DJ編集部が忘れられない宿。
旬の味を愉しむ編
日本各地には、季節、時期によって旬を迎える食材がたくさん。「旬の味を愉しむ編」では、その地方の名物ともいえる食材を、最高の状態でおもてなししてくれる旅館やホテルを紹介する。
前田家、魯山人……
1300年愛される温泉とカニ尽くし あらや滔々庵
加賀大聖寺藩前田家御用達で北大路魯山人も何度も滞在した宿。歴代藩主や魯山人を虜にした山代の湯は肌当たりしっとり。まさに滔々と。照明を落とした「烏湯」では瞑想感覚が味わえます。そして冬の愉しみなのがズワイガニ、香箱ガニをあの手この手で味わうカニ三昧。甲羅酒は忘れられません……。本当に贅沢なご褒美宿です。
住所|石川県加賀市山代温泉18-119
電話|0761-77-0010
料金|1泊2食付3万4000円〜(税別・サ込)
室数|17室(うち半露天風呂付き和洋室10室)
施設|大浴場、バー、茶室ギャラリー、食事処、売店
温泉|あり
目の前で炭火で焼き上げられる
活きアユの滋味を堪能 和田屋
春の稚アユから秋の落ちアユまで、季節を感じさせてくれる日本が誇る食材アユ。そんなアユで忘れられない宿といえばここ。囲炉裏が部屋にしつらえられ、目の前で料理長が焼いてくれます。手取川周辺で捕られた活きアユは、一日生簀で砂を吐かせてから、丁寧に焼かれます。焼きたてにかぶりつけばほくほくしっとり、草のような青さと内臓の甘苦さが染み入る旨さ!
住所|石川県白山市三宮町イ55-2
電話|076-272-0570(受付時間9:00〜21:00)
料金|1泊2食付3万813円、3万4608円、4万933円(税・サ込)
室数|6室
施設|大浴場、リラクゼーションルーム、ライブラリ
温泉|あり
天然トラフグの美味しさと底力にしびれる
角上楼
フグ料理といえば薄造りとかフグちり? と思っていましたが、すみません。この宿でフグの奥深さを知りました。むっちりと旨みを含んだ薄造りに悩殺され、炭で軽く焼いたフグの白子を、さっと炙ったフグで包んで食べる“ふぐかさね”(別注1万円)は衝撃の美味しさ。そしてカラス酒、干したフグのクチバシを焼いて熱燗に投入。く〜、たまりません。
住所|愛知県田原市福江町下地38
電話|0531-32-1155
料金|1泊2食付2万3000円〜3万5000円(税・サ別)※フグのコースは+1万円
室数|角上楼5室、翠上楼3室、雲上楼2室
施設|ラウンジ、食事処
丹後で堪能
めくるめく松葉ガニの競演 茶六別館
日本海に面する京都府宮津市にある日本旅館。昭和初期の木造建築で、昔ながらの風情ある佇まいが魅力です。この宿の冬の魅力といえば松葉ガニ尽くし。造りにはじまり、ゆでたカニ、カニ味噌、目の前で炭火で焼いてくれる焼きガニ……。甲羅の味噌焼きもたまらない。とどめはカニすきの後の雑炊だ。松葉ガニを味わえるのは解禁の11月7日から3月20日頃までです。
住所|京都府宮津市島崎2039-4
電話|0772-22-2177
料金|1泊2食付2万円〜6万円(税別)
室数|11室
施設|大浴場、食事処、宴会場、売店
温泉|あり
text:Discover Japan photo:Ko Miyaji
2020年2月号 特集「世界に愛されるニッポンのホテル&名旅館」
《DJ編集部が厳選!忘れられない宿》
1|癒される温泉編① ②
2|グルメな旅館編
3|旬の味を愉しむ編
4|オーベルジュ編
5|日本建築・庭園&一棟貸し・古民家編
6|ごほうびスパ編
7|山のリゾート&海のリゾート編
8|おひとりさまでも編
9|首都圏から気軽に編