日本初の写実絵画専門美術館
《ホキ美術館》
「ホキ美術館」は千葉市緑区の昭和の森に隣接した、日本初の写実絵画専門の美術館。日本の現代作家約40人の作品約120点を地上1階、地下2階からなる計500メートルの長い回廊型ギャラリーに展示。また、外を眺めながら本格的なイタリア料理とワインを堪能できるレストランやカフェも併設。緑豊かな自然と調和し、ゆったりと芸術鑑賞できる「ホキ美術館」の魅力とは・・・・・・。
ホキ美術館の「ホキ」は、創設者・保木将夫さんの名前から由来。
館内には保木さんが今までに所蔵していた写実絵画が館蔵作品の元になっている。写実絵画とは、一見、写真のように見える、対象をあるがままに細部まで丁寧に描写した油絵のこと。
美術館そのものがアート
ホキ美術館の作品はユニークそのものだが、建物の外観や内部の設備もまた特徴的。外観の宙にはねだしているギャラリーは、キャンチレバーと呼ばれる構造で、5本の回廊のうち1本は鉄板でできている。中のコンクリートは、職人の手によって白くグラデーションに仕上げられている部分もある。
建物のまわりには、柵の代わりに鉄の棒がススキのように生えている。建物は公園と一体的な風景をつくるため、周囲の自然と調和されている。2011年日本建築大賞をはじめ、千葉県建築文化賞、千葉市都市文化賞などを受賞。
8つのギャラリーはそれぞれ天井高が異なり、壁は絵画しか存在しないようにピクチャーレールやワイヤーなどを排している。ギャラリー1の壁材は鉄になっているので、磁石で絵画が壁に張り付けられる。
ギャラリーの照明は、全てLED照明を採用。よく見るとライトが入っていないところもあり、これは空調用の穴だそう。それ以外にも排煙口や煙感知器、防音スピーカーやスプリンクラーなど防災や法規上必要なものは、この小さな穴の中に設置されている。コンセントは溝部分にあったりと、鑑賞の妨げになる絵画以外のものは目につかないようにという配慮がされている。
また、足音が気にならないように、床は特注のゴムチップを採用。ギャラリーごとに雰囲気が変わったり、天井高や廊下の幅も変わったりと、長時間眺めていても飽きにくく、疲れにくい工夫がされている。
保木さんのコレクションのために建設された建物は、地上1階・地下2階の回廊型になっており、館内には長時間の鑑賞に耐えうる最高の設備が整っているのだ。
回廊を生かした独創的なギャラリー
ホキ美術館には、8つのギャラリーが存在する。展示は「企画展」と「常設展」に分かれ、常時約120点を展示。
ギャラリーには、森本草介、野田弘志、中山忠彦など写実界の巨匠の作品が展示され、人物画や、風景画、静物画など幅広いコンセプトの作品を展示。「ホキ美術館」のために描き下ろされた作品もあり、貴重な絵画を鑑賞できる。企画展も開催され、「ホキ美術館大賞」に選ばれた作品や開館記念特別展など、そのときどきのテーマで作品を楽しめる。絵画だけでなく、陶芸作品を鑑賞するスペースも。
また館内には、レストランやカフェ、ショップが併設されている。特に、イタリアンレストラン「はなう」は人気で、鑑賞の合間に食事やワインを楽しめる。また、ミュージアムショップではオリジナルのポストカードやマグカップを販売。
「ホキ美術館」は日本初の写実絵画専門美術館で、森本草介・野田弘志など写実界の巨匠の作品が展示され、企画展も開催されている。ホキ美術館ならではのユニークなテーマで作品を鑑賞できるので、ぜひ訪れてみてはいかが。
ホキ美術館
住所|千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
Tel|043-205-1500
開館時間|10:00〜17:30(入館は17:00まで)
休館日|火曜
※火曜が祝日の場合は翌日
https://www.hoki-museum.jp/