ART

「池田亮司展」青森・弘前で開催中
鑑賞者の感覚を拡張する
目に見えないデータへの没入体験

2022.5.2
「池田亮司展」青森・弘前で開催中<br><small>鑑賞者の感覚を拡張する<br>目に見えないデータへの没入体験</small>
池田亮司「data-verse 3」2020年 撮影:浅野豪  ©︎Ryoji Ikeda

フランスと日本を拠点に作曲家・現代美術作家として活躍する池田亮司。テクノロジーを駆使し、光や音を用いたインスタレーション作品を中心に手掛け、DNA情報や素粒子、宇宙といった科学領域に及ぶデータも表現に取り入れてきた。本展では、約100年前に建てられた酒造工場を改修した高さ15ⅿの大規模空間に、視覚と聴覚で体感する映像作品を投影。歴史的建築と未来を想起させる作品が交わり、共鳴する。普段は目に見えない膨大なデータへの没入体験は、あなたの認識の領域拡大へとつながるかもしれない。

⾼さ15mの⼤空間で体感する
大型プロジェクション

池田亮司「data.flux [nº1]」2020年 撮影:浅野豪 ©Ryoji Ikeda

13年ぶりとなる国内美術館での⼤規模個展。最大のみどころは、日本初展示の「data-verse 3」だ。2019年開催の第58回ヴェネチア・ビエンナーレにおいて初めて公開された映像、⾳響による3部作「data-verse」は、CERN(欧州原⼦核研究機構)やNASAなどの膨⼤なオープンデータを取り⼊れて制作された近年の池⽥作品の集⼤成とも言えるシリーズ。弘前れんが倉庫美術館(⻘森県弘前市)が誇る高さ15mの吹き抜け空間でのプロジェクションで、原⼦核の内部から宇宙まで、ミクロとマクロの視点を⾏き来する壮⼤な旅へと見る者を引き込む。

また、鉄⾻構造やコールタールの⿊い壁など、明治・⼤正期に建設され、倉庫として使⽤された時代の趣が残る建物の特性を最⼤限に⽣かして展開される“建築空間と作品の共鳴”は、ここでしか味わえない唯一無二の体験となるだろう。

⽇本初公開作品を含む多様な新作・近作が集結

池田亮司「data.tecture [nº1]」2018年 撮影:浅野豪  ©Ryoji Ikeda

レーザーによる作品「exp」や、床⾯へのプロジェクション作品など、様々な⼿法を⽤いた新作・近作を紹介。鑑賞者の感覚の拡張を試みる多様な作品群をとおして、国際的に活躍する池⽥の近年の活動を展望することができる貴重な機会をお見逃しなく。

池田亮司展
会期|~8月28日(日)
会場|弘前れんが倉庫美術館
住所|青森県弘前市吉野町2-1
時間|9:00~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日|火曜(5月3日、8月2日は開館)
料金|一般1300円、大学生1000円、高校生以下無料
Tel|0172-32-8950
www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/ryoji-ikeda

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