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熊本県球磨郡錦町 六調子酒造の「球磨焼酎」福田里香の民芸お酒巡礼

2020.8.27
熊本県球磨郡錦町 六調子酒造の「球磨焼酎」<small>福田里香の民芸お酒巡礼</small>
「特吟 六調子」2750円。外箱も芹沢作

お菓子研究家・福田里香さんが今回は、辛党の方のために、お菓子ならぬ《民芸お酒》のご紹介。「熟成」に力を注いでいる六調子酒造の焼酎は、品質の良さはもちろん、香り高く味わい深いです。

福田里香(ふくだ・りか)
お菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。9年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中

左から「ろくちょうし 赤」3300円、「ろくちょうし 黒」2200円、「長熟特吟 六調子」1880円、「六調子 青」1681円。以上すべて芹沢の意匠

球磨焼酎「六調子」を見るたびに、思わず手拍子を取りたくなるのは、リズムよく描かれたラベルの文字と赤丸のせいでしょうか。熊本県に接する県境の街で生まれ育った私にとって「六調子」は、昔から見慣れた存在でした。ポピュラー過ぎて、このラベルの意匠を手掛けたのが、民藝運動の巨匠で染色工芸家の芹沢銈介だと知ったのは大人になってから。言われてみれば確かに、芹沢の特徴がよく出ている名デザインです。

芹沢が手掛けた栞

500年の歴史を誇る「六調子酒造」は、日本三大急流のひとつ、球磨川水系の地下水を原料に、伝統の技術を継承する焼酎の蔵元。六調子酒造では、常圧蒸留した後、焼酎を樽詰めにして長期熟成することで、味と香りが調和した貯蔵熟成酒を創り出しています。飲み口は渾然としてまろやか、爽やかな香気と後口のよさは格別です。また、本社玄関に併設されたギャラリーでは、芹沢が手掛けた一連のデザイン原画でつくった屏風を鑑賞できます。

六調子酒造
住所|熊本県球磨郡錦町西1013
Tel|0966-38-1130
営業時間|8:00〜19:00
定休日|土・日曜
http://rokuchoshisyuzou.sakura.ne.jp

text : Ricca Fukuda photo : Wakana Baba
2020年9月号 特集「この夏、毎日お取り寄せ。」


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