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ニッポンの年取り魚は東の鮭、西のブリ
鮭とブリ、年取り魚の分類学

2020.12.1
ニッポンの年取り魚は東の鮭、西のブリ<br>鮭とブリ、年取り魚の分類学

新年の食卓に欠かせない、魚料理。中でも鮭とブリは「年取り魚」といわれ、縁起のよい食べ物として、東日本では鮭、西日本ではブリを供することが多い。年末に向けて旬を迎えるこのふたつの魚には、一体どんな種類があるのか? 大きさで名前が変わるって本当?年取り魚の分類学を紹介します。

年取り魚とは?
大晦日やお正月、新年を迎える「年取り膳」に供される魚のこと。東日本では塩鮭、西日本では塩ブリが食べられてきた。古来律令制のころから朝廷に奉納されていたように、神へのお供え物として特別だった魚を、めでたい日に食べる習わしがもとになったという説が有力。鮭やブリのほか、京阪地域の鯛に加え、鱈やいわしなども全国的に散見される。

シロザケ【サケ目サケ科】

◎産地北海道、東北、北陸地方など
◎別名アキザケ、シロ、アキアジ、ギンケ、オオメなど
◎体長50〜100㎝

日本で一般的に鮭といえばこの鮭。海洋生活は1〜6年で、3〜4年で成熟する。北海道では8月から遡上し、次第に南下する。河川獲りのものは脂が少なく、写真のように婚姻色が出る。

ベニザケ【サケ目サケ科】

◎産地北海道、千島列島、アラスカ、カナダ、カリフォルニア州など
◎別名 トワダマス、チップ
◎体長 50〜70㎝

肉質はサケマス類のなかで一番鮮やか。淡水湖で生活したあと、海へ出て、3〜7年で成熟し、母川回帰する。海に下らず一生を淡水で過ごすタイプがヒメマス。近年は輸入食材としてスーパーにも並ぶ。濃厚な味わい。

ギンザケ 【サケ目サケ科】

◎産地 アラスカ、アリューシャン列島、千島列島、カムチャツカ半島など
◎別名 ギンマス
◎体長50〜70㎝


銀白色に輝く体色をもち背側には黒点が散らばっている、3〜4年で成熟する。日本ではあまり見られないが、近年養殖も行われる。塩鮭やスモークサーモンにも適しており、チリなどからの輸入も多い。肉厚で身幅が太い。

マスノスケ(キングサーモン)【サケ目サケ科】

◎産地南カリフォルニア以北、ベーリング海、日本海北部、三陸以北の太平洋岸、オホーツク海、カムチャツカ半島
◎体長 80〜120㎝

日本の河川にはほとんど遡上しないため、サケやマスの親分格とみなし、昔の階級である「スケ」の名が付けられている。スモークサーモンや寿司だねとして、国内に輸入されている。

ブリ 【スズキ目アジ科】

◎産地 東シナ海からカムチャツカ半島にかけての北西太平洋、日本海

西日本の広範で獲れるブリ。春から夏の水温上昇期に北上し、秋から冬にかけて南下する温帯性の回遊魚。特に冬のものは産卵前で脂がのる。国内の需要が多いため、特に鹿児島県や愛媛県など、西日本で養殖が盛ん。

鮭児、トキシラズってナニ?

東北から北海道にかけて春先から初夏にかけて捕獲されるシロザケがトキシラズ。鮭児は北海道東岸で捕獲される、シロザケの未成魚で、1万尾に1尾の確立で混じる。ともにきめ細かくやわらかな肉質をもつ。鮭児は特有の甘い香りがする。

大きさで名前が変わる出世魚

ブリは大きさに応じて名前の変わる出世魚であり、その呼び方も地方によって異なる。富山県の場合とくに細かく呼び名がわかれており、ブリと呼ばれる基準も他の地域に比べて厳しい。地方によっては未成魚をハマチと呼ぶが、一般的には養殖物を指す。

text:Discover Japan photo:Atsushi Yamahira,摂津サーモン科学館
2012年12月号 特集「冬の味覚でおもてなし」


ニッポンの年取り魚は東の鮭、西のブリ
1|鮭編
2|ブリ編
3|鮭とブリの分類学

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