長崎県・雲仙市《界 雲仙》
モデル・前田エマが“和華蘭”と地獄に癒される長崎一人旅|後編
長崎県・島原半島の中央に位置し、ダイナミックな光景が広がる「雲仙地獄」で知られる雲仙温泉。長崎特有のミックスカルチャーに触れ、非日常のひとときを過ごしたいとモデル・前田エマさんが旅に出た。後編では長崎の歴史と伝統を味わいを紹介します。
長崎の歴史と伝統を味わい尽くす1泊2日
お待ちかねの夕食は、長崎発祥の宴会料理「卓袱(しっぽく)料理」の定番・豚角煮をアレンジしたリエットからスタート。温泉水を加えて焼き上げた雲仙名物の「湯せんぺい」を一年の無事を願う行事・鬼やらいに見立てて木槌でたたき割り、下に隠れているリエットを付けて味わう。
イギス藻と呼ばれる海藻を入れて羊羹状に固めた島原の郷土料理「いぎりす」などが並ぶ八寸に、お造り、揚げ物、蓋物と旬の食材を使った美味が次々に運ばれてくる。
地元の麦焼酎や、界 雲仙オリジナルの焼酎カクテルなどがメニューに並ぶ中、前田さんは長崎県内で造られている日本酒と果実酒を愉しんだ。夕食の後半に登場するのは、会席のメインである「あご出汁しゃぶしゃぶ」。トビウオの旨みが溶け出した出汁に伊勢海老や和牛などをくぐらせていただく。食材の調理法やうつわにおいても、アジアや西洋の要素が感じられ、全8品の料理の中にも和華蘭文化は息づいている。
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地獄めぐりで心身をデトックス
滞在の中で欠かせないものといえば、雲仙地獄めぐりだろう。界 雲仙では「雲仙地獄パワーウォーク」というアクティビティを用意。「学生時代は駅伝部に入っていたので、体力には自信がありますよ」と意気込む前田さん。
旅館のすぐ横にある「清七(せいしち)地獄」から入り、最も噴気の激しい「大叫喚(だいきょうかん)地獄」などを、ストレッチやエクササイズをしながらめぐっていく。約90分、硫黄の香りと地獄の熱気にたっぷり包まれれば、身体の底からパワーがみなぎる感覚に。運動後にいただく朝食は、優しい味わいで五臓六腑に染み渡る。
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活版印刷で旅の思い出を持ち帰りたい
チェックイン前には、長崎から全国に広まった活版印刷体験も楽しみたい。活字を選んではめ込み、インクを付けてプレスすれば、自分だけのオリジナルはがきがつくれる。
「界 雲仙は、空間や食事、アクティビティひとつとっても、土地の歴史や文化を大切にされている印象を受けました。滞在する中で、自然と長崎のことを学べる点を魅力に感じます」。
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界から徒歩7分で世界のガラス工芸も楽しめます!
和華蘭文化の詰まった旅館で、雲仙地獄のパワーも堪能した前田さん。チェックアウト後は、近くの「雲仙ビードロ美術館」で世界の工芸にも触れ、癒しの長崎旅を終えたのであった。
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界 雲仙
住所|長崎県雲仙市小浜町雲仙321
Tel|050-3134-8092(界予約センター)
客室数|51室
料金|1泊2食付2万5000円~(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、Master、VISAなど
IN|15:00
OUT|12:00
夕食|和食(食事処)
朝食|和食(食事処)
アクセス|車/長崎自動車道諫早ICから約60分、電車/ JR諫早駅から車で約60分、バスで約90分
施設|食事処、トラベルライブラリー、ショップ、湯上がり処、大浴場
edit & text: Akane Sato photo: Kenji Okazaki hair & make-up: KOMAKI
Discover Japan 2024年10月号「自然とアートの旅。/九州」