FOOD

秋の京都は「御所」中心に歩くのが正解!
京都御所周辺の通りと美味しいお店

2019.10.11
秋の京都は「御所」中心に歩くのが正解!<br><b>京都御所周辺の通りと美味しいお店</b>
御幸町通の柳櫻園茶舗

京都の要である「京都御所」の周辺には美味しい店がたくさんある。周辺の通りの歴史と一緒に、その通りのオススメの店をご紹介。京都の町歩きをもっと楽しもう。

洛中一の寺院街から商業の道へ
「寺町通」

安京の最東に位置した、道幅が32mもあった東京極大路が、元の姿。光源氏のモデルとして名高い河原院をはじめ、当時は貴族や武家の屋敷が並ぶ高級住宅街だった。

ところが15世紀の応仁の乱などにより、街路のほとんどが失われてしまったそう。その後、豊臣秀吉が都市整備を行った際、洛中に散在していた多くの寺院をこの通りに移転させたのが寺町通のはじまり。寺院とともに商家や職人も集まり、賑わいが生まれていった。

全長:約4.6㎞ 北は鞍馬口通から南は五条通まで
開通:天正年間(1590年以降)。元は平安時代の東京極大路
主な建築物・史跡:藤原定家一条京極邸址、大久保利通邸址、紫式部邸址、本能寺、三嶋亭など

京料理 二條ふじ田

写真は季節の先付とお造り。昼のコースは4320円、夜は特別料理をあわせて5種類あり、「花」(6480円~)

老舗の和菓子屋「二條若狭屋」の次男として培った美意識は、彩り、盛り付け、器使いに凝縮され、美しい京料理として供される。また、地下からくみ上げて使用する水の良質さは、出汁の旨みにも表れる。コース最後には和菓子と抹茶が付くのもうれしい。

京料理 二條ふじ田
住所:京都市中京区二条通寺町東入ル榎木町76
Tel:075-213-0511
営業時間:17:00~22:00(最終入店20:30)
定休日:水曜

名付けの由来に謎が残る通り
「富小路通」

平安京の万里小路と富小路のほぼ中間に位置し、豊臣秀吉の「天正の地割」によって新設された道。本来の富小路は現在の麩屋町通にあたるが、その名が新しい道に付けられてしまった理由は謎だ。二条富小路内裏があったから、富小路家が屋敷を構えていたから、1708(宝永5)年の大火による混乱で名が入れ替わったから……など、由来には複数の諸説がある。

全長:約2.8㎞ 北は丸太町通から南は上珠数屋町通まで
開通:1590(天正18)年以降
主な建造物・史跡:富小路殿跡碑、徳正寺

Kyo gastronomy KOZO

「苔テラリウム」は、白味噌のマッシュポテトやフォアグラのクリームがベース。そのほか液体窒素の雪で演出したディッシュを含めたランチコースは5400円~

若くして野田耕三シェフが拓いた新境地は、調理を物理化学的に解し、分子ガストロノミーという技法で自然の風景を再現した、新感覚レストラン。和食をベースに、フレンチやガストロノミーが融合された一品に、目も舌も驚かされる。

Kyo gastronomy KOZO
住所:京都市中京区枡屋町325-3 森田ビル1F
Tel:075-211-1988
営業時間:ランチ12:00~14:30(12:00入店、一斉スタート)、ディナー18:00~22:30(18:00入店、19:30入店、二部スタート制)
定休日:月曜

車関連の業者が軒を連ねた道
「車屋町通」

隣の東洞院通が“北行一方通行”に規制されるほどの車道(くるまみち)だったため、1㎞にも満たない通りに車鍛冶や輸送業など車関連の業者が集中していたことから、通り名の由来に。その面影は残らないが、御所に出入りを許されていた蕎麦司や菓子司、御所の御殿医を務めていた初代が開いた薬房など、御所と深く長いゆかりをもつ老舗が多い。

全長:約800m 北は丸太町通から南は姉小路通まで
開通:1590(天正18)年以降
主な建造物・史跡:本家尾張屋、京都新聞社

本家 尾張屋 本店

しっかり利いたダシの味に心酔 ダシで煮た刻み揚げと、九条ネギを卵でとじてご飯にのせた衣笠丼(810円)も人気

創業ははるか室町時代までさかのぼる老舗の菓子・そば処。コクと深みある出汁には地下50mからくみ上げた軟水を使い、原料を合わせる。打ち立てのそばのほか、出汁が利いた丼物も外せない。

本家 尾張屋 本店
住所:京都市中京区車屋町通二条下ル仁王門突抜町322
Tel:075-231-3446
営業時間:11:00~19:00(L.O.18:00)、お菓子販売は9:00~19:00
定休日:なし

平安京ではこの道が〝富小路〟
「麩屋町通」

平安時代に存在していた富小路が本来の道筋で、豊臣秀吉の「天正の地割」で再生された。現在、“富小路”は一本西の通りの名称だ。なぜ名を譲ったのか定かではない。代わって“麩屋町”と名付けられたのは、麩や豆腐を扱う店が多かったからとされるが、じつは17世後半の記録に、麩屋・豆腐屋は見当たらないらしい。

全長:約2.3㎞ 北は丸太町通から南は五条通まで
開通:平安時代の富小路にあたる
主な建造物・史跡:俵屋旅館、柊家旅館、炭屋旅館

麸屋町うね乃

風味がグッと増す、シイタケ、本枯れ節の追い出汁が決め手。豆腐432円、ロールキャベツ648円、生ハム1728円

素材の味を引き立てる無添加の出汁を販売する老舗「うね乃」が展開するおでん屋。和洋問わないラインアップが魅力で、食べる前に、本枯れ節の仕上げ出汁を追いがけしていただく二段構えにも感服。

麸屋町うね乃
住所:京都市中京区麩屋町通押小路上ル尾張町225 第二ふや町ビル103
Tel:075-213-8080
営業時間:17:30~23:00(L.O.22:00)
定休日:火曜

御所参内のために秀吉が新設
「御幸町通」

仁の乱により京の街はすっかり荒廃してしまい、高倉通をから東にはまともな道がなかったという。そんな中、豊臣秀吉は京都の都市改革の一環として「天正の地割」と呼ばれる街路整備を行った。御幸町通は、そのときに造られた通りのうちの一本。

全長:約2.4㎞ 北は丸太町通から南は五条通まで
開通:1590(天正18)年以降
主な建造物・史跡:1928ビル、堀金箔粉

柳櫻園茶舗

色・香り・味ともにこだわった最高品質の抹茶、錦上の昔(40g入り3780円)は、お濃茶としても重宝される

明治初期、茶道に精通した初代が創業した当初より、三千家御家元や大徳寺などに贔屓にされてきたお茶の専門店。芳香に包まれる静かな店内で、かりがねほうじ茶など、好きなお茶を選ぼう。

柳櫻園茶舗
住所:京都市中京区丁子屋町690
Tel:075-231-3693
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜

河原町から目ぬき通りへ
「河原町通」

富臣秀吉が天正19(1591)年に築いた御土居の東部分と、現在の河原町通はほぼ一致している。鴨川の河原に造成された町外れの道だったのが、東側の木屋町・先斗町の繁栄に伴って発展し、18世紀後半には町家や商店で賑わう街が形づくられたそうだ。

全長:約6.6㎞ 北は葵橋西詰から南は十条通まで
開通:安土桃山時代末期~江戸時代初期
主な建築物・史跡:長州藩邸址、対馬藩邸址、近江屋址

まんざら本店

お忍びデートの聖地、西賀茂店から本店機能を移し早19年。町家創作和食という業態の先駆的存在の店。おもてなしや料理は、「その町の文化、美味しい物は笑顔を生む」を信条に、不易流行な京のおばんざいづくりに余念がない。

まんざら本店
住所:京都市中京区河原町通夷川上ル指物町321
Tel:075-253-1558
営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)、金・土曜~24:00(L.O.23:30)
定休日:日曜、祝日の月曜

京都御所周辺には有名な観光名所が点在しています。ゆっくりと散歩した後は、人気店でお腹を満たしてみてはいかがでしょうか。

《秋の京都は「御所」中心に攻める!京都御所周辺の通りと美味しいお店》
・洛中一の寺院街から商業の道へ
「寺町通」
名付けの由来に謎が残る通り
「富小路通」
車関連の業者が軒を連ねた道
「車屋町通」
平安京ではこの道が〝富小路〟
「麩屋町通」
御所参内のために秀吉が新設
「御幸町通」
河原町から目ぬき通りへ
「河原町通」

2019年10月特集「京都 令和の古都を上ル下ル」

京都のオススメ記事

関連するテーマの人気記事