渋谷パルコ POPUP
《the continue.》
土の記憶を伝える、再生備前
割れたり、焦げたりして製品にならない備前焼を再生し、活用していくサステナブルなものづくり。そんな再生備前を手がける「the continue.」が主宰するPOPUPが渋谷PARCOのDiscover Japan Lab.にて2026年6月13日(土)~21日(日)にかけて開催される。
the continue.(ザコンティニュー)
岡山県備前市で、陶器ごみから生まれるマグカップといったサステイナブルなものづくりを行う。地元作家の登り窯で焼く、備前焼の伝統を宿す作品も展開。
廃棄される陶器を原料として生かす
“再生備前”

これまでは砕かれ、埋め立て処分されてきた陶器ごみ。備前で採れる土を用い、釉薬や絵付けを施さない備前焼の陶片は、混ぜものがない分、粉砕して再利用しやすい素材ともいえる
備前焼は、釉薬や絵付けを施さず、高温の登り窯でゆっくりと焼き締める。窯で土と火が出合い、土の表面が変化する「窯変」が特徴だ。一方、鉄分や有機物を多く含む備前の土は縮みやすく、登り窯では割れたり焦げたりして製品にならないものが1~2割ある。よい“景色”を出そうとうつわにとって過酷な状況をつくるほど失敗作は多く、そんなものこそ色がいいそうだ。しかし、それらは砕かれ廃棄されてきた。

「the continue.」代表の牧沙緒里さんは、備前の土が稀少だと知りながら廃棄せざるを得ないうつわが多くある現状にジレンマがあった。同じ備前で盛んなれんがのリサイクル技術を応用できないか。そんな折、コーヒー店「暮らしと珈琲」の脇山賢一氏と出会い、再生備前でコーヒードリッパーとマグカップをつくることに。透水、通気性のある再生備前を使用したドリッパーは瞬く間に話題に。マグカップは微細な陶器の粒に備前の土を加えて練り戻し、型で成形して電気窯で焼成する。リプロダクトならではの素朴さが魅力だ。
ブランド立ち上げから5年。本POPUPでは、地元の備前焼作家の協力の下、伝統的な登り窯で焼かれた製品が並ぶ。
「土は地球が生まれて間もなく存在し、火山の噴火などで火と出合います。焼物は、陶芸家が土の塊を窯に入れて火を焚くわけですが、そこで2週間、土と火が交わる。火はやがて消えますが、出合った痕跡は残ります」

内側の一部だけがガラス質になり、ユニークな模様を描くマグカップ。一度焼かれた陶片が原料となる再生備前は、すでに分子が震えているため、生の土に比べて激しい変化が出やすい
登り窯で焼くと、窯の中の場所や火の当たり具合でさまざまな景色が浮かぶ。再生備前は含有する成分がまちまちなので、思いもよらない色が出やすいそう。
「再生備前は陶芸家の手で一度焼かれた陶片を粉砕しているため、生の土に比べて科学的にややガラス化が進んでいるのでしょう。登り窯に入れると早い段階で大ぶりな景色が出やすいのです」
ろくろ成形によるどっしりとした作品が主流の備前焼において、型成形ならではの軽やかさと一期一会の景色を宿すうつわたち。POPUPでは窯変が大胆に表れた作品が並ぶのでお楽しみに。
作品ラインアップ

TIME ロックグラス
一周見ても同じパターンがないデザインで「繰り返さない時間」を表すTIMEシリーズ。ロックにもお湯割りにも。

TIME タンブラー
型によるシャープな線の模様と大胆な窯変の景色が共存するのは、再生備前を用い、登り窯で焼いた作品ならでは。

#再生備前シリーズ
マグカップ
ブランド立ち上げ時につくった定番のマグカップを登り窯で焼成。窯変の出方が一つひとつ異なる唯一無二のカップ。

TIME 片口
ハレの日の日本酒をイメージ。内側に型による模様を入れられるのは再生備前だからこそ。総菜を盛るうつわにもいい。

三石窯 浅鉢
型でろくろ目を入れてカジュアルな和食器の趣に。備前焼は松の薪で焼くのが一般的だが、雑木の薪で焼いている。
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POPUPの作品が
オンラインで買える!
公式オンラインショップ
※Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を2026年6月16日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)
Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
公式Instagram|@discoverjapan_lab
text: Yukie Masumoto photo: Shiho Akiyama
2026年7月号「納涼、しましょ。」



































