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長崎《Philosophers in Residence GOTO めぐりめぐらす》
秘境の修道院建築で考えをめぐらす
|旅の目的地にしたい名宿②

2023.11.17
長崎《Philosophers in Residence GOTO めぐりめぐらす》<br><small>秘境の修道院建築で考えをめぐらす<br>|旅の目的地にしたい名宿②</small>

匠が手掛けた独創的な名建築、江戸情緒を色濃く残す町で暮らすように宿泊するホテル、雄大な山海の自然を享受できる宿など。滞在そのものが目的になる極上の体験がここに——。
 
今回は、五島列島最大の島・福江島の秘境に佇む「Philosophers in Residence GOTO めぐりめぐらす」を紹介。デジタル社会から隔絶された修道院建築に身を置きながら自分自身と向き合い、「心の中の哲学」を呼び起こす。その豊かな時間が明日への活力をつくるはずだ。

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海辺の集落で「心の中の哲学」を呼び起こす

住民はわずか5世帯6人(2023年現在)の半泊集落は、空港のある市街地から車で約40分。目の前に広がる美しい玉石の海岸では、温暖な季節は釣りやシュノーケリングも楽しめる

風光明媚な長崎・五島列島最大の島、福江島。その海辺にある秘境集落・半泊に佇む「Philosophers in Residence GOTO めぐりめぐらす」は、「考える時間」に特化した新しいスタイルの宿だ。設計を手掛けたのは、人が生きる空間について、そして美しさを追求する建築家・中村好文さん。廃校となった分校をリノベーションした客室は、潜伏キリシタンの信仰の歴史とフランスやイタリアの修道院からインスピレーションを得た「思索する人のための部屋」。20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエが設計した、フランスのリヨン郊外にある「ラ・トゥーレット修道院」の僧坊とほぼ同じサイズのシングルルームにはが漂い、自分の心と向き合える空間が生み出されている。

それぞれ色調が異なる客室は、小窓がロマンティックに夜を照らす。デジタル情報などを一時的にシャットアウトし、そのときのモードに合った自分の時間を楽しめる体験は、現代社会で貴重だ
シングルルームはカマボコ天井と「コルビュジエ・カラー」と呼ばれる独特の色調が個性的。シンプルで心地よい空間は、扉を開けて部屋に足を踏み入れた瞬間、自然と心が切り替わる
客室は廃校の教室を全面改修。シングルルームは6部屋、ツインルームは1部屋。共有キッチンには地域に開かれた縁側も

滞在中は、地域の食材を調理する自炊スタイル。ゲスト同士や、ふらりと遊びにきた地域の人たちとの交流も楽しめる。

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長野《小泊Fuji》
 
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Philosophers in Residence GOTO めぐりめぐらす
住所|長崎県五島市戸岐町1180
Tel|0959-73-0220 
客室数|7室 
料金|素泊まり1万1000円〜(税・サ込) 
カード|AMEX、DINERS、JCB、Master、VISA 
IN|15:00 
OUT|10:00 
アクセス|車/五島つばき空港から約40分、福江港から約30分 
施設|共有キッチン
https://megurimegurasu.jp

《旅の目的地にしたい名宿7選》
1|長野・SHISHI-WA-HOUSE 軽井沢
2|長崎・Philosophers in Residence GOTO めぐりめぐらす
3|長野・小泊Fuji
4|奈良・GOSE SENTO HOTEL
5|三重・COVA KAKUDA
6|山梨・THE SENSE FUJI
7|愛媛・ITOMACHI HOTEL 0

text: Ryosuke Fujitani
Discover Japan 2023年10月号「私を癒す15の旅。」

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