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【対談】奈良くるみの木・石村由起子×映画監督・河瀨直美
「わたしが想う、奈良のたからもの」

2020.11.22
【対談】奈良くるみの木・石村由起子×映画監督・河瀨直美<br>「わたしが想う、奈良のたからもの」

石村由起子さんと河瀨直美さんの対談が実現。カフェ&雑貨店オーナー、映画監督と、それぞれ異なる立場で奈良と深くかかわりながら、奈良をこよなく愛する二人に、宝物を教えていただきました。

河瀨 直美(かわせ・なおみ)
映画監督。奈良を拠点に映画を創り続ける。代表作は『萌の朱雀』、『殯の森』、『あん』。最新作『朝が来る』は10月23日公開。「なら国際映画祭」エグゼクティブディレクター。東京2020オリンピック競技大会公式映画監督。2025年大阪・関西万博プロデューサー

石村 由起子(いしむら・ゆきこ)
香川県高松市生まれ。1984年に奈良市内でカフェと雑貨の店「くるみの木」を開業。奈良の観光案内所を兼ねた「鹿の舟」のプロデュースも手掛ける。『自分という木の育て方』(平凡社)など著書も多数。
www.kuruminoki.co.jp

 

「奈良には目には見えない背景に思いを馳せる、心豊かな時間が宿ります」

「直美ちゃん」、「姉さん」と呼び合うほど仲のいい石村さんと河瀨さん。奈良のキーパーソンとして情報を交換し合いながら互いに感性を高め合っているというお二人に、奈良の宝物について語っていただいた。

石村 直美ちゃんは2010年に立ち上げた「なら国際映画祭」のエグゼクティブディレクターとしても活動されていて、9月に開催された映画祭のテーマが偶然にも「トレジャーハント」でした。私にとってこの映画祭も奈良の宝物だと感じているんだけど、生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続けている直美ちゃんにとっての宝物って何かしら?

河瀨 「人」ですね。今年は「トレジャーハント」というテーマに合わせて鏡をモチーフにしたビジュアルポスターをつくりました。宝物ってなんですか? それはそこに映る自分自身を見つめるあなたが宝物ですよ、という思いを込めて。これは奈良だからこそ問い掛けることができたテーマ。奈良には素晴らしい歴史的建造物がありますが、それをいまの時代へ守り続けてきた人たちがいる。その背景にある目に見えないストーリーに思いを馳せることで、豊かな心を感じられる時間が奈良にはある気がします。

石村 奈良っておおらかだなって思うの。春日大社にしても平城宮跡にしても垣根がなく散歩の延長のようにすっと入っていけるわよね。奈良を人にたとえたらきっと〝いい人〟ね(笑)。

河瀨 二月堂もいつでも開いてますしね(笑)。私は10代の頃から平城宮跡が大好きで、大きな空に昇る朝日や沈む夕日の景色、風に揺れる柳の風景に古代の人々の息吹を感じます。大化改新があった場所を歩いたり、万葉集に詠まれた場所の空気を感じられる。なんて贅沢な町なんだろうと思います。

石村 実際に古墳も多いけれど、奈良という町には目に見えない宝物を含め、光るものがたくさん宿っているのを感じますね。

text: Mimi Murota photo: Kohei Yamamoto
2020年11月号 特集「あたらしい京都の定番か、奈良のはじまりをめぐる旅か」


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