《ふふ 城ヶ島 海風のしらべ》
全室オーシャンビュー!
三浦半島に海のリゾートが誕生
|ホテルジャーナリスト・せきねきょうこの宿泊記
神奈川県の三浦半島・最南端である、城ヶ島の岬の突端に佇む「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」。海風、波音、潮の香りに包まれた新たな海のリゾートが誕生。土地の記憶を継承し未来へと紡ぐ、「ふふ」らしい贅が込められている。今回は、オープンにあたりホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんが実際に滞在してレポート。前編では客室や温泉、ラウンジなど施設の魅力を紹介していく。
文=せきねきょうこ
ホテルジャーナリスト。フランス・ アンジェでの大学生活後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所勤務中にホテル暮らし。フランス語通訳を経て1994年から現職。連載・著書多数。
http://www.kyokosekine.com/
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刻一刻と表情を変える
海と空との時間に浸る

次々と新たな「ふふ」が誕生する中、2026年2月27日、「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」が開業した。昨年11月には、日本随一の大都会・銀座に話題の「ふふ」が登場したばかり。時を経ずして誕生したのは、「ふふ」史上はじめてとなる海を舞台に、海の魅力に寄り添うオーシャンリゾートである。
「ふふ」 は一つとして同じものがないと唱え、それぞれの宿に個性豊かな魅力をたたえている。共通するのは癒しの温泉、そして郷土のもつ食の息吹を贅沢に現代風に採り入れる哲学だ。

今回のオーシャンリゾートの舞台となった海は、神奈川県三浦市の最南端に位置する城ヶ島。荒々しい奇岩が海に迫るこの島は、約1500万年も前、南洋の海底火山活動による堆積物が隆起し、気の遠くなるほどの長い時をかけて形成された歴史ロマンの残る島だ。城ヶ島までは東京からであれば車で1時間ほどと案外近い。私たちは、途中、早咲きの河津桜祭りで賑わう三崎口駅の線路脇を通り、三浦半島と城ヶ島を結ぶ城ケ島大橋を渡った。すると別世界のように空気感の違う島内に到着。海沿いには奇岩や岩盤が続いている。その島の岬の突端に日本リゾート「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」が凛とした姿を見せてくれた。
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海を目の前にして建つ「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」では、すべての客室がオーシャンビューである。視界に遮るもののない部屋の窓からは水平線が見渡せ、海岸沿いに続く奇岩層に目が止まる。客室からバルコニーに出れば、間近に迫る海の波音や潮の香りに包まれ、海を全身で感じられる。
私たちの訪れたその日、水平線は雲に隠れていたが、好天ならば、まるで波と名峰富士を描いた葛飾北斎の浮世絵『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』のような情景が望めると聞き、期待は次回の滞在へと大きく膨らんだ。

「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」は西向きの太平洋側に面しながら、富士山や夕陽も見える恵まれた環境にある。ホテル関係者は、「特にサンセットタイムはロマンチックです。4階のルーフトップラウンジを貸し切りにしてプロポーズの場に……」と提案する。

ルーフトップラウンジにはダークブルーのタイルでインフィニティ水盤がつくられ、映り込む光や風の移ろい、雲の動きが水面に流れていくような様子が愉しめる。このルーフトップラウンジ「宵星」にはカウンターやソファの席もある。よく晴れた凪の夜、ソファに座り、海面に現れる“月の道”を眺めるのも旅情となろう。
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全室オーシャンビューの
リラックスできる贅沢空間

ふふオーシャンスイート
温かい印象のテラコッタ色がメインに使われた「ふふ オーシャンスイート」(約105㎡)。大きな窓には海が映り込み、長いソファや窓辺のデイベッドで何もしないでまったりと
悠久の時を見せる奇岩が続く海岸線と、美しい海を満喫する「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」には、7タイプ、全34室のオーシャンビュールームがつくられた。いずれも約58〜140㎡のゆったりとしたスイート仕様であり、寛ぎと快適さを感じさせる贅沢な客室は、ラグジュアリーな日本リゾートを貫く「ふふ」らしい。

室内の色調は部屋によって異なり、海や空の色、景色といった、この土地の要素を映し込む。温かな印象のベージュや、落ち着きのあるグレージュ、サンドなど素材の色にも細やかな配慮が行き届いている。こうした室内や館内の色使いは「海や空、岩場や岩礁など外の風景を受け止め引き立てるための背景としての色」だという。各客室内の色のアクセントにはテラコッタ、イエロー、ブルー、グリーンといった優しげなアースカラーがライトタッチで配されている。

どの部屋にも天然温泉「油壷温泉」が引いてあり、温泉ざんまいが可能。この温泉は地下約1500mの葉山層群から湧出する、身体を芯から温め、メタケイ酸が豊富に含まれる保湿力の高い温泉でもある。波音をBGMに湯に身をゆだねていると、まるで海に浸かっているかのように心身が癒される。
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右)客室の香り「BLUE EARTH」。大人の海をイメージしたシトラスハーバルの香り
左)オリジナルのオーガニックハンドクリーム「Breath of Nature」は保湿力抜群

左)襟付きタイプのゆったりとした着心地の館内着。羽織も用意。レストランへも
三浦半島の恵みを堪能
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text: Kyoko Sekine photo: Atsushi Yamahira
2026年5月号「ようこそ!ニッポンのホテルへ」


































