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ニッポンのものづくりの神髄を
“ミード”を通じて発信する
|ANTELOPE(滋賀県・野洲市)

2026.1.11
ニッポンのものづくりの神髄を<br>“ミード”を通じて発信する<br><small>|ANTELOPE(滋賀県・野洲市)</small>

ハチミツを原料とする醸造酒“ミード”。日本初のミード専門醸造所「ANTELOPE」の代表・谷澤優気さんが、ミードを通して世界へ届ける、日本のものづくりの真髄とは?

ANTELOPE(アンテロープ)
アメリカのミードに衝撃を受け、日本初のミード醸造所を2020年に設立。ブルワーとしての経験を基に、飽くなき探究を続ける。

世界最古の酒・ミードを日本から世界へ。
ANTELOPEが描く次なる挑戦

ハチミツを原料とした醸造酒「ミード」。世界最古の酒といわれながら、その起源もレシピも不明。特異な存在ながら、現在まで世界各地で醸造されてきた不思議な飲み物である。

そんなミード醸造に挑んだ、日本初のミード専門醸造所「ANTELOPE」代表の谷澤優気さんは、「ミツバチ自身が生産環境を整えてくれるため、ミードはワインやシードルのように原産地に左右されません。だからこそ、ミード文化は世界各地で細く長く発展してきました。土着性や食に対する価値観が地域や人によって大きく異なるからこそ、『ミード』の言葉が指すもの自体も、土地ごとにまったく違うんです」と、確固たるレシピが存在しない理由を教えてくれた。

風土や文化、さらには家庭という小さな社会によってもレシピが異なる、スープのような多様性をはらむ。

美味しさを届ける絶対的な仕事
醸造理論を基に、日本の農家が紡ぐ素材のよさを引き出すことが彼らの哲学。学びをやめることなく、挑戦者としての姿勢を貫く

ミード造りは理論のベースが構築されていないからこそ、大海原を自由に泳ぎ回る楽しさと、投げ出されたような感覚が混在する。そう話す谷澤さんが指標として掲げるのは、日本発のミードを世界的コンペで優勝させること。中でも副原料にフルーツのみを使用したスタイル「Melomel」は、ANTELOPEの核となるミード。

「僕らがやりたいことは、日本のものづくりの素晴らしさをミードという媒体を通して世界中に広めること。大学では農学哲学を専攻していたのですが、学生時代から農や食の尊さを経験させてもらったからこそ、そこに貢献したいと思い続けてきたんです」

国産ハチミツの使用100%へ
原材料をミャンマー産から国産へと切り替えるにあたり、誌面で紹介する商品を含めて、在庫がなくなり次第終売となる可能性が高い

原材料の成り立ちや尊さを学ぶため、自社でも養蜂を行っているANTELOPEでは、2027年をめどにハチミツも全量国産へと切り替える計画だった。だが、これまで主原料としていたミャンマー産ハチミツが輸入停止になるという知らせが先頃届いたことで、計画は大幅に前倒しに。

「とはいえ、いいタイミングだったとは思っています。実は、国産ハチミツの中には味噌や醤油に近い発酵菌がいることが京都産業大学の研究で2024年に判明しました。これは養蜂活動そのものが発酵という日本の風土も内包していることを表しています。だからこそ、国産ハチミツを使ったミード造りにも挑戦したいと思っていたんですよね」

ラベルデザインも地元デザイナーとタッグを組んで一新するなど、2026年からは新たな挑戦がスタートする。原価が大幅に上がるため値上げは避けられないというが、そこも含めてブランドを刷新する転換期といえる。

自由奔放なミード醸造だからこそ、谷澤さんが求めるものは “美味しさ”への絶対的な責任。ANTELOPEは農家・養蜂家とともに、まもなく第二章の幕を開ける。

 

商品ラインアップ

価格|3900円/500㎖ スタイル|Melomel 原材料|蜂蜜(ミャンマー産)、マンゴー(宮崎県産) アルコール度数|14度

DEEPSEEK -Mango-
ほのかに甘い南国感が特徴でホットでも楽しめる。紅茶のように香り高い一杯は、スパイスの利いたエスニックと合わせたい。

価格|2460円/500㎖ スタイル|Melomel 原材料|パイナップル(沖縄産)、蜂蜜、シークワーサー アルコール度数|6度

Wakatu
キャラメルに似た甘みと酸味が織りなす奥行きは、塩味の利いた料理と相性抜群。よく冷やして心地よい炭酸を感じたい。

価格|2910円/500㎖ スタイル|Pyment 原材料|蜂蜜(ミャンマー産)、シャインマスカット(山梨県産) アルコール度数|8度

Pluck
山梨県「NICE GRAPES」の早摘みシャインマスカットを使用。爽やかな酸味を引き出した軽やかなボディは、魚料理と好相性。

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公式オンラインショップ
 

Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。

text: Natsu Arai photo: Shiho Akiyama
2026年2月号「地域を変える企業」

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