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触れるたび温かい木工インテリア3選
暮らしにそっと取り入れたい
癒しの木工品カタログ

2023.10.31
触れるたび温かい木工インテリア3選<br><small>暮らしにそっと取り入れたい<br>癒しの木工品カタログ</small>

同じ樹種であっても、生育した土地ごとに異なる息吹を感じるところが木のおもしろさ。捻れや反りといった癖さえ個性に変えて仕立てたプロダクトには、豊かな森の姿が詰まっている。
 
今回は、触れるたびに温もりを感じさせる木工インテリア3選を紹介。

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1|兵庫県・佐用町「TENON」

小さなメーカーだからできる
機械×手仕事の丁寧なものづくり

日本の神社仏閣で使われる「ホゾ」という木組みの技術を社名の由来とする「TENON」。兵庫県佐用町の工房で制作されるナラ材やウォールナット材を用いた家具は、細部はもちろん工程全体の流れを大切にすることから、製材から仕上げまでを一人の職人が一貫して担う。「なるべく素直なものづくりができるよう心掛けています。樹種や産地により、得意な環境や造形が異なるのは難しいところですが、完成品のいとおしさはひとしおです」

てのん
2009年に設立されたチェアメーカー。現在は、岡山県出身の関野央也(ひろや)さんが代表を務める。関野さんは、広島市立大学で彫刻を専攻していた際に椅子の造形やコンセプトが彫刻と共通することに気づき、椅子に興味をもちはじめたそう
 
Tel|0790-79-2604
http://small-axe.jp

Leaf
北海道産のナラ材と籐を使用。人の手と目を使い丁寧にホゾの精度を出すことで、軽さと繊細さの中に堅牢さをプラスした。「何気ない日常の中で使っていただけたらうれしいです」

価格|13万8600円〜14万3000円
サイズ|W560×D450×H680㎜
材質|北海道産ナラ材、ラタン

2|東京都・渋谷区「su Ha」

木のもつ美しさから生命力を感じる
“呼吸するジュエリー”をテーマに、木の美しさを生かしたアクセサリーなどを手掛けるブランド。素材に宿る森や海の記憶に人の記憶が重なっていく姿は、まるで小さな命を身につけているかのよう。北海道全域から集まる多種多様な丸太を製材し活用につなげる厚沢部町の「鈴木木材」の広葉樹を使用している。「素直な木にも癖のある木にも惹かれます。“木を見て森を見る”ことで、木の美しさが鮮やかに浮かび上がります」

すはー
デザイナーの伊藤陽子さんが2017年よりスタート。伊藤さんは、筑波大学芸術専門学群を卒業し、乃村工藝社に勤務後、特注家具職人を経てデザイナーに転身。手を動かしてものづくりをしたいとの理由から、長野県松本技術専門校にて木工を習学した
 
Tel|03-6822-1882
https://suha-j.jp

“Profile” trifold mirror
イタヤカエデ材を使用。木目が交錯した縮杢の木肌を生かし、さざ波のような濃淡を浮かび上がらせた。「自分を整え向き合う時間に、森の息遣いを感じられる鏡です」

価格|31万9000円
サイズ|W297×D50×H297㎜
材質|イタヤカエデ、高透過ミラー、真鍮

3|岐阜県・高山市「まる工芸

木工の町・飛騨高山で
丸太の状態から見極めてつくる

岐阜県高山市にて、自身で手入れを施した築97年の古民家を拠点に活動。サクラ材、イチョウ材、クルミ材といった飛騨産の木材を100%使用しており、生木の状態から木材の乾燥具合を見極めたいことから、丸太のまま購入している。「曲げに合ったものに、蓋に合ったものにと、木の個性に合わせて使い分けています。同じ樹種ばかり使っていると森になくなってしまうので、これからはいろいろな木の個性を発見して制作したいですね」

まるこうげい
木工作家・大澤昌史さんが2002年に設立。大澤さんは岐阜県高山市の職業訓練校で木工技術を学んだ後、地元の木工会社にて曲げ木の技法を駆使した椅子の製作を経験。現在は大正時代に建てられた古民家を拠点に、曲げ木を生かした作品を手掛ける
 
Tel|0577-52-3882
 
ディスカバー・ジャパン公式オンラインショップでも販売中!

オーバルボックス
経年変化が楽しめることを念頭に、あえて硬く加工が難しいサクラ材をメインに使用。パーツごとに木材の向きを使い分け、植物性オイルを塗布することで深みのある質感に

価格|Mサイズの場合1万2650円 ※SSからLLまで5サイズ展開
サイズ|Mサイズの場合はW209×D150×H73㎜
材質|サクラ

ティッシュケース
折れにくく粘りがあるものの硬さのあるサクラ材を使用しているため、真鍮のリベットでしっかり固定。「暮らしが美しくなるような、デザインにしました」

価格|1万3750円
サイズ|W310×D130×H78㎜
材質|サクラ

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text: Natsu Arai
Discover Japan 2023年9月号「木と生きる」

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