2泊3日で行くモニターツアー 石見国(いわみのくに)の魅力発見記 【前編】
島根県西部に位置する石見(いわみ)地方。悠久の歴史と豊かな文化が息づくこのエリアが、近年広く注目を集めている。その多彩な魅力を再発見するモニターツアーが企画され、参加者が石見の地を訪れることに。
伝統と現代性が共存する地 石見の多彩な魅力を堪能!
島根県西部・石見地方。古代へとつながる歴史ある風土の下、この地ではさまざまな文化が育まれ、多くの人々を魅了してきた。
いま改めて注目を集めるこのエリアの魅力を外からの視点によって再発見すべく、島根県がモニターツアーを計画。2018年3月号の『Discover Japan』で読者に向けてツアー参加者を募集したところ、希望者が殺到。年齢や職種もさまざまな7名がツアーの切符を手にすることになった。
今回のモニターツアーの軸となるのは、石見地方を代表する伝統芸能である石見神楽だ。さまざまな神話をモチーフに、現代に伝える役割ももつこの伝統芸能は、近年、再評価されている。EXILEとの共演により、現代にも通じるエンターテインメントとしての魅力にもフォーカスされつつある。
今回はこの石見神楽を実際に観賞するだけでなく、石見神楽を支える職人たちの技術や精神にも触れる。そこから見えてくるのは、伝統と真摯に向き合うと同時に、常に新しい表現を生み出し続けてきた石見の人々のクリエイティビティだ。
海と山に囲まれ、その間を大小の川が流れる石見の地は、豊かな自然の恵みを心ゆくまで堪能できる〝美食の地〞でもある。今回はバリエーション豊かな石見の味覚もたっぷり味わっていただこう。もちろん、そうした食においてもシェフたちの確かな技術と新しいセンスがキラリと光る。
また、石見はデザイン&クラフトの側面からも注目を集めている。今回のツアーでは地域の文化を大切に守りながら、新しい表現を生み出すべく挑戦を続けるものづくりの現場も訪ねる。
趣のある津和野の町を歩き、県内有数の名湯である美又温泉で疲れを癒し、現地の人々と語り合う。7人のツアー参加者による、古くて新しい石見の魅力再発見記。さまざまな体験を通じて浮き彫りとなった、石見の奥深さを紹介していこう。
【1日目】いざ入国! 豊かな食に舌鼓を打つ
萩・石見空港から車で10分ほど。まずは最初の目的地である「田吾作」に到着。こちらは居酒屋探訪家の太田和彦氏が“日本一の居酒屋”と絶賛したという名店だ。いただいたのは新鮮な魚介と手づくりの豆腐、コンニャクが並ぶ刺身定食。どれもたまらない美味しさで、参加者からも「美味しい!」という声が上がる。
続いて向かうのは「石州和紙会館」だ。石州和紙(せきしゅうわし)は約1300年もの歴史をもつ石見地方の特産品。強靭なため、石見神楽の面や大蛇の胴体などに使われる。ここでは紙すきを体験。2013年にオープンした人気ジェラート店「楓ジェラート」でひと休みした後は、中国山地に囲まれた“A級グルメのまち”、邑南町(おおなんちょう)へ。
県外からも食通が訪れる里山イタリアンAJIKURAでディナータイムだ。この日のメインは石見ポークのロースト。地元農家から仕入れた野菜も味わい深く、モニター同士の会話も弾む。食後は津和野へ移動し、宿泊。リラックスムードのまま初日は終了した。
1日目の立ち寄りスポット
田吾作
住所:島根県益田市赤城町10-3 Tel:0856-22-3022
営業時間:12:00 ~ 24:00(L.O.23:00) 定休日:不定休
石州和紙会館
住所:島根県浜田市三隅町古市場589
Tel:0855-32-4170 開館時間:9:00 ~ 17:00
休館日:月曜(祝日の場合は翌平日休) 入館料:無料
楓ジェラート
住所:島根県浜田市三隅町向野田721-7
Tel:0855-32-5200 営業時間:11:00 ~ 18:00
※土・日曜、祝日10:00 ~ 17:00
定休日:火曜 ※祝日の場合は営業
里山イタリアンAJIKURA
住所:島根県邑智郡邑南町矢上3123-4 Tel:0855-95-2093
営業時間:11:00 ~ 15:00(L.O.14:00)、
17:30 ~ 22:00(L.O.20:00、前日までに要予約)
定休日:水曜 料金:昼1944円~、夜4320円~
2日目~3日目の旅の行程を紹介した【後編】はこちら。
「石見国」の特設サイトはこちら。
(text : Hajime Ohishi photo : Atsushi Yamahira)
※この記事は2018年5月7日に発売したDiscover Japan6月号から一部抜粋して掲載しています