旬を大事にし、意外性のある食材の組み合わせから生まれるイノベーティブなひと皿。調味料感覚で使う旬の果物が隠し味の全16皿を紹介しよう。
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コースの中で一番驚いたのがクエの刺身だ。これは先にソースありきだったそう。イチゴと米麹と塩を合わせて寝かせたら、イチゴが香る醤油のような液体ができた。華のあるこのソースに合わせる魚は、淡泊ながら旨みがあり、色もきれいなクエだろうと。ペアリングのノンアルドリンクは、甘酢に漬けた紫の菊花とイチゴのスパークリング。イチゴが両者をうまくつなぐ。
改修工事で店をクローズしていたとき、野田さんはデンマークのボーンホルム島にある「カドー」というレストランの厨房にいた。自分たちで畑をやり、島の食材をガストロノミックな料理で表現している評判の店だ。
「食材の使い方が上手で、野菜がメインの皿も美しくて美味しい。北欧の発酵文化やドリンクのペアリングにもヒントをもらいました」
ここでの経験はすでに料理やドリンクに生かされている。野田スタイルはフレンチや日本料理といった枠を越え、本当にワクワクが止まらない。
メニューに載らない美味しい「おまけ」
デザートは3種類
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野田
住所|東京都渋谷区神宮前6-9-9 アヴニール表参道1F
Tel|070-3882-3150(要予約)
営業時間|12:30スタート(毎週土曜、ほか数日)、18:30スタート
定休日|日曜
料理|ランチコース1万8000円、ディナーコース2万2000円(税・サ別)
text: Yukie Masumoto photo: Maiko Fukui
Discover Japan 2024年3月号「口福なニッポン」