高知県《シーベジタブル》
海の未来を守る、
新しくて美味しい“海藻”【後編】
世界で海の生態系が変化し、日本が誇る海藻の食文化がいま危機にさらされている。そこで立ち上がったベンチャー企業、シーベジタブルの挑戦には、伝統を未来へと紡ぐヒントが隠されている——。
古来息づく海藻×発酵は、新しくて美味しい
石坂さんは、多種多彩な海藻を扱っていたINUAで料理開発を担当してきた。その経験を生かし、常駐する都内のテストキッチンで、既成概念を覆す活用法を研究開発している。次ページで紹介する定番商品は、多彩な海藻の“本物の”魅力を味わえるラインアップが揃う。そして、特筆すべきは海藻から新しい食の世界を開拓する新ブランド「Re-seaweed」だ。第1弾リリースの「青のりしょうゆ」は、日本で古来息づく海藻と発酵を組み合わせた大豆不使用の調味料。かつてなかったアプローチは、斬新な食体験を生み出した。
「世界で誰も知らない海藻の底力を引き出しながら、多くの方が知っている普遍的なものと組み合わせ、新しい食の世界を生み出せることにワクワクしています」と石坂さん。
サステイナブルな方法で海藻の研究・栽培を促進するだけでなく、万人に届くかたちで驚きとともに「美味しい」という発見まで提供する。シーベジタブルのイノベーティブな挑戦には、未来の食文化をつくるヒントが内包されているのではないだろうか。その可能性の萌芽をぜひ味わってみてほしい。
青のりしょうゆ
主原料に最高級品種と称される生すじあおのりを使用。こだわりの天然塩や仕込み水、米麹で発酵させた、世界初の海藻発酵調味料は、海藻のほのかな香りと米麹由来の甘みが食材に 新たな美味しさを加えている
価格｜2430円
内容量｜200㎖
そのまま干したすじあおのり
乾燥させたときの繊細で爽やかな香りは、青のりの中でも随一といわれているすじあおのり。オイルやバター、クリームとの相性がよく、ポテトチップスにかけるだけで贅沢な味に
価格｜500円
内容量｜7g
賞味期限｜6カ月
そのまま干したはばのり
はばのりは千葉、静岡、三重など限られた地域で親しまれてきたが、近年激減している海藻。野山の山菜のようなほかの海藻にはない香りと苦みは、食べるほどやみつきになる
価格｜500円
内容量｜5g
賞味期限｜6カ月
青のり屋が本気でつくった青のりふりかけ
日本一の鰹節店と称される金七商店の熟練職人が、伝統製法でつくる「クラシック節」と乾燥すじあおのり、有機白ゴマなどを合わせたふりかけは、白ご飯が止まらなくなる
価格｜600円
内容量｜18g
賞味期限｜6カ月
塩蔵 とさかのり
とさかのりは鮮やかな紅色と立体的な形状が魅力。酸味の利いたドレッシングとの相性がよくサラダに最適。加熱するともちもちになり、スイーツとしても楽しめる
価格｜500円
内容量｜100g
賞味期限｜6カ月
若ひじき 柚子
市場で約1割しか流通しない国産ひじきの中でも稀少な若芽を塩漬けにし、香りづけに高知県産のユズを使用。そのままのほか、パスタの具材や蕎麦など薬味としても活躍する
価格｜500円
内容量｜150g
賞味期限｜3カ月
若ひじき 桜
若芽ひじきは、一般的なひじきとは一線を画すシャキッとした食感が魅力。桜の塩漬けと合わせたこちらは、口に入れた瞬間、春の香りで満たされ、爽やかな味わいが楽しめる
価格｜500円
内容量｜150g
賞味期限｜3カ月
若ひじき 青唐
三重県尾鷲市向井地区でのみ栽培される伝統唐辛子「虎の尾」が鮮烈な辛さと爽やかな香りを演出。付属のオリジナルビネガーが、よりいっそう爽やかな酸味と辛味を広げてくれる
価格｜600円
内容量｜150g
賞味期限｜3カ月
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問い合わせ｜合同会社シーベジタブル
Tel｜0887-37-9835
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text: Ryosuke Fujitani photo: Kenji Okazaki
Discover Japan 2023年6月号「愛されるブランドのつくり方。」
