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MINO SOILがスタジオ・ムンバイと組み、初の展示「Archeology of Mino」開催

2021.6.2
MINO SOILがスタジオ・ムンバイと組み、初の展示「Archeology of Mino」開催
photo: Yurika Kono

美濃の土の可能性をデザインを通じて発信するブランド「MINO SOIL」は、初のプレゼンテーションを6月8日(火)〜6月13日(日)の期間、東京・表参道で開催。ムンバイを拠点に活動する建築設計事務所、スタジオ・ムンバイとのコラボレーションで、 「美濃の土」にフォーカスした展示を行う。

Bijoy Jain( ビジョイ・ジェイン)
1965 年インド・ムンバイ生まれ、1990 年ワシントン大学で修士号取得。89 年からロサンゼルスとロンドンで実務経験を積み1995 年帰国。ムンバイに「スタジオ・ムンバイ・アーキテクツ」設立。2009 年フランス建築協会の世界サスティナブル建築賞、香港デザインセンターのアジア・デザイン賞受賞。2010 年第12 回ヴェネチア・ビエンナーレにて、「ワーク・プレイス」で特別賞受賞。

Studio Mumbai( スタジオ・ムンバイ)
インドのムンバイを拠点に活動する、ビジョイ・ジェイン率いるスタジオ・ムンバイ。建築の特徴は、人の「手の力」を取り入れると ころにある。彼らが創り出す空間は人、生き物、環境全てに配慮があり、どこか日本人の精神と通づるものが感じられる。また、多数 の職人が事務所のメンバーとして所属し、独自のスタイルで建築を作り上げることで知られている。2018 年に日本での初めてのプロジェ クトで複合宿泊施設「ログ」(広島県尾道)を手がけた。

美濃の土の可能性
マテリアルからの思考が創出する、革新的な価値

photo: Yurika Kono

岐阜県美濃地方は、日本で最も陶磁産業の盛んなエリアとして知られている。

その特徴は、伝統ある美濃焼の芸術作品から、日常のスタンダードになっている食器、そして建築やインフラのためのタイルやファインセラミック製品まで、きわめて幅広い領域をカバーしていること。こうした産業が発達してきた根幹には、美濃で採れる土のすばらしさがある。

photo: Yurika Kono

今から500万〜200万年前、美濃地方一帯は東海湖と呼ばれる巨大な湖の底にあった。そこに、周辺地域で風化した花崗岩などの成分が粘土となって流れ込む。長大な時間の中で生成した湖底の粘土層は、深く堆積し、熟成していった。その後の土地の隆起で地表付近に現れた多様にして豊かな土と、森林や水系に恵まれた自然環境が、美濃のものづくりの背景。

この地方では、さらに土の成分を緻密に調合し、用途ごとに最適の陶土とするノウハウが発達。原料のポテンシャルを創意工夫により引き出して、1300年もの昔から世界有数の陶磁文化をつくり上げてきた。

photo: Yurika Kono

「MINO SOIL」は、美濃の土の可能性を、デザインを通じて発信するブランド。ローカルの土とローカルの人々による、ホームユースから商業施設や公共施設まで幅広いニーズに応えるインテリアプロダクトの制作を行っていく予定だ。時代を超える魅力と美しさをそなえたプロダクトは、美濃のつくり手と世界を繋ぎ、土についての意識を変えていくことでだろう。そのために、資源の貴重さを心に刻み、確かな世界観をもつデザイナーと手を組んで、今までにないものづくりを発展させていく。

また素材を循環させる技術の開発をはじめ、環境面の課題にも取り組んでいる。これは、地球からの恵みである土と、持続するライフスタイルを結びつける、新しい試み。

美濃に受け継がれてきた技術と自然の恩恵が、今、革新的な価値をつくる。「MINO SOIL」は、2021年から始まる全3回のエキシビションなどを通して活動の成果をプレゼンテーションをする。

インスタレーションについて:David Glaettli ( ダヴィッド・グレットリ)/ MINO SOIL クリエイティブ・ディレクター
わたしたちの生活の中には、陶器製のものがたくさんあります。でもわたしたちは、それが“ 土” からできているということを普段あまり意識していないように思います。美濃の地域には鉱山がいくつかあります。いくつかの鉱山では今も陶磁器製作用の粘土を作るための原材料である土を採掘しています。この地域ならではの土の特性や、土を採掘し粘土にする技術など、陶磁器製造が1300 年続く美濃には蓄積された多くの知識や技術がありますが、あまり広く知られていません。時代とともに、大量に安価で安定した質の製品の需要が高まる中で、そのものづくりを支える土の存在は影を潜めてしまっていたのです。MINO SOIL は美濃を拠点にものづくりを行なっていくブランドですが、原点であり大切な資源である「土」に対する認識を高めることからスタートしたいと考えます。

photo: Yurika Kono

MINO SOIL
“Archeology of Mino” in Collaboration with Studio Mumbai
開催期間|2021年6月8日(火)〜13日(日)
開場時間|8日 12:00〜17:00/9日 12:00〜20:00/10〜12日 10:00〜20:00/13日 10:00〜17:00
会場|441
住所|東京都渋谷区神宮前5-12-1
https://minosoil.jp/

株式会社エクシィズ
0572-20-0711
http://tajimicustomtiles.jp/ja/


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