなべでできるノアソビの価値と考えたときに、その軸になるのは良質な体験コンテンツだろうと思いました。それも、よくある体験コンテンツではなく、主に一次産業に携わる人が彼らのリアリティを伝える場にしたい。そんな思いを生産者さんに伝え、ご協力いただけるよう声を掛けていきました。いなべ市には、無農薬の野菜をつくる人、お茶の栽培をする人などさまざまな生産者がいます。これまでつくり手が連携する仕組みはありませんでしたが、『いなべあそび』というチームができ、彼ら主導で体験コンテンツを担当してくれることになっています」

「いなべあそび」メンバー
山崎基子さん(okudo 中村舎オーナー)

築220年ほどの庄屋づくりの古民家を改装した、かまどごはん店「okudo 中村舎」のオーナー。名古屋から地域おこし協力隊を経て移住し、いなべ市の空き家利活用や移住促進に携わる。昔ながらの暮らしが残る伝統的な古民家で、かまどに薪をくべるかまど炊き体験や、縄をなうところからはじめるわら草履づくりなどのプログラムを実施していく予定。もちろん、地の米や卵、野菜を使った季節の薬膳料理が味わえる食事処としても利用できる。今後は、離れを改装して一棟貸しの宿を整備する計画もあるという。

博物館級の空間で、かまど炊き体験が楽しめる。施設内にはコワーキングスペースもある

「いなべあそび」メンバー
伊藤典明さん(マル信 緑香園 5代目)

体育教師として三重県の高校に勤務し柔道の顧問を続けていたが、祖父の病気をきっかけに家業である茶園「マル信 緑香園」を継ぐ。創業から140余年、品評会で受賞するなど高品質のお茶づくりを続けている。行政と民間のパイプ役として、また民間の事業者同士の手をつなげる役目としても、いなべに欠かせない存在。2022年秋には自宅の敷地に日本茶カフェを併設したショップをオープン予定。茶摘みや手もみ体験、ほうじ茶づくりができる体験の場としても機能していきそうだ。

「マル信 緑香園」で行われた、ほうじ茶づくり体験の様子。地域内外の人々のほか、外国人のゲストも参加した

小川さんによると、今後は、ノアソビSDGsの拠点となる梅林公園の整備も含め、具体的なツアー商品の開発を進めていくという。またノアソビSDGsの取り組みが発展することによって、青川峡や宇賀渓の利用者がノアソビSDGsの体験を行うケースも出てくるだろう。そういった回遊がさらにいなべ市のアウトドアを活気づけ、アウトドアの五番街構想の根強い支えになるはずだ。リアルな磨き合い、相乗効果によってアウトドアやノアソビの価値を高めるいなべ市。実際に足を運んで、その真価を存分に楽しみたい。

4000本以上の梅が咲き誇る梅林公園には、梅の木を囲むグランピング施設を建設予定


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text: Akiko Yamamoto

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