産地間連携のプロジェクトブランド
《pirkamonrayke/ピリカモンライケ》
旭川×京都のモノづくりの新たな可能性を世界に向けて。
北海道旭川・ササキ工芸とデザイナー・北川大輔さん率いるDESIGN FOR INDUSTRYは、日本のモノづくりの新たな可能性を世界に向けて提案する産地間連携プロジェクトブランド「pirkamonrayke(ピリカモンライケ)」を開始した。
株式会社ササキ工芸
1976年創業。北海道 旭川にてクラフト商品を製造する木工メーカー。広葉樹を使用する家具の下請け工場からスタートし、その際に出る端材を有効活用する方法としてクラフト小物の製作を始める。以来、大型木工加工機や木工用レーザー加工機などを駆使し、職人のこだわりと技を活かしながら温かみのある製品を作り続けている。商品の開発から製造・販売までを自社で行うとともに、企業のOEM製品やノベルティの製作も行っている。https://sasaki-kogei.com/
北川 大輔(きたがわ・だいすけ)
2005年に金沢美術工芸大学を卒業。家電メーカーを経て、2015年に株式会社DESIGN FOR INDUSTRYを設立。関わる全ての人とともに分かち合える“喜び“を創り出すことを信条に、家具や日用品から伝統工芸、家電、ロボット、先端技術研究開発、新素材開発、ビジネス開発、都市ブランディングなど国内外・問わず多彩な領域にて、“心地よい革新“という視点のもと、デザイン・クリエイティブディレクションを行う。GOOD DESIGN AWARD、GERMAN DESIGN AWARD winner、iF DESIGN AWARDなど受賞多数。https://www.designforindustry.jp
活かし、繋ぎ、超える。
pirkamonrayke(ピリカモンライケ)は、「木を活かすこと」をコンセプトに北海道旭川で木製小物の製造を行うササキ工芸が、日本有数の産地と協力し、日本のモノづくりの新たな可能性を世界に提示するプロジェクトブランド。北川さんは、そのブランドの第一弾である「京都」との産地関連携のコレクションを構成する全てのプロダクトをデザインしている。
北川さんは、このプロジェクトが始まってすぐ、ササキ工芸の工場を訪れ、彼らのモノづくりを目の当たりにしたとき、その精度の高さに驚いたそうだ。木工家具産業の盛んな地で、創業から50年ほどの中で培われた技術は、工芸より工業と呼ぶに相応しいほど精緻なものだった。そんなササキ工芸がこれまでの在り方を見つめ直し、世界に向けて新たに進むべき道を見据え動き出したプロジェクト。
旭川の、北海道の、日本のササキ工芸を世界に提示すること、そしてササキ工芸の個性はもちろん、ほかの産地との連携を最大限活かすことがテーマだった。そのプロジェクトブランドとして最初に連携する産地が「京都」。
世界に対し、「旭川×京都」という枠組みは、とてつもなく強いメッセージ性を持っていることは言うまでもない。歴史の中で膨大な時間と人が創り上げてきた技と美の蓄積。それらを活かし、今の世の中に、世界中の人に、しっかりとこの枠組みの魅力を伝えたい。北川さんは、そんな想いからデザインに着手した。
ササキ工芸の高い木工技術を活かすことはもちろんだが、一方で京都工芸と一言に言ってもその職種と素材は多岐に渡る。漆塗り、箔押し、蒔絵、金物、截金…。それらを知り、どうのように魅力を活かすか。日本のモノづくりと呼ぶに相応しいデザインとはどのようなものか。そのために、ササキ工芸の持つ木工技術、京都の様々な職種・職人とその技術、国宝や重要文化財といった古くから今に残る日本美術や工芸・民藝に見られる意匠、アイヌの伝統民具とその意匠、現代に求められる機能性。あらゆる視点から多角的に読み解き、試し、一連のコレクションが生まれた。
pirkamonrayke(ピリカモンライケ)とは、アイヌ語で「良い仕事をする」という意味を持った言葉。
木を活かし、そこに掛け合わせる京都工芸を活かし、日本がこれまで培った美を活かす。その取り組みの中で、時代が、産地が、技が、人が、ひとつの真理で繋がり、共に固定観念や境界といった「これまで」を超えていく。ササキ工芸の、日本のモノづくりの、新たな可能性を示すコレクションだ。
pirkamonraykeのステートメントには、「助け合うのではなく、高め合う。自らを誇れる成果を残し、互いに認め合う事の大切さを学ぶ。協業と競業、協働と共同、人と人、素材と素材、地域と地域。この出会いは今までにない驚きと価値を創出している。日本各地にある魅力的な産地や職人が手を結ぶとき、固定観念や隔たりは取り払われ、新たな世界への扉が開かれる。「ピリカモンライケ=良い仕事をする」 私たちはひとつの真理で繋がり、共にこれまでを超えていきます。」と綴られている。
ササキ工芸ではそのほかにも、デザイナー・倉本仁さんとともに、素材の有効活用を目的としたプロダクトブランド「supernova(スーパーノヴァ)」を設立。
環境思考が現代社会の大きなテーマの一つとして注目されるなか、生み出された素材を無駄なく使うこと、丁寧に一つずつ加工していくササキ工芸の姿勢は創業時から変わらない。そんな職人集団が新たな素材『コーリアン®』と出会い、共創することで今までにないプロダクトシリーズが生まれた。『木』を加工する事で培われた経験は『コーリアン®』の魅力を存分に引き出し、豊かな体験と新しい価値を提示している。
※コーリアン®、Corian®は、DuPont de Nemours, Inc. の関連会社の登録商標。
倉本 仁(くらもと・じん)
1976年 兵庫県淡路島生まれ。1999年 金沢美術工芸大学卒業。家電メーカーにインハウスデザイナーとして務めた後、2008年にJIN KURAMOTO STUDIOを設立。以降、プロジェクトのコンセプトやストーリーを明快な造形表現で伝えるアプローチで多彩なジャンルの製品デザイン開発に携わり、国内外の様々な クライアントにデザインを提供している。iF Design Award、グッドデザイン賞、Red Dot Design Awardなど受賞多数。2015-2017 グッドデザイン賞審査委員。http://www.jinkuramoto.com/
「木」を大切にしながら不揃いな端材を生かし、手仕事と機械加工の特異的な進化を遂げた、バリエーション豊富なプロダクトに注目だ。
プロジェクトサイト
http://sasaki-cogei.jp/
pirkamonrayke
発売|2022年夏予定
https://www.designforindustry.jp/projects/pirkamonrayke