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名湯に浸かり大自然と一体に。
日本屈指の絶景鉄道、黒部峡谷トロッコ電車の旅

2019.9.17
名湯に浸かり大自然と一体に。<br>日本屈指の絶景鉄道、黒部峡谷トロッコ電車の旅
沿線で最も険しい谷、かつて山に入る人たちが後に引き下がるほどの深い谷に架かることから後曳橋と名づけられた鉄橋。黒薙駅から30mほどの距離に架けられる
最寄駅:黒薙駅(遊歩道) ※写真の場所は立ち入り禁止

黒部峡谷をがたんごとんと走るトロッコ電車。その車窓から見る絶景は外国人観光客も多く訪れる秘境の地。全3回の《日本屈指の絶景鉄道、黒部峡谷トロッコ電車の旅》2回目は、山奥深く古くから隠れ湯として利用されてきた名湯を紹介する。大自然の中にある秘湯に浸かり、自然の一部となってみたい。

祖母谷温泉
欅平駅から徒歩60分ほど。白馬岳、唐松岳の登山基地としても知られる祖母谷温泉は宿泊可能な山小屋。硫化水素型の硫黄泉であるため、あたりは硫黄の香りが漂う。また源泉場所である河原には温泉が噴出している通称「祖母谷地獄」があり、手づくりの野湯を楽しむこともできる
祖母谷温泉
日帰り入浴時間:11:00~15:00
入湯料金:600円
テント場利用料金:600円
宿泊料金:1泊2食付1万円(1名料金)
IN:14:00~16:00 OUT:10:00
Tel:0765-62-1038(定休中は04-7198-4528)
定休日:11月上旬~翌年6月中旬(※トロッコ電車の運行期間により変更あり)
最寄駅:欅平駅から徒歩約50分

黒部峡谷は秘湯の宝庫。最端となる祖母谷温泉をはじめ、「日本秘湯を守る会」に名を連ねる名剣温泉、峡谷最古の温泉宿として知られる黒薙温泉など。その歴史はどれも古く江戸時代にまでさかのぼるとされている。

黒薙温泉旅館
黒薙駅を降車後、階段と細い山道を上り下りし20分ほど歩けば、宇奈月温泉の源泉でもあり、峡谷最古の温泉宿として知られる黒薙温泉旅館へとたどり着く。日帰り利用はもちろん、食事や宿泊も可能(要予約)。無色透明の温泉で、山の谷間につくられた開放感に満ちた混浴露天風呂。女性専用の屋根付き露天風呂「天女の湯」も用意
黒薙温泉旅館
日帰り入浴時間:9:00~16:00(受付は~15:15)
入湯料金:700円
宿泊料金:1泊2食付1万410円~(1室2名から)
IN:14:00~16:00 OUT:10:00
Tel:0765-62-1802
定休日:11月下旬~翌年4月中旬(※トロッコ電車の運行期間により変更あり)
www.kuronagi.jp
最寄駅:黒薙駅から徒歩約30分

とはいえ、黒部は現在の新潟・越後、長野・信濃へと通ずることから、開湯を許可されたのは、ずっと後年になってから。それまで深山幽谷の隠れ湯として秘密裏に利用され、湯を楽しむどころか、その地に足を踏み入れること自体、禁止されたほど。

明治を経て大正時代に入り、黒部川の発電所建設に伴って一般利用されるようになったという史実も興味深い話。その名残として残されているのがトロッコなのだ。

山を形成する岩壁が大きくえぐられ、岩が大きな口を開いて人を飲み込むように見えることから名づけられた人喰岩。そのすぐ下を遊歩道が通っており、迫力満点で、その見事な造形に感動を覚える
最寄駅:欅平駅から徒歩約10分

そしていまだ未開の地として一般開放されていない地域が残されているのも冒険心に火をつける、そんな場所でもある。大自然と触れ合いながら、そして絶景に圧倒され、名湯に浸かり自然の一部となることで、何もかも忘れ、日常から非日常へとショートトリップ。

いわゆる温泉街として、華やかな街の印象ではないが、身も心も癒すには最高の温泉地だ。また、新緑だけでなく、四季折々の山の景色をダイレクトに堪能できるのも黒部峡谷トロッコ電車の旅の魅力のひとつといえるだろう。

文=板倉 環 写真=工藤裕之
2019年9月号 特集「夢のニッポンのりもの旅」

《日本屈指の絶景鉄道、黒部峡谷トロッコ電車の旅》
1|絶景と名湯を求めてふらり途中下車
2|名湯に浸かり大自然と一体に
3|建築デザインの聖地、黒部峡谷

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