FOOD

《一保堂茶舖直伝》
お茶の淹れ方&ペアリングのススメ

2021.11.28
  • タグ:
<small>《一保堂茶舖直伝》</small><br>お茶の淹れ方&ペアリングのススメ

HANA吉兆「日本茶ペアリング懐石」で使われたお茶とその基本的な淹れ方をご紹介。また、それらを日常ではどんな風に楽しめばいいのか、おうちご飯との合わせ方も教わりました。

≪前の記事を読む

基本に沿ってまずは一杯
自分好みのアレンジもOK

今回紹介したのは、一保堂茶舖が京都吉兆の「日本茶ペアリング懐石」用に提案した基本的な淹れ方。京都吉兆は、これをベースに湯の温度や茶葉の量を細かく調整している。京都吉兆が料理に合わせてアレンジしたように、お茶は自分の好みであれこれ変えて淹れると思わぬ発見がある。たとえば煎茶ならば湯の温度は一般的に80℃。80℃に設定しているのは茶葉のもち味をバランスよく引き出せるからだ。これを20℃上げて100℃の熱湯出しにすることで、苦みや渋みが引き出され、よりスッキリとした風味になる。また熱湯出しが主流のくきほうじ茶は、水出しにすることでまろやかさがアップ。さらにそれを温めると、熱湯出しとも水出しとも違う味になる。京都吉兆でさまざまな茶器を用意したように、お茶はどんな茶器を選ぶかで味の感じ方も変わり、繊細な茶には薄手のグラスがよく合う。茶と料理のペアリングに京都吉兆と同様に力を注ぐ一保堂茶舖は、今年から「一保堂食堂」と称するオンラインイベントをスタート。11月は第3回目が開催され、そばとお茶のマリアージュを紹介する。

煎茶「芳泉」


旨みと甘みのバランスがよく、スッキリとした渋みも感じられる。香りがよく、幅広い料理に合わせられ、日常使いはもちろんおもてなしの一杯にも使える。価格:1620円(80g袋)

【水出し】
茶葉|10g
水|200cc〜300cc

温度|10℃以下
時間|15分

<POINT>
①10℃以下の冷水を用意。お茶の味を濃くしたいときは200㏄がおすすめ
②茶葉を入れた急須に冷水を注ぐ。水の温度は10℃以下を目安にお好みで
③蓋をして15分程度待つと、茶葉全体が急須の中で広がるように開いている
④茶器は薄手のガラスなどを選ぶと、もち味の清涼感をより感じられる

<こんな家庭料理に合わせてみよう!>
オイリーな料理にピッタリ
冷えた白ワインのように口中をさっぱりさせるのでオイル系やジューシーな料理など、さまざまな料理と合う。
◎オイル系パスタ
◎唐揚げ
◎オムライス

【熱湯】
茶葉|10g

湯|200cc〜300cc
温度|100℃
時間|30秒

①100℃に沸騰させた湯を用意する。できれば急須も温めておく
<POINT>
②急須に茶葉を入れる。茶葉10gは大さじで2杯程度
③待ち時間は30秒程度。急須に湯を注いだらすぐに注ぐイメージ
④茶器は厚手の陶器よりも薄手の磁器のほうが煎茶の風味を感じやすい

<こんな家庭料理に合わせてみよう!>
モーニングの一杯にも!
熱湯出しならではのキレのよさを生かして、バター系や少し重ためのコックリとした料理にピッタリと合う。
◎バタートースト
◎グラタン
◎焼き魚
◎しょうが焼き

玉露「甘露」

テアニンの含有量が豊富な高級玉露系ならではの濃厚な旨みとまったりとした風味が感じられる。価格:2160円(50g袋)

【水出し】
茶葉|10g
水|200cc〜300cc

温度|10℃以下
時間|15分

①氷を入れるなどして、10℃以下に冷やした冷水を用意する
②大さじ2杯程度の茶葉を急須に入れる
<POINT>
③冷水を急須に注ぎ15分程度待つ。待ち時間は少し長くなってもOK
④茶器は豊かな香りを楽しめる酒器もおすすめ。写真は大吟醸用のグラス

<こんな家庭料理に合わせてみよう!>
和食の出汁と相性抜群!
玉露の旨みは出汁とよく合いめんつゆで出汁を使うざるそばにピッタリ。温度を上げるとおでんやお寿司にも合う。
◎ざるそば
◎お刺身
◎おでん
◎巻き寿司
◎ちらし寿司

くき玉露

玉露本来の甘みに茎が入ることで独特の青々しさが広がり、葉っぱだけの玉露よりも爽快感がある。価格:972円(50g袋)

【熱湯】
茶葉|10g

湯|200cc〜300cc
温度|100℃
時間|30秒

<POINT>
①沸騰させた湯を用意する。湯の温度は100℃を下回っても構わない
②大さじ2杯程度の茶葉を急須に入れて熱湯を注ぐ
③30秒程度待つ。急須の中では茶葉が広がっている
④特有の甘みに力強さが加わる熱湯出しにはおしゃれな陶器もアリ

<こんな家庭料理に合わせてみよう!>
家庭料理の大定番のお供に!
牛丼や肉じゃがといったしっかりめの料理におすすめ。熱湯出しのパンチが味の濃いめの料理とマッチする。
◎牛丼
◎肉じゃが
◎ハンバーグ
◎ゴーヤチャンプルー
◎焼き魚

くきほうじ茶

まろやかな風味が特徴。水出しにすることで味はいっそう穏やかな傾向に。食中のお茶としても好適。価格:540円(100g袋)

【水出し】
茶葉|10g
水|200cc〜300cc

温度|10℃以下
時間|15分

①冷蔵庫で冷やすなどした10℃以下の冷水を用意する
②かさのあるくきほうじ茶の茶葉の量は、大さじ4杯程度が目安
<POINT>
③冷水を急須に注ぎ15分程度待つ。2煎目の待ち時間は7〜8分程度
④ガブ飲みしたい水出しは、たっぷりサイズのグラスを選びたい

<こんな家庭料理に合わせてみよう!>
スパイスの利いた料理がおすすめ
水出しのくきほうじ茶はチェイサーのように口中を洗い流してくれる。スパイシーな料理や中華に合せたい。
◎麻婆豆腐
◎餃子
◎カレーライス
◎チャーハン
◎サラダ

一保堂茶舖
住所|京都府京都市中京区寺町通二条上ル常盤木町52

Tel|075-211-3421
営業時間|【店舗】10:00〜17:00
【喫茶】10:00〜17:00(L.O.16:30)
定休日|なし
※一保堂食堂の詳細は要問合わせ
www.ippodo-tea.co.jp

text: Mayumi Furuichi photo: Toshihiko Takenaka
Discover Japan 2021年11月号「喫茶のススメ お茶とコーヒー」

京都のオススメ記事

関連するテーマの人気記事