長野《SHISHI-WA-HOUSE 軽井沢》
3つの趣の異なる滞在が楽しめる名建築群
|旅の目的地にしたい名宿①
匠が手掛けた独創的な名建築、江戸情緒を色濃く残す町で暮らすように宿泊するホテル、雄大な山海の自然を享受できる宿など。滞在そのものが目的になる極上の体験がここに——。
今回は、世界的建築家2名が手掛けた3つの建築からなる「SHISHI-IWA-HOUSE 軽井沢」を紹介。現代建築、デザイン、アート、美食と自然環境が心地よく融合したリトリート・コレクションは唯一無二のウェルビーイングな滞在をかなえてくれる。
大自然と調和した名建築群に滞在する愉悦
日本にある別荘地の草分け的存在であり、洗練されたカルチャーが根づく長野・軽井沢。その中でもとりわけ自然豊かで静穏な地に佇む「SHISHI-IWA-HOUSE 軽井沢」(以下SSH)は、世界的建築家が手掛けた3つの建築で構成されるホテル・コレクションだ。SSH No.01とSSH No.02は坂茂さん、2023年に誕生したSSH No.03は西沢立衛さん、と両者ともに〝建築界のノーベル賞〟と称されるプリツカー賞受賞建築家によるはじめてのホテルプロジェクトであり、3つの趣の異なる名館での滞在が楽しめる。
上信越高原国立公園に囲まれた美しいロケーションと見事に調和し、熟練の技でつくられた現代建築群は、心と身体を至極のウェルネスへと導いてくれる。樹々に寄り添い、波のようにうねる曲線を描いたSSH No.01は、杉の木の温もりあふれる空間の中、照明器具から特注の家具、金属のドアハンドルといった細部に至るまで優雅なミニマリズムを宿している。
その曲線的建築に対してSSH No.02は直線的な建築で、木造の建物を囲むオープンエアーのアプローチが魅力だ。周囲に広がる松の樹林の鮮やかなグリーンと一体化した空中回廊を歩いているだけで五感が心地よく呼び起こされる。静寂に包まれた客室に配されたのは、職人の手仕事による檜風呂や天然素材のインテリア、風景画のような森に囲まれたプライベートテラス。ランドスケープと融合した優美なデザインが生み出す深い寛ぎは、ほかでは味わえない。
そして最新のコレクションとして誕生したSSH No.03は、構成する10棟が縁側や回廊、中庭によってゆるやかにつながるパビリオン・スタイル。各棟のテラスは中庭を見晴らすように設計され、畳の寸法や大工の職人技を取り入れるなど日本の伝統的な住居建築へのオマージュが込められている。客室はそれぞれ独立しながらも、縁側によって屋外とシームレスにつながり、開放感にあふれている。
さらに、全館に飾られた世界的なアーティストによる絵画や版画、地元生産者が育んだ旬の食材が織りなす美味や、稀少な名酒の数々……。創造性と安らぎに満ちた建築、アート、食がもたらす至福のリトリートを満喫してほしい。
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《Philosophers in Residence GOTO めぐりめぐらす》
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SHISHI-IWA-HOUSE 軽井沢
住所|SSH No.01&02 長野県北佐久郡軽井沢町長倉2147-768 /SSH No.03 長野県北佐久郡軽井沢町長倉2147-40
Tel|0267-31-6658
客室数|34室
料金|1泊朝食付4万1745円〜(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、JCB、Master、UC、VISAほか
IN|15:00
OUT|11:00
夕食|フレンチ
朝食|フレンチ
アクセス|車/上信越自動車道碓氷軽井沢ICから約20分電車/JR軽井沢駅からタクシーで約10分
施設|レストラン、バー、ライブラリーほか
www.shishiiwahouse.jp
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text: Ryosuke Fujitani
Discover Japan 2023年10月号「私を癒す15の旅。」