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アートと伝統が交錯する
本州最北端の「青森県」

2020.8.4
アートと伝統が交錯する<br>本州最北端の「青森県」
奥入瀬渓流

「47都道府県の魅力を再発見!」をテーマに、これまで編集部が取材してきた各地のモノ・コトを永久保存版として紹介する《Discover Japan的、日本再発見の旅》。今回は青森県を取り上げます。新たな魅力を知るきっかけや、旅の計画を立てるのにもお役立てください。

弘前れんが倉庫美術館をはじめとする
アートスポットが話題に

本州の北端に位置し、南に十和田湖や白神山地、それ以外の三方を海に囲まれた自然豊かな県。リンゴなどの農産物や大間のマグロをはじめ、恵まれた環境を生かした地産食材の宝庫でもある。

かつて陸奥の国と呼ばれた地域で、平安時代に中央政府の支配下に入り本格的な政治がスタート。16世紀末に大浦氏(後の津軽氏)が弘前城を中心とした弘前藩を興し、明治維新の廃藩置県によって青森県が誕生。「青森」という地名は江戸時代に現在の青森市中心部にあった松の森が、真冬でも風が強く吹きつけて雪が積もらず、青々としていたことに由来されている。

2020年は、建築家・田根剛氏が日本ではじめて手掛けたことで話題の弘前れんが倉庫美術館がオープンし、来年には八戸市美術館が八戸市新美術館として開館する予定。新たなアートシーンの登場に、さらなる注目を集めている。

名所・観光

奥入瀬渓流
十和田湖の子ノ口から焼山まで、奥入瀬川の約14㎞の渓流。遊歩道から眺める大小の滝、「阿修羅の流れ」と呼ばれる水景色が壮観。

問|十和田湖総合案内所
Tel|0176-75-2425

その他
仏ヶ浦
蔦沼
八甲田の樹氷

年中行事

青森ねぶた祭
鮮やかな電飾を施された巨大な山車が、市街を練り歩く夏の風物詩。300年以上の歴史があり、6日間で延べ200万人以上が訪れる。

会期|毎年8月上旬
会場|青森県青森市中心市街地、青森港、青い海公園

その他
弘前さくらまつり
弘前ねぷたまつり
十和田市秋まつり

美術館・建築

青森県立美術館
青木淳氏の設計。三内丸山縄文遺跡の隣に立ち、発掘現場の壕から着想を得て幾何学的に切り込まれたスペースなど、独特な空間。

住所|青森県青森市安田近野185
Tel|017-783-3000
http://www.aomori-museum.jp/ja/

その他
十和田市現代美術館
弘前れんが倉庫美術館
是川縄文館

郷土料理

義経鍋
兜のかたちをした鍋で食べる県南地方の馬肉料理。平泉から落ち延びた源義経一行が、兜を鍋の代わりに使ったのが発祥。

その他
味噌カレー牛乳ラーメン
かやき
せんべい汁

オステリア エノテカ ダ・サスィーノ
野菜や果物、ワイン用のブドウまで自分の畑でつくるイタリアンレストラン。シェフ自ら集めたヴィンテージワインも充実。

住所|青森県弘前市本町56-8 グレイス本町2F
Tel|0172-33-8299
営業時間|18:00〜24:00(L.O.21:00)
定休日|日曜
http://dasasino.com

クラフト

南部裂織
使い古した布を細く裂き、再度織り込んで新たな布に生まれ変わらせる伝統織物。丈夫で温かく柔らかな仕上がり。

問|南部裂織保存会
Tel|0176-20-8700
https://sakiori.jp

名産・土産

もりやま園のテキカカシードル
成熟する前の実を間引いた摘果リンゴを、世界ではじめて食用に使いシードルに。摘果果実ならではの渋みと酸味を生かしている。(1本627円)

Tel|0172-78-3395
https://moriyamaen.jp

旅館・ホテル

八甲田ホテル
八甲田山麓の静かな森に佇む、国内最大級の洋風ログ木造建築のリゾートホテル。青森ヒバが香る大浴場や客室から眺めるブナの原生林は圧巻。

住所|青森県青森市荒川南荒川山1-1
Tel|017-728-2000
客室数|55室(ツインルーム39室)
料金|ツインルーム1泊2食付2万7000円〜(サ込・税別、入湯税別)
https://www.hakkodahotel.co.jp/top/

方言

たげ、めぇな(すごく、美味しいですね)

その他
かちゃくちゃね(散らかっている)
な、じゃんぼ刈ってきたべー(あなた、髪切ってきたでしょう)
もちょこちぇーべな、やめろじゃー(くすぐっいだろ、やめろよー)ほか

なんでもランキング!

青函トンネル 鉄道トンネルの長さ・深さ→全国1位
カシスの生産量→全国1位
人口あたりの公衆浴場数→全国1位

ご当地Q&A

高校生の発案から開発された青森市発祥のラーメンは?
味噌カレー牛乳ラーメン。1970年代に、札幌から青森に味噌ラーメンを持ち込んだ「味の札幌」にて、高校生が牛乳とカレーを入れた味噌ラーメンを頼んだのがはじまりだとか。

コリコリとした食感が特徴の青森県の「県の魚」は?
平目。有名な大間や深浦のマグロを押さえて、漁獲量・放流尾数ともに青森県が日本一。北国の冷たい海で育った天然平目は、抜群の身の締まりで最高品質の評価を得ている。

青森県・基本データ

天然記念物・小湊のハクチョウ

DATA
県庁所在地|青森市
市町村数|10市・22町・8村
面積|9646㎢
人口|126万人
人口密度|130.9人/㎢
訪問観光客数(年間)|469万人
県の木|ヒバ
県の花|リンゴの花
県の鳥|ハクチョウ

気候
年平均気温|11.0℃
最高気温|27.4℃
最低気温|−5.1℃
降水量|1553㎜
快晴日数|8日
降水日数|172日
雪日数|117日

観光
温泉数|125
宿泊施設数|680(ホテル+旅館)
美術館数|13
博物館数|65
道の駅数|28
国宝|赤絲威鎧〈兜、大袖付〉ほか
重要文化財数|55(内国宝は3)
史跡数|22
名勝数|7
天然記念物数:20
世界遺産|白神山地
国立公園・国定公園|十和田八幡平、三陸復興、下北半島、津軽

出身有名人
松山ケンイチ/伊調 馨/柴崎 岳/吉 幾三/古坂大魔王/太宰 治ほか

天然記念物
小湊のハクチョウおよびその渡来地/仏宇多(仏ヶ浦)/法量のイチョウ/下北半島のサルおよびサル生息北限地ほか

《SDGs視点で解説》
新エネルギー発電への関心が高まる青森県!

2021年3月現在
解説協力:サステナブル・ラボ株式会社

人間、地球及び繁栄のための行動計画として、持続可能な開発目標として国際的に採択されたSDGs。17の目標のうちゴール7の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」に注目してみると、青森県は新エネルギー発電割合(新エネルギー発電量/全てのエネルギー発電量)が全国1位!

2021年4月に日本政府が「2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減する」と発表したことで、新エネルギー分野への関心がさらに高まっている今、その先進自治体として青森県が注目されそうです。

詳しいデータはこちら

edit&text=Keditorial,Miho Hasegawa,Minori Fujikawa,Satomi Koba
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」


≫酒造りから文化の発信地へ『弘前れんが倉庫美術館』

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