建築家・神谷修平が率いるKAMIYA ARCHITECTSが手がけた、おはぎ専門店《ohagi3 FLAGSHIP SAKAE》
和の食文化「おはぎ」に着目し、いまの時代に合わせてアレンジした無添加のおはぎを提供する「ohagi3」。その初となるカフェ型店舗が、名古屋・栄の丸栄百貨店跡地にできた商業施設「Maruei Galleria」内にオープンした。今回の新業態店舗開業にあたり、ブランディング及びインテリア・家具デザインを手掛けたのは、建築家・神谷修平氏が率いるKAMIYA ARCHITECTS。おはぎをモチーフとした円形を壁、テーブル、椅子などのデザインに取り入れ、木の温もりに包まれた店内になっている。
ohagi3(おはぎさん)
2017年に愛知県名古屋市にオープンしたおはぎ専門店「ohagi3(おはぎさん)」は全国に8店舗ある。誰もが安心して食べられるおやつをコンセプトに、一つ一つ丁寧に手作りした、カラダにやさしい「無添加おはぎ」を製造・販売。そのほか、団子や大福などの和菓子・和スイーツを今の時代に合わせてアレンジし、笑顔のきっかけを広げている。おはぎや和菓子の販売を中心とした小売型店舗とおはぎや和スイーツの他、有機栽培の抹茶・ほうじ茶・コーヒーなどのドリンク類を販売するカフェ型の店舗を展開中。
KAMIYA ARCHITECTS
東京・青山をベースにした一級建築士事務所。建築家・神谷修平によって2017年に設立。隈研吾、Bjarke Ingelsに師事した神谷の豊富な経験を活かし、大小様々なプログラムの建築設計を行う。建築設計と他クリエイティブ領域を横断しクライアントの事業挑戦に寄り添い、持続的成功にコミットする“Branding Architecture”を掲げる。近作に「葉山加地邸」「HARIO Satellite」など。https://kamiya-architects.com
円(縁)に埋もれておはぎを味わう
施設1階のエントランス正面という好立地を生かした、インパクトのあるデザインを求められた。そこで、ohagi3のアイデンティティである「円」を展開し、様々な家具をデザイン。「ohagi ペンダントライト」は、ブランドのキーワードである「3」とも掛け合わせ、円が3つに折り重ねた照明。他店舗にも導入を予定し、ブランドを象徴するアイテムとなっている。
四方の通路に対するパーティションでは、「ohagi ウォール」を製作。日本の伝統的な継木技術を応用し、円を積み木のように積み重ね、「ohagiウォール」の円ピースを活用し、2種類のテーブルをデザイン。「ohagi テーブル」は円ピースを天板とし、埋め木がアクセントになっている。また「ohagi ウォール」とガラスの組み合わせで、12人用の「ohagi BIG テーブル」も用意されている。
建築起点のトータルブランディングで
円の世界を増幅させる
KAMIYA ARCHITECTSは、今回、クリエイティブパートナーとして、新業態店舗のオープンに際するリブランディングディレクションから行った。ohagi3のブランドをより体現するため、グラフィックデザイナーと協働してブランドロゴを刷新。円形をつなげたイメージでデザインしたシンボルマークには、カップ・ペーパーアイテムなど様々なアイテムに展開可能な、洗練されたアイコン性を持たせた。店内サインやグラフィック、和菓子を提供する器に至るまで、店舗を構成するデザイン全体のクリエイティブディレクションを行い、コンセプトを明確にしブランドを表現した。
「無添加おはぎ」や「オーガニックドリンク」、「グルテンフリー」など原材料 に1つ1つこだわり、添加物は一切使用せず、砂糖は白砂糖ではなく粗糖を使用。和のおいしさを今の時代に合わせたカタチで提供。看板商品の「無添加・手作りおはぎ」は、定番と季節限定を併せて6~8種類で、子どもから大人まで、安心して食べられる。
ドリンクメニューは、標高350m以上で有機栽培された抹茶を使用した「オーガニック抹茶」・「オーガニックほうじ茶」。おはぎと合うようにオリジナルでブレンドした「オーガニック コーヒー」。フードロス対策に対応した「甘酒」。海外でも話題の発酵ドリンク「KOMBUCHA」 など40種類以上を用意。
丁寧に手づくりされる、身体にやさしいおはぎとともに、新デザイン空間を体験してみては。
ohagi3 FLAGSHIP SAKAE/おはぎさん フラッグシップ サカエ
住所|愛知県名古屋市中区栄3丁目3番地1号 Maruei Galleria 1F
Tel|052-243-0893
photo: Takumi Ota