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「国の登録無形文化財」に登録!
加賀料理は、美意識を味わう旅

2026.3.30 PR
<small>「国の登録無形文化財」に登録!</small><br>加賀料理は、美意識を味わう旅

江戸時代に百万石の栄華を極めた加賀藩と、武家文化に由来する加賀料理。豊かな自然がもたらす食材と、九谷焼や輪島塗に代表される伝統工芸品のうつわ、そして客間のしつらえが織りなす“食の総合芸術”に迫る。

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石川の工芸・風土をいただく
“食の総合芸術”

石川県に伝わる食文化、加賀料理。江戸時代に加賀藩として栄華を誇り、加賀百万石と称された地で生まれた食の総合芸術だ。豊潤な山海の恵みを生かし、加賀藩と武家文化の中で育まれながら、京都を中心とした仏教文化や公家文化の影響も。藩政時代には参勤交代により江戸の食文化も取り入れて、独自の発展を遂げてきた。

加賀料理という言葉を最初に広めたのは、吉田茂元内閣総理大臣の長男であり、食通として知られた小説家・吉田健一とされている。しかし石川県ゆかりの文学者である三宅花圃の著書によると、大正時代にはすでに加賀料理という言葉が使われていたという。

料理に欠かせないのが、地元の伝統工芸のうつわ。艶やかな色絵を施した九谷焼の皿や、蒔絵と沈金が優美な輪島塗の椀など、品格に満ちた品々が美味を引き立てる。金沢ともゆかりのあった北大路魯山人は「うつわは料理のきもの」という言葉を残したという。前田家の文化振興政策によって美術工芸と職人文化が庇護されてきた石川だからこそ、料理に上質な“きもの”を着せることができる。

うつわのみならず、格式高い客間や、飾られた雅な調度品の数々、手入れが行き届いた庭園……、すべてが一体となって客人を迎え入れる。2025年12月には国の登録無形文化財にも登録された、加賀料理の魅力をひも解いていこう。

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加賀料理を食す、ということ

〈献立〉

加賀料理という食文化の舞台となるのが、金沢を中心に、石川県下で歴史を紡ぐ料亭だ。

料亭「金城樓」の能登牛治部。昔は狩った鶴などの野鳥も使われ、やがて鴨肉が一般的に。現在は“四つ足”の禁じ手がなくなり、能登牛が新たな定番となっている。口が広く浅い、専用の治部椀で提供

豊かな風土と武家文化に育まれた、伝統的な料理の数々。「加賀藩では、刀を包丁に持ち替えた包丁侍が料理人として仕えていました」と「金城樓」当主・土屋兵衛さん。

「金城樓」当主・土屋兵衛さん

加賀料理の代表格である治部は、鴨肉と旬の加賀野菜、すだれ麩を甘辛く煮込んだ一品。かつて鳥類の狩猟と食用は、武士の特権だった。つまり治部は武家に由来する料理なのだ。

白エビ、このわたの塩漬け、ゴリの唐揚げ、フグの真子など地産地消の酒肴が並ぶ「浅田屋」の八寸。意匠が異なる九谷焼のうつわを使うことで、伝統工芸の奥深さを伝える。季節感の演出も見事

「海にも山にも近い石川は、新鮮な食材がとても豊富。加賀料理はフードマイレージの面でも優れています」と語るのは、「浅田屋」当主・浅田久太さん。

「浅田屋」当主・浅田久太さん

八寸にも川魚の「ゴリ」や富山湾で水揚げされる白エビなど、風土を映した品々が盛り込まれる。包丁侍も愛した味わいが現代に息づく。

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〈うつわ〉

海外でも高い評価を得た九谷焼は、明治期に欧米へ輸出。再び日本へ里帰りした逆輸入九谷は驚くほどモダン

滋味深い料理に輪郭を与えるのが、石川で継承される伝統工芸のうつわ。輪島塗の椀は、とりわけ特別な存在だ。年月を経て表面の輝きが和らぎ、しっとりとした温かな風合いが増していく。このほか折敷は輪島塗や加賀蒔絵、皿や酒器は華麗な色絵が施された九谷焼。

加賀蒔絵の漆椀の蓋に九谷焼の作家・赤地健氏の小鉢。時代を超えた大胆なコラボも。いずれも「浅田屋」

卓上のすべてが県産で完結するのは、日本随一の工芸王国である石川ならではの強みだ。100年以上前につくられた品も、現役で使われているという。うつわの美しさに感銘を受けた海外のゲストが、「Eating Museum!」と称賛の声を上げたというエピソードにもうなずける。時を超えた名品を存分に鑑賞したい。

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〈室礼〉

「金城樓」では、玄関の正面に壮麗な金屏風をしつらえてお客を迎える

店に入ったその瞬間から、風雅なおもてなしははじまっている。うつわと並んで、料亭の建築やしつらえもまたミュージアム級。荘厳な屏風に迎えられ、心は非日常へと誘われる。客間の掛け軸や花は、移ろう季節を表現。また、客間の土壁にもストーリーがある。藩主・前田家にのみ許されていた高貴な色である群青色を避け、紅殻色や緑色といった別の色が用いられているのだ。晴れの日が少ない土地柄、室内に華やかな色彩を配したとも。季節や格を感じさせる調度品に注目してみてほしい。

「浅田屋」では3月の雛祭りに合わせ、金沢発祥の水引を使った愛らしい雛飾りが

さらに、茶の湯の文化に裏打ちされた、たおやかな所作の接客が心を満たす。食と工芸、もてなしが融合し、美意識が凝縮した世界。料亭でのひとときを通して、加賀料理という文化を体験したい。

「浅田屋」に飾られる、松尾芭蕉が残した中でも稀少な彩色を施した書画の掛け軸

加賀料理をめぐる旅へ

加賀料理を月替わりで堪能できる「加賀料理をめぐる会」が開催中。四季と職人技が織りなすひと皿から土地の歴史と美意識に出合える。

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加賀料理をめぐる会
 
≫公式サイトはこちら

 

石川県観光公式サイト「ほっと石川旅ねっと」では、金沢最古の料亭「つば甚」での加賀料理体験や特別見学など限定プログラムも。同サイト内では観光スポットをスマートフォンで検索できる「石川県観光デジタルマップ」も公開中。この春、加賀料理を入口に、自分だけのルートで石川をめぐる旅へ!

 

ほっと石川旅ねっと
 
≫公式サイトはこちら

 

 

浅田屋
住所|石川県金沢市十間町23
Tel|076-231-2228
営業時間|飲食・料亭利用17:30〜22:00
客室数|3室
料金|1泊2食付8万7120円~(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、Master、VISAほか
IN|14:00
OUT|11:00
定休日|なし
www.asadaya.co.jp

金城樓
住所|石川県金沢市橋場町2-23
Tel|076-221-8188
営業時間|飲食・料亭利用11:00~13:30最終受付、17:00~19:30最終受付
客室数|6室
料金|1泊2食付4万9500円~(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、Master、VISAほか
IN|16:00
OUT|11:00
定休日|なし
www.kinjohro.co.jp

text: Aya Honjo photo: Norihito Suzuki
2026年4月号「地域の“旬”感へ」

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