杉のプロダクト最前線!
実は花粉症対策にもつながっています
木に触れて、感じて、体験することで木の魅力を再認識できるイベント「WOOD DESIGN EXPERIENCE」の内容をご紹介。プロダクトを通して、木を適切に利用する大切さを学べます。
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杉を体験して、
森林の更新と循環利用について考える

曲がる木材をカバーに用いた「iLignosシステム手帳」
去る10月に開催された「WOOD DESIGN EXPERIENCE@福岡」。5月の仙台での同イベントに続いて実施され、ウッドデザイン賞受賞作品を中心とした木製品や木質空間を展示するほか、木育ツアー、ワークショップ、トークショーなどを通して多様な木の使い方が伝えられた。

イベントが提唱するのは、日本の森林資源を「伐って・使って・植えて・育てる」循環型社会の実現。それが実は、花粉症の対策につながることをご存じだろうか。
杉の中には花粉をほとんど出さない “エリートツリー”が存在し、それを交配させて少花粉品種が開発された。つまり、日本中の杉がこの品種に置き換われば、花粉症はゼロへと近づく。その実現への一歩として、まず利用期を迎えている杉を伐採し、積極的に利用することが必要。そのため、林野庁でも花粉症対策木材の利用拡大を推進しているのだ。

今回のようなイベントを通して、五感で心地よいと感じた木のプロダクトを暮らしに取り入れれば、花粉の少ない新世代の森への転換につながっていく。森林の更新と循環利用について、長期的な視点で考えてみたい。
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WOOD DESIGN EXPERIENCE@福岡
会期|2025年10月24日(金)~25日(土)
会場|ららぽーと福岡 メディアパーク
主催|日本ウッドデザイン協会
※林野庁「令和6年度 花粉症対策木材の利用拡大に向けた機運の醸成事業」
01|2025年最優秀賞(環境大臣賞)受賞作品に迫る!
02|前編|地域のロールモデルとなった受賞作品
03|後編|“技術”を用いた木造建築の受賞作品
04|世界が注目!日本の地域発のウッドデザイン
05|杉のプロダクト最前線!
text: Aya Honjo photo(提供): Nonoko Kameyama
2026年1月号「世界を魅了するローカルな酒」



































