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「能作」高岡に誕生したクラフトツーリズムの聖地を徹底解剖!
中編|ファクトリーツアーへ

2021.5.14
「能作」高岡に誕生したクラフトツーリズムの聖地を徹底解剖!<br>中編|ファクトリーツアーへ

1916(大正5)年、鋳物の製造を開始した能作。工芸品産業が伸び悩んだ時代も、常に新しい風を吹き込み、世界的人気を誇ってきた秘密に迫ります。

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職人の技術を五感で感じて
空気感を共有できる

工場に入るとまず目に飛び込んでくるのは、能作の創業100周年記念事業「100のそろり」

青々とした芝生を眺め、ゆるやかな丘を見上げると、その背にそびえる約120㎝の風鈴にまず驚く。建築の特徴的な美しさに誘われ足を踏み入れれば、工場に来たはずであるのに、視覚から喜ばせるかのように鮮やかな作品群が出迎える。能作が生地をつくり、富山県高岡市の100人の職人たちがそれぞれ手業を施した一輪挿し「そろり」の展示だ。工場に入る前に、すでにファクトリーツアーははじまっている。

1916(大正5)年、鋳物の製造を開始した能作。創業当時は仏具、茶道具、花器を中心に手掛け、近年ではインテリア用品や照明器具、テーブルウェア、医療機器など多彩なラインアップで世界的な人気を誇る。工芸品産業が伸び悩んだ時代も、「伝統とは革新の連続」と常に新しい風を吹き込んできた。

ショップには能作製品が並び、即購入可

能作が社屋を移転した理由はふたつ。旧社屋が手狭になってきたこと、物をつくるだけではなく、「こと」、「こころ」を伝えたい、産業観光に力を入れていきたいとの目的があったこと。そこでなぜファクトリーツアーにつながったのだろうか。

「鋳物場や仕上げ場で鋳造工程や仕上げ工程を間近で見ていただけるようになった。音や匂いや熱。五感で感じていただくことで、ガラス越しの工場見学では得られない体験をしていただきたい」と案内してくださった能作千春さん。

空気感を肌で感じ、共有することで、訪れた人々は改めてものづくりの素晴らしさについて考えることになる。感想を伝えれば職人たちのモチベーションも上がる。そのやりとりが「こころ」を伝えることにつながっている。

「能作で体験したことが口コミで広がって、地域のファンが増えてくれたら。特に子どもたちがそうなってくれると、将来地元のことを誇りに思い、世界中で話してくれるかもしれない」。そう能作克治さんが語るように、「こと」の記憶は「こころ」を呼び覚まし、「ひと」が集まる産業となっていくのかもしれない。

鋳物場では熱や音、匂いや振動を肌で感じられる。デッキがあり真上から全体像を、下では間近にその作業を見学することができる
仕上げ場では製品が削られたり磨かれたりする工程が見られる

見学後はそのまま製作体験!
NOUSAKU LAB

ぐい吞やトレーなど数種類のアイテムから選び、鋳型の製作、仕上げ、刻印打ちなどを体験。自分だけのオリジナル製品をつくることができる。

ファクトリーショップにはここだけの限定商品も!

能作の定番製品はもちろん、鋳物職人が実際に使っている道具を模したマドラーや、職人が着用しているものと同じデザインのTシャツなど、ここでしか買えない限定品も取り揃えている。

47都道府県ブラスオブジェ/各1650円(税込)
鋳物職人が実際に使っている道具を模した道具マドラー/各2530円(税込)

能作 本社工場
住所|富山県高岡市オフィスパーク8-1
営業時間|10:00〜18:00(工場見学・鋳物製作体験の時間は、Webページ参照)
休業日|年末年始(工場見学は、日曜、祝日休 ※土曜は月により変更あり)
Tel|0766-63-0001(予約問い合わせ専用)
www.nousaku.co.jp

クラフトツーリズムの聖地「能作」の工場を徹底解剖!
前編|富山観光の“ハブ”とは?
中編|ファクトリーツアーへ
後編|能作・社長が考える、高岡と日本の未来

text : Kaeko Ueno photo : Junjiro Hori
2017年7月号「この夏、島へ行きたい理由」

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