Discover Japan 2024年9月号
「木と暮らす」
国土の約7割が森林である日本。
古からさまざまな種類の木を用途によって使い分け、建築や日用品として暮らしに取り入れてきただけでなく、木は信仰の対象でもありました。
そんな森林大国・日本にとって木は特別な存在ですが、世界もいま木に熱い視線を注いでいます。
木の心地よさはもちろん、CO2削減につながる自然素材であることからも、世界は木造に注目しているのです。
いま日本では、管理ができていない森林が課題になっていますが、そんな中でも森を守り育て、森林がよりよく循環していくための挑戦をしている企業や自治体の想いや取り組みについて、さまざまな事例を紹介します。
木を知ることは、未来を考えること。
木の空間や香りが、心身にどのようにいい影響を与えるのかという研究も進んでいます。
本特集では、日本に暮らすからこそ考えていきたい、これからの「森」と「木」を深掘り。
まずは、木に興味を持ち、知ろうとすることが、よりよい未来への一歩となるはずです。
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「BIG」が木造を採用する理由とは?
木造建築がいま、注目を集めています! 背景にあるのは、サステナブルへの意識の高まり。脱炭素社会を実現するために、木材はなくてはならない資源です。世界が最も注目するデンマークの建築事務所・「BIG」も木材の可能性に着目。「これから自然素材を使ったさまざまな建築が爆発的に生まれるでしょう」と未来の姿を思い描いています。そのほか、パリオリンピック・パラリンピックの主要施設、世界一高い木造ビルなど、木造建築の「いま」がわかる最新事例をご紹介します。
北の大地に誕生した
よみがえりの森に佇むヴィラ「SONEKA」
北海道新千歳空港からほど近い輪厚(ワッカ)に、この8月開業のヴィラリゾート「SONEKA」。北海道の放置森林を整備し、伐採した木も活用してつくられた、プライベートな滞在ができるヴィラです。敷地内のシラカバから採取した樹液を料理に取り入れたり、インテリアには旭川家具を採用するなど、随所で木のぬくもりを感じられる滞在が叶います。
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森から生まれる香りが、暮らしや地域も豊かに
森の香りと暮らす
大分県中津市で林業を営む「久恒山林」が立ち上げた、持続可能な林業を目指しアロマブランド「六月八日」。天然の森の香りを凝縮した製品の魅力はもちろん、香りを軸にしたワークショップに、全国から人が訪れるという。森林の活用の仕方、地域の雇用の創出のほか、関係人口を増やすことにもつながっている。森や木の香りが、人の心身にいい影響を与えるのではないかという研究も進んでいるいま、森林の活用と森の香りづくりをしている方々の想いと取り組みをとりあげます。
能登半島地震復興応援企画
輪島塗 未来へつなぐ一歩
日本有数の漆器の産地として名高い輪島。その湿潤な気候や、材料となる木々があることから、古くから漆器がつくられてきましたが、2024年元日の能登半島地震により、輪島の多くの工房や職人の自宅が倒壊。そんな状況の中、輪島塗を未来につなぐための一歩を踏み出している塗師や工房などの取り組みを紹介します。
赤木明登うるし工房 赤木明登さん/輪島キリモト 桐本泰一さん/田谷漆器店 田谷昂大さん
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時系列でたどる、これだけは見ておきたい!
日本の木造建築
日本に数多くある「木造建築」。神社仏閣や城郭、民家や現代建築にいたるまで、私たちの暮らしに欠かせない建築は、どのような変化を遂げてきたのか。これだけは見ておくべき、日本の木造建築を年代ごとにご紹介します。
法隆寺 金堂/薬師寺 東塔/平等院 鳳凰堂/東大寺 南大門/吉備津神社/姫路城/桂離宮/富岡製糸場/伊勢神宮/石川県立図書館/旧大戸家住宅/石田家住宅/旧広瀬家住宅
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