山梨県・北杜市《Terroir 愛と胃袋》
山梨の魅力を美味しく発信する
泊まれるレストラン【後編】
いま日本の食や旅を語る上で外せないキーワード「ローカル・ガストロノミー」。その担い手たるは移住したシェフ。その地域の食材や文化に惚れ込んで移住したシェフだからこそ魅せるローカル体験とは。
八ヶ岳山麓に抱かれた江戸時代の趣ある一軒家に広がる洗練された空間。山梨の素材をガストロノミーに昇華した唯一無二の食体験ができるオーベルジュ「Terroir 愛と胃袋」へ。
元寺子屋を活用した
１日１組限定の一棟貸し宿
「愛と胃袋」の斜め前に建つ築130年の古民家。ここが「オーベルジュをつくりたかった」という鈴木さん・石田さん夫妻が、3年越しに夢をかなえた宿泊施設「旅と裸足」だ。
立派な門をくぐると、そこにあるのはノスタルジックな“日本のおばあちゃんの家”。石づくりの五右衛門風呂、囲炉裏、厨房にはかまど。古きよき田舎の暮らしがいまも息づいている。
しかしよく見ると。土間に何げなく置かれたストーブは「イエルカ」のもの、キッチンの設備は最新モデルでバスルームはピカピカ。布団ベッドやルームウェア、アメニティもサステイナビリティと使い心地のよさを両立するものが選び抜かれている。つまり昔ながらの風景を楽しみつつ、都会の利便性に慣れた現代人が感じるストレスができる限り排除されている。
「愛と胃袋」で八ヶ岳の恵みを堪能し、「旅と裸足」では五感で北杜の自然のパワーを受け止める。都会では決して味わえない美食旅の醍醐味だ。
生産者や名所をめぐる
「八ヶ岳ガストロノミーツーリズム」も
「八ヶ岳ガストロノミーツーリズム（スタディケーションコース）」として、体験型ツーリズムも推進。地元の生産者と交流し、Terroir 愛と胃袋でディナーをいただく１DAYコースと、その後、旅と裸足に泊まる１泊２日コースを用意。コースの中には、滝の観賞の仕方など、八ヶ岳の自然をユニークに楽しむ内容も盛り込まれている。
読了ライン
Terroir 愛と胃袋
住所｜山梨県北杜市高根町長澤414
問｜info@aitoibukuro.com
営業時間｜ランチ12:00 ～、ディナー18:00 ～
定休日｜月～水曜
料金｜食事のみ2万1780円、ペアリング付3 万5090 円（ 税・サ込）
https://aitoibukuro.com
※平日ランチ・ディナー各1 組、土日各2組の完全Web予約制
旅と裸足
住所｜山梨県北杜市高根町長澤504
問｜info@tabitohadashi.com
IN｜15:00〜16:00
OUT｜11:00
料金｜1泊2食付7万8470円〜（2名分、税・サ込）
https://tabitohadashi.com
text: Shifumi Eto photo: Atsushi Yamahira
Discover Japan 2023年3月号「移住のチカラ！／移住マニュアル2023」
