ゆっくり懐石、サクっと街中華、京都の洋食..
京都人が通うなじみのランチ店。
京都の街を知り尽くした京都人は、どんな店に通っているのか? ガイドブックでは発見できないなじみの店をこっそり教えてもらいました。今回は、和洋中、自慢のランチを愉しめるお店をご紹介。
朝日焼とともに不易流行を歩む松花堂弁当
7.京・宇治 抹茶料理 辰巳屋
松林「特別松花堂弁当のお皿をおつくりいたしました。宇治川のほとりの風光明媚さも一緒に感じていただけるすてきなお店です」
宇治のお茶文化とともに育まれてきた朝日焼、その陶器の大皿を使ってなんとも斬新な松花堂弁当を生み出した。見事に十字を切った刷毛目を模様として、本来松花堂のうつわにある区切りを表したという。大胆かつモダンにも映るうつわの空間をも料理の妙味とし、八寸、お造り、炊き合わせ、ご飯が、お茶の心のおもてなしさながらに盛りつけられる。茶問屋を起源として受け継がれた精神が、いまに生きる不易流行な逸品を生み出した。
京・宇治 抹茶料理 辰巳屋
住所|宇治市宇治塔の川3-7
Tel|0774-21-3131
営業時間|11:00〜14:30(L.O.)、16:30〜19:30(L.O)※ディナーのみ要予約
定休日|不定休
https://uji-tatsumiya.co.jp/
後を引く旨辛四川料理に白飯が進む!
8.駱駝
SHOWKO「絶品の麻婆豆腐。花椒の利いたしびれる麻婆は汗をかきながら食べるのがおすすめ。サウナの後くらい整い感があります!」
四川料理がメジャーではなかった頃から横浜中華街の専門店で腕を磨き、京都で独立して26年、いまや京都四川料理の代名詞ともいえる名店だ。花椒、唐がらし、豆板醤……すべてが本場四川仕込み。「バシッ」、「ビリッ」という辛さが特徴で、中でも麻婆豆腐は、ランチセットならご飯やスープ、ザーサイが付いて1050円とお得に味わえる。いまなら季節ごとの食材を使った、鯛と野菜の塩味炒めなど、おすすめメニューもどれも旨い。
駱駝
住所|京都市左京区北白川瀬ノ内町27-4
Tel|075-781-0306
営業時間|11:30〜14:00、17:30〜21:00
定休日|月曜、第1火曜
http://kyoto-rakuda.com/
イタリアンセンスをちりばめた野呂流の洋食
9.リストランテ野呂
松山「メインの一品を外したパスタランチも重宝。通うほど素材や味つけなどをカスタマイズしてくれるから常連にはうれしい」
東京の「山の上ホテル」で洋食イタリアンを経験した後、単身北イタリアで3年修業し、晴れて京都でリストランテを立ち上げた店主の野呂和美さん。イタリアンセンスがちりばめられた野呂流洋食スタイルは、一度食せば虜に。とりわけランチセット(1980円)は、パスタの旨さが秀逸との声も高く連日大盛況だ。2種から選べる日替りのメイン料理、大山鶏もも肉のローストや変わり種のポテトサラダも楽しみのひとつ。
リストランテ野呂
住所|京都市中京区西ノ京職司町67-14
Tel|075-823-8100
営業時間|11:30〜13:30(L.O.)、17:30〜22:00(入店は20:30まで)
定休日|月曜、第1火曜
https://ristorante-noro.com/
リヨンの街角気分でハラミのグリエとしゃれ込む
10.Le Bouchon
小川「バターが鎮座する肉汁滴るハラミのステーキと、マスタードを浸けたフライドポテトは、肉好きの京都人にはたまりません」
テラス席に座ってカラフでワインとしゃれ込めば、寺町二条もリヨンの街角気分。その雰囲気も相まって、ハラミのグリエには9割のオーダーが殺到する。ソースに頼らない肉そのものの旨みと、ヘルシーな赤身を追求するゆえ、牛肉の仕入れは日々ベストな産地を選ぶ。150gのハラミにはポテトフライが添えられ、サラダとパリジャンタイプのパンが付いて1480円のお値打ちランチ。開店26年来のメニューのなせる技だ。
Le Bouchon
住所|京都市中京区寺町通二条榎木町71-1 グランデヴェラ1F
Tel|075-211-5220
営業時間|11:30〜14:30(L.O.)、17:30〜21:30(L.O.)
定休日|木曜
https://www.bellecour.co.jp/bouchon%20file/bouchon.htm
肩ひじ張らず昼間から飲める燻製専門店
11.izakaya_RUTUBO
村山「膨大な種類のスコッチウイスキー、ジャズのBGMと元気なスタッフとの会話も相まって素晴らしい時間を過ごせます」
燻製とジャズとスコッチウイスキーの店「izakaya_RUTUBO」は、無国籍な内装で、人種も世代も地元民も観光客もまぜこぜになって楽しめる、まさに坩堝(るつぼ)な空間。多彩に揃う自家製燻製は、マスターの小坂田雅輝さんが市場から仕入れた季節の食材でつくる。ほかにも、さっぱりとした味わいでいくらでも食べられると評判の和牛ランプ肉の燻製ローストビーフ(1320円)、大葉とユズコショウの和風ジェノベーゼソースが絶品のきゅうりのサラダ(550円)なども人気のメニューだ。
izakaya_RUTUBO
住所|京都市東山区亀井町54-1 ウィッシュ河原町1F
Tel|075-606-5445
営業時間|12:00〜24:00
定休日|水曜
http://rutubo-kyoto.com/
text: Kazuhiro Motohashi, Satoshi Takenaka, Keiko Segawa, Maya Suzuki photo: Seiichi Suzuki, Takahiro Takami, Satoshi Takenaka, Taiga Tamura, Kosaku Yamashita
coordinate: Tiki Script
Discover Japan 2021年10月号「秘密の京都?日本の新定番?」
《京都人が通うなじみの店 25》
1|KYOTO GOURMET MORNING
2|KYOTO GOURMET LUNCH
3|KYOTO GOURMET DINNER
4|KYOTO GOURMET SOUVENIR