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「Sghr スガハラ」
ガラス職人たちが変幻自在に生み出す、究極のタンブラー【後編】

2021.12.15
「Sghr スガハラ」<br>ガラス職人たちが変幻自在に生み出す、究極のタンブラー【後編】
1400℃で熱されたガラスは水飴のように流れてしまうため、必要量のガラスを竿の先に一気に巻き取ることはできない

時は1970年代。多くのガラス製造企業が価格競争に巻き込まれていく中、千葉県山武郡九十九里町の「菅原工芸硝子」は、職人主体のブランド開発へとかじを切ることで生き残りを懸けた。名品誕生の背景に職人あり。後編では、職人技が光るタンブラーの製造工程に迫る。

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タンブラーが出来るまで

1.下玉をつくり、ガラスを巻き取る

まずはピンポン球サイズの下玉をつくり、その上から再びガラスを巻き取る

2.息を吹き込み、グラスを成形

硬化がはじまるため、時間との勝負。巻き取ったガラスを素早く型に入れ成形するが、粘度は日々一定ではない
ガラスを巻き取った職人の癖やガラスの流れを一瞬で見極め、息の吹き込み方を調整する

3.竿からガラスを切り離し、徐冷炉へ

切り離し箇所に少量の水をつけると、温度差による収縮で、まるで切れ目を入れたかのようにタンブター部分はきれいに竿から離れる
その後は徐冷炉へ移動させ、2時間半、全体をゆっくり冷ます

4.グラスの余分な部分をカット

ダイヤモンドカッターで傷をつけ、バーナーで熱衝撃を加える「火切り」の作業。まだこの段階の断面は鋭利で危険

5.飲み口を研磨で平らにする

やすりによる水研ぎで断面の角を取り、内側を削って整える。厳しい水仕事だが、素手の感覚にかなうものはないという

6.バーナーで断面を焼く

「口焼き」と呼ばれる作業。断面は研磨を経たとしても、まだザラザラとしている状態。熱で溶かし角を丸めることで、ようやくリムが完成する

7.レーザーで刻印

昔はシールでロゴを貼っていたが、剥がれてしまうため品質保証の意味でもレーザーでの刻印に転換。底面に浮かぶSghrのロゴが美しい

完成!

すべて手作業で行いながらも、目方、口径、底の厚みといった基準サイズを遵守。工程を目の当たりにしてもハンドメイドとは思えない精巧さだ

フィフティーズタンブラー クリアー
価格|1980円
サイズ|φ85㎜×H108㎜
容量|380㎖
材質|ガラス
スガハラの設立|1932年
フィフティーズタンブラーの誕生|1987年
≫購入はこちら

スガハラの全ラインアップが揃う
ファクトリーショップも併設

廃棄されてきた「ガラスくず」から生まれるリサイクルガラス商品など、定番から最新まで約4000種の商品がずらり。職人が制作した一点物の展示・販売スペースもあり。
営業時間|9:30〜17:30、無休

菅原工芸硝子
住所|千葉県山武郡九十九里町藤下797
Tel|0475-76-3551
※工房見学は現在休止中
www.sugahara.com

Sghr スガハラのうつわは
オンラインで購入いただけます!

渋谷パルコのDiscover Japan Lab.および公式オンラインショップにて、Sghr スガハラを販売中! ぜひ実際に手に取ってお楽しみください。

 

 

 


 

Sghr スガハラの作品一覧
 

text: Natsu Arai photo: Yuko chiba
Discover Japan 2021年12月号「ストーリーのある贈り物」


 

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