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福井の「工芸の美」を味わう【前編】
伝統を身近にしてくれる旅へ

2021.12.25 PR
福井の「工芸の美」を味わう【前編】<br><small>伝統を身近にしてくれる旅へ</small>

漆器、焼物、和紙、打刃物などの伝統工芸が育まれ、越前がに、コシヒカリ、越前そば、上庄さといもといった食材の宝庫でもある福井。今回は、1500年の歴史をもつ伝統の技を軸に、しなやかに変化を遂げる漆器と和紙の里を訪ねた。福井県丸岡産の在来種100%でつくられる、格別なそばとの出合いも楽しんでほしい。

伝統の工芸と食を味わう旅

中塗の作業。下地を施した木地に漆刷毛で漆を塗って研ぐという工程を繰り返す。漆を塗った後は、室と呼ばれる湿度などが管理された箱の中で、回転させながら乾燥させる

越前漆器をはじめとする多彩な伝統工芸の産地が、約30㎞圏内に集中する福井県。その理由のひとつとして、周囲を山々に囲まれ、冬になると積雪によって交通が閉ざされる日本海側の気候風土から、谷ごとに異なる文化が発達したことがいわれている。

そんな福井の代表的な伝統工芸のひとつ、越前漆器の歴史は約1500年前にさかのぼる。現在の鯖江市片山集落に住む塗師が、黒塗りの椀を継体天皇へ献上したことをきっかけに、天皇がこの集落での漆器づくりを奨励したのがはじまりとされる。長い歴史に培われた技術は、全国シェア約80%という、外食産業を中心とした業務用漆器の生産にも引き継がれている。

また漆器と時を同じくして伝わったのが越前和紙。越前市今立地区の岡太(おかもと)川の上流に女神・川上御前が現れ、豊かな美しい水を用いた紙漉きの技法を村人たちに伝えたのが発祥とされている。近年ではインテリア素材や紙小物など、現代の暮らしに合った製品を生み出し注目を集める。

さらに忘れてならないのは福井の食だ。「御食國(みけつくに)」と呼ばれ、奈良や京都といった都の食を支えてきたという長い歴史をもつほど、山海の美味が豊富。多様な食文化の中でも、在来種が多いことが特徴のツウ好みの越前そばは、ぜひ堪能したい味覚のひとつだ。

鯖江市河和田は、同地区に暮らす約4000人中、約1000人が漆器業に関わるという越前漆器の一大産地。工房やショップが点在するため、ぜひ自分好みの漆器を探し歩いてみてほしい。

「漆器は年月を経て色や風合いが変わる、経年変化も魅力。ぜひ日常的に使ってください」と語るのは「土直漆器」の土田直東さん。工房脇の直営店では、自然な木目と触感を残す拭き漆で仕上げた「くるむシリーズ」や外側を漆で仕上げたタンブラーなど、日常やアウトドアにも活用できるうつわや雑貨が並ぶ。そのほか徒歩圏内の「漆琳堂」にも足を運びたい。同店は食洗機で洗えるナチュラルカラーのトレーやボウルを揃えるブランド「RIN&CO.」を展開するなど、漆の常識が変わるはずだ。

欅 一文字椀
透漆(すきうるし)を使い木目が透けて見える伝統技法・木地呂塗が用いられた椀。使い込むほどに変化する木目の風合いも楽しんで。
価格|6600円 サイズ|φ115×H67㎜ 色|黒溜木地呂、赤溜木地呂 素材|木漆 重量|112g
くるむシリーズ
木目を生かし、さまざまな料理に合うように考えられたカラーが特徴。皿以外に大小3種類の椀もあり、いずれもスタッキング可能。
価格|3080円(豆皿10㎝)、4180円(皿15㎝)、6380円(皿18㎝) サイズ|φ105×H15㎜(豆皿10㎝)、φ150×H20㎜(皿15㎝)、φ180×H25㎜(皿18㎝) 色|白、紺、灰 素材|木漆 重量|40g(豆皿10㎝)、120g(皿15㎝)、190g(皿18㎝)

スポット紹介

若手塗師のアイデアを具現化
暮らしに溶け込む漆器の数々
「土直漆器直営店」

2020年7月にオープンした直営店。分業制が主流の越前漆器において木地づくりの工程以外はすべて自社の職人が手掛ける。職人の発案による漆器のほか、バッグやウェアなどのオリジナルグッズも販売。店内に置かれた椀型のカウンターもユニーク。

土直漆器直営店
住所|福井県鯖江市西袋町214
Tel|0778-65-0509
営業時間|10:00〜17:00
定休日|不定休
www.tsuchinao.com

プロ御用達のショールームに並ぶ
蒔絵や沈金の漆器は必見
「漆琳堂」

漆器の塗りを手掛ける塗師屋として1793(寛政5)年に創業。工房1階のショップでは、自社ブランド「RIN&CO.」の漆器などのほか、「tokyobike」とコラボした漆塗りの自転車などを展示。オーダーメイド椀のショールームも併設している。

漆琳堂
住所|福井県鯖江市西袋町701
Tel|0778-65-0630
営業時間|10:00〜16:00
定休日|不定休
https://shitsurindo.com

 


続いて向かうは“漆の里”!
 
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text: Makiko Shiraki photo: Sadaho Naito
2022年1月号「酒旅と冬旅へ。」

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