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日本茶を身近に嗜める湯のみ
《CHAPTER/チャプター》
美濃加茂茶舗×TENTの共同デザイン

2021.8.18
日本茶を身近に嗜める湯のみ<br>《CHAPTER/チャプター》<br><small>美濃加茂茶舗×TENTの共同デザイン</small>

愛知県名古屋市の茶淹が展開する日本茶ブランド「美濃加茂茶舗」は、“日常に、小休止を。”をコンセプトに掲げ、プロダクトデザインを手がけるTENTと共同で、暮らしやお仕事のシーンにいい「一区切り」をもたらす新しい習慣の一つとして日本茶を飲む行為を取り入れるられるよう、リモートワーク時代の新しい湯のみ「CHAPTER/チャプター」を開発した。

美濃加茂茶舗
「日常に、小休止を。」をテーマに活動する日本茶ブランド。日本茶の栽培限界と言われる岐阜県東白川村の茶葉と、日本茶を現代の暮らしに取り入れるための器を提案している。忙しい毎日、気づけばずっと「ON」になっていませんか。美濃加茂茶舗が提案するのは大きな休みではなく、ON/OFFを切り替えるための「小」休止。お茶は、現代人がうまく休むための道具。

プロダクトデザイン
TENT
「見て楽しく、触って嬉しく、使うほどに愛着が湧くものづくり」テーマに、2011 年に結成されたプロダクトデザインユニット。デザイナーとして、NuAnsシリーズや、DRAW A LINE、フライパンジュウ、象印STAN.などを担当。iF デザイン賞金賞をはじめ、国内外の賞を多数受賞するほか、メーカーとして自社製品の製造販売も行う。

美濃加茂茶舗誕生とお茶について

東白川村の風景

千利休や古田織部に代表される茶の湯文化の隆盛期、美濃は茶碗の一大ブランド産地だった。中山道の宿場町としてこの時代のお茶や陶器産業の流通拠点であった美濃加茂で「美濃加茂茶舗」は誕生した。

美濃加茂茶舗が扱う「白川茶」は、岐阜県東部の人口2000人ほどの東白川村に位置。東白川村のお茶づくりの歴史は古く、白川茶発祥の地と言われている。標高1000m級の山々に囲まれ、総面積の9割が山林。村の中心を流れる白川からの朝霧と澄んだ空気が、独特な山の風味のお茶を生む。茶畑は栽培限界と言われる標高600mにある。朝夕の寒暖差が大きいこの厳しい自然条件を生き抜いた茶葉は格別の香りと深い味わいをつくりだしてくれる。

美濃加茂茶舗の独自性

茶師 田口 雅士さん

お茶を育てる、仕上げる、淹れる。それぞれの匠が心をひとつに創り上げるこだわりの一煎を提供できることが美濃加茂茶舗の特色だ。

東白川村のお茶の中でも美濃加茂茶舗が扱うのは春に摘まれた一番茶のみ。一般的に二番茶三番茶が使用されるほうじ茶にも一番茶を採用している。単に喉を潤す飲料ではなく、日常を豊かにする「嗜好品」としての日本茶を楽しんでもらいたい想いをすべての商品に込めているそうだ。

茶葉本来の新鮮な香りを失わないよう、収穫後の蒸し時間を最低限に押さえた「浅蒸し」中心で仕上げている。火入れは茶の種類や季節に合わせて調整。産地やお茶の個性を生かすベストな組み合わせを常に追求している。

東白川村の茶農家出身であり茶師の田口さんがすべての商品を監修。岐阜県や関西茶品評会での安定した上位入賞実績が認められ、数々の有名店とも取引する田口氏と二人三脚で産地の個性を生かした美濃加茂茶舗独自の味を研究・開発している。

茶師
田口雅士(たぐち・まさし)
岐阜県東白川村の茶農家に生まれる。国立茶業試験場の研修生として従事した後、東白川村の第3セクター (有)新世紀工房へ就職。2019年「美濃加茂茶舗」の立ち上げに参画。以来、美濃加茂茶舗商品の茶葉の選定、焙煎、ブレンド等を行う。

時代に合わせた日本茶ブランドであるために

蓋を開け、湯を注ぐ。茶葉を入れ、蒸らす。茶葉を取り出し、香りを楽しみながら飲む。これら一連の流れをスムーズに行える最小限の要素は何かを探り、たどり着いたのが「計量できる湯のみと、茶葉を置ける蓋」という構成だった。

機能性から導き出された 2つの要素を、和にも洋にも、どんな空間にも馴染むミニマルな佇まいに落とし込んだ。蓋を閉めた時には、新しい時代の道具として。蓋を開けたときには、誰もが見たことのある湯のみとして。2つの佇まいが、日本茶を身近なものにしてくれる。

丸朝製陶所が誇る高温処理製法“多治見締め”により、素地のままでも頑丈さや汚れへの強さを実現。また、素地だからこそ実現できたエッジ加工により、内側には湯の適量位置が測れるラインが入っています。

土に含まれる鉄分と透明釉薬が反応してできた繊細な「クリアグレー」。ざらつきのある「マットブラック」。高温で焼き締める“多治見締め”という技法を用いた「クレイベージュ」の3色を採用。それぞれの内側には、土の味わいを活かした素地を採用している。

多治見の丸朝製陶所が持つ焼成技術
「多治見締め」

創業100年以上の老舗 岐阜県多治見市の丸朝製陶所

窯の中の酸素が足りない状態で1300度の高温で焼き締める「還元焼成」の技術が、丸朝製陶所が誇る「多治見締め(たじみじめ)」。CHAPTERに使用したのは、還元焼成の良さを活かすために選ばれた良質な土。さらに、この土を密度高く、遊びがないように成形する技術があってはじめて多治見締めが実現した。

CHAPTERは、厳選された土、丸朝製陶所の職人による成形技術、そして多治見締めの掛け合わせが生んだプロダクト。内側に釉薬をかけず素地の風合いを生かしたままこの耐久性を持つ湯のみを作れるメーカーは、今の日本にはほぼないという。


今回、CHAPTERの湯のみの表面には『MADE IN TAJIMI』と明記。美濃地方は焼き物の一大産地であり、美濃焼も有名な区分。しかし美濃焼は価格帯も種類も幅広く「特徴が無いのが特徴」と言われるほど。

美濃加茂茶舗が作るモノは、確かに『MADE IN TAJIMI』である。ロゴの『MADE IN TAJIMI』は、丸朝製陶所の想いを尊重した結果なのだ。

丸朝製陶所
『カップ』を手にするあなたに幸せと喜びを提供する。をコンセプトに、マグカップ・コーヒー・ティーカップ&ソーサーを主体に業務用からブランド食器まで幅広く製造している磁器メーカー。

厳選された土、職人技、そして多治見締めの掛け合わせが生んだ、美濃加茂茶舗の湯のみ「CHAPTER」を紹介しよう。

リモートワーク時代の100年使える
「湯のみ」

左からクリアグレー・マットブラック・クレイベージュ

クリアグレー
この土と透明釉薬の掛け合わせでしか生まれない、このプロダクトならではのカラー。外側の磁器らしい艶感と、内側の素地のコントラストが魅力。

マットブラック
艶感を抑えた落ち着いた色あいと、素地の質感を残す手触り。

クレイベージュ
内も外も一周まるごと素地の、”多治見締め”を体現した存在。使い込むほどに表面のエイジングを楽しめる。

CHAPTER/チャプター
価格|4378円(税込)
湯量|約180ml(内側のラインまで注いだとき)
材質|磁器(吸水性がない)
電子レンジ|食洗機の使用可(※)
※食洗機の中で食器同士がぶつかり傷つく可能性はございます
※オーブンは200℃まで使用可

現代の暮らしに合わせた
「日本茶」

左から煎茶・ほうじ茶・玄米茶

煎茶
“0~100℃の温度で淹れてもおいしく飲めるお茶”をテーマにブレンドした「煎茶」。迷ったらまず飲んでいただきたい、美濃加茂茶舗の定番商品。低温でじっくり淹れると清涼感のある甘み、熱々のお湯で淹れると茶葉本来の若々しく爽やかな香りが引き立つ。

ほうじ茶
一番茶のみを焙煎した茶葉の芳醇な香りが格別。熱湯で出すのが一般的なほうじ茶だが、この茶葉は水出しや氷だしにも合うため春夏秋冬を通して美味しく味わうことができる。

玄米茶
炒った玄米と茶葉をブレンドして作られる玄米茶。玄米茶は、煎茶の爽やかさや濃厚なうま味だけでなく、お湯を注いだ瞬間から立ち上る玄米の香ばしい香りを楽しむことができるお茶。どこか懐かしさを感じさせ、落ち着いた気分にさせてくれる玄米茶特有の香りを存分に体感していただけるよう、あえて一般的な玄米茶より玄米の比率を多めにブレンドして仕上げた。

和紅茶
国産茶葉のみを使用して作られた紅茶。外国産の紅茶に比べ、渋みが少なく優しい味わいが特徴。美濃加茂茶舗の和紅茶は、東白川村で栽培された、紅茶用品種「べにふうき」、日本茶の代表品種「やぶきた」、華やかな香りが特徴の品種「香駿(こうしゅん)」の3品種をブレンドし、スッキリとした甘味と華やかな香りに仕上げている。

価格|煎茶 1300円/ほうじ茶 1300円/玄米茶 900円/和紅茶 1300円(すべて税込)
賞味期限|10ヵ月(開封前)
※チャック付きアルミ袋を使用。開封後も安心して密閉できる。

リラックスしたいときや、集中したいときにも…両方のシーンで嗜める煎茶で、リモートワーク時代の毎日に、いい「一区切り」を取り入れてみてはいかがだろうか。

美濃加茂茶舗
https://mchaho.com/

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