心をほぐす森の香り6選
暮らしにそっと取り入れたい
癒しの木工品カタログ
同じ樹種であっても、生育した土地ごとに異なる息吹を感じるところが木のおもしろさ。捻れや反りといった癖さえ個性に変えて仕立てたプロダクトには、豊かな森の姿が詰まっている。
最後は、地域の特性を感じさせる森の香りのアイテム6選を紹介。
1|岐阜県・高山市「飛驒産業」
100年以上続く家具メーカーが
森の恵みを余すことなく生かす
ブナ材による曲木家具づくりからスタートした老舗木工家具メーカー。家具となるのは丸太の約30%とあって、木を無駄なく使いたいとの想いから、間伐材や枝葉を活用した成分抽出の研究も行う。精油の抽出に使用する枝葉の集材は、山の環境を守るNPO団体などに依頼。直営店では、芳香蒸留水の量り売りイベントも開催している。
Tel|0120-606-655(HIDA 高山店 森と暮らしの編集室)
https://hidasangyo.com
ESSENTIAL OIL & AROMA GOODS エアーフレッシュナー
スギを中心に、クロモジとニオイコブシの芳香蒸留水を使用した100%天然・無添加のアロマスプレー。精油成分を微量に含んでいることから、ひと吹きするだけで森林浴のような爽やかな香りが室内に広がる
価格|1100円
内容量|100㎖
原材料|スギ枝葉、ニオイコブシ枝葉木部、クロモジ枝葉木部
2|富山県・上市町「アロマセレクト」
地産の精油づくりを通して
森林の環境を考え、伝える
富山県産の未利用材や間伐材を使用して、常時10種類ほどの国産精油を製造。販売までを一貫して自社で行うことで、里山、動植物、人が楽しく共存できる環境づくりを目指している。日々の生活で森の香りを身にまとう。心を落ち着かせる木の香りが、読書や睡眠などの自分を整える時間を、より豊かにしてくれることだろう。
メール|info@aroma-select.jp
https://aroma-select.jp
アロマスプレー クロモジ
スギの下草刈りで捨てられてしまうクスノキ科のクロモジから精油を抽出。クロモジは生育地により香りと成分が異なるが、富山県産は優しく落ち着いた甘みのある青葉の香りが特徴。手軽に空間や衣類に使えるアロマスプレーに仕立てた
価格|880円
内容量|40㎖
原材料|精製水、エタノール、クロモジ枝葉精油
3|長野県・上松町「AGEMATSU LIVING Laboratory」
信州木曽の地域材を蒸留水で未来の世代へ
木曽の地域材を活用した、持続可能なプロダクトづくりに取り組む実験的企業。伐採した際に端材として捨てられていた、木曽ヒノキの枝葉から精油を抽出している林業事業者との出合いで、ロウリュウォーターなどとして活用できる芳香蒸留水が誕生した。地元の魅力を外に発信することで、森や木という地域資源を次世代につなぐ。
メール|agematsu.living.lab@gmail.com
https://kinokahinoki.theshop.jp
ディスカバー・ジャパン公式オンラインショップでも販売中!
サウナロウリュウ用アロマウォーター KINOKA
厳しい環境でゆっくりと育つ木曽ヒノキや、木曽の森に自生するクロモジを使用。まるで深い森の中で深呼吸をしたときのような香りは、サウナ後の外気浴との相性抜群。就寝前や仕事の合間といったシーンにも◎
価格|HINOKI、KUROMOJI 各2750円
内容量|500㎖
原材料|芳香蒸留水(木曽ヒノキ/クロモジ)
4|京都府・京都市「杉乃精」
自然の恵みだけを使って
抽出する循環できるアロマ
変わりゆく京都・京北の自然を、元のあるべき姿に戻し、山を価値あるものとして残していきたいとの想いから展開した精油ブランド。精油の抽出後に残る蒸留残渣は、土壌菌によって腐葉土となり自然に還るなど、徹底した循環型プロダクトを追求している。好みの香りを見つけて、日々のリラックスタイムに取り入れてほしい。
Tel|075-852-1668(K・Kファーム)
https://suginosei.weebly.com
Kyonoka
左から、北山杉の新芽や若葉から抽出した「スギ」、爽やかで甘みのある「クロモジ」、甘さと苦さが調和したフレッシュな「ユズ」、穏やかで落ち着きのある「ヒノキ」の精油。いずれも京都の奥ゆかしさを感じる香りだ
価格|スギ3300円/クロモジ4400円/ユズ5500円/ヒノキ3300円
内容量|各5㎖
原材料|スギ/クロモジ/ユズ/ヒノキ
5|和歌山県・新宮市「エムアファブリー」
ありのままの熊野の香りを森からお裾分け
リラクゼーションケアの店からスタートし、アロマづくりへ。許可を受けた森から必要な分のみ木の伐採を行い、精油の原料となる熊野杉、熊野ヒノキ、熊野クロモジから、一滴ずつ丁寧に香り成分を抽出。世界遺産にも登録されている自然豊かな熊野の森を、つくられたものではなく自然そのままの香りとして届けている。
Tel|0735-22-0662
https://m-affably.com
熊野の香り 熊野杉 Shibahara
機械を使用すると香りが微妙に変わるため、木材の伐採にはノコギリを使用。「香りはつくるのではなく、分けてもらう」との想いから生まれた和精油は、スギから抽出したとは思えない柑橘のような香りで、手に取った人に驚きをもたらす
価格|3080円
内容量|5㎖
原材料|芝原杉
6|大分県・中津市「六月八日」
林業から販売まで一貫し、
森と人との暮らしをつなぐ
大分県にて林業を営む「久恒山林」から生まれた、ライフスタイル提案ブランド。代表の久恒雄一郎さんは、持続可能な林業を目指し暗中模索する中で、都会と森との距離が遠くなっていることに気づき、アロマ分野に可能性を見出した。採れた精油はすべてトレーサビリティを管理。育つ環境による香りの違いも感じることができる。
Tel|0979-22-7944(久恒山林)
https://rokugatsuyohkanomori.jp
リフレッシュウォーター 息吹
自社の森で育つ植物から抽出してつくられる、森の空気感を再現した香り。呼吸によって芳香成分が身体に取り込まれると、少量でもリラックス効果が期待できる。残り香がしつこくない点も、日常使いしやすくてうれしい
価格|1870円
内容量|100㎖
原材料|芳香蒸留水(ヒノキ木部、スギ枝葉、クロモジ、ほか広葉樹)、精油(ヒノキ、スギ、クロモジ、ほか広葉樹)など
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text: Natsu Arai
Discover Japan 2023年9月号「木と生きる」