北陸・近畿のクラフトビール12選
いまや日本各地で造られているクラフトビール。土地や銘柄ならではのこだわりが感じられるのも、クラフトビールの魅力のひとつだ。今回はビアライター・ビアソムリエとして活躍する富江弘幸さんが、数あるブルワリーの中から厳選。いま知っておくべき北陸・近畿エリアのブルワリーとクラフトビールを紹介します!
富江弘幸
ビアライター/ビアソムリエ。出版社、英字新聞社勤務などを経て、現在は雑誌やウェブでビール関連の記事を執筆。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。
〜石川県〜
チェコ伝統の技術を受け継ぐ正統派
Heart&Beer日本海倶楽部
1989年の創業当時よりチェコの職人を招き入れ、伝承されているビール造りのスピリットが生き続けるブルワリー。チェコのボヘミアンスタイルをベースに、4種のレギュラービールを揃えている。ボトルと樽生の商品はすべて無ろ過・非加熱にこだわり、自然発酵食品本来の力強くナチュラルなテイストが楽しめる。
富江さん(以下、富)「チェコの職人による正統派ピルスナー」
・ピルスナー
原材料:麦芽、ホップ
ABV:5%
スタイル:ボヘミアンピルスナー
価格:840円/500㎖
ペアリング:肉料理、魚料理、スパイス、ナッツ、その他食事全般
飲み頃は…5~7°C
・ヴァイツェン
原材料:麦芽、ホップ
ABV:5%
価格:840円/500㎖
飲み頃は…6~8°C
・奥能登伝説
原材料:麦芽、ホップ、能登海洋深層水
ABV:5%
価格:840円/500㎖
飲み頃は…5~7°C
〜大阪府〜
無ろ過、非熱処理で個性を生かした “らしいビール”を醸造
箕面ビール
大阪北部の緑豊かな箕面市に、1997年に生まれたブルワリー。酵母が生きた新鮮さにこだわり、すべて熱処理やろ過を行わず、原材料や人の手そのものの個性を生かしたビールを造っている。また、地元の酒蔵「秋鹿酒造」の麹米などと積極的にコラボ。“箕面ビールらしさ”を日々追求し、新たな挑戦も行っている。
富「熱狂的なファンも多い実力派ブルワリーです!」
・箕面ビール スタウト
原材料:麦芽、大麦、ホップ
ABV:5.5%
スタイル:アイリッシュドライスタウト
価格:410円/330㎖
ペアリング:肉料理、甲殻類料理、スイーツ
飲み頃は…10~12°C
・箕面ビール W-IPA
原材料:麦芽、ホップ
ABV:9%
価格:594円/330㎖
飲み頃は…10~12°C
・箕面ビール ヴァイツェン
原材料:麦芽、ホップ
ABV:5%
価格:410円/330㎖
飲み頃は…10~12°C
〜和歌山県〜
クラフトビール界に新たな風をもたらした和歌山の名ブルワリー
ボイジャーブルーイング
2015年に創業、翌2016年からビール醸造をスタートした比較的新しいブルワリー。紀州熊野山系から湧水する「紀州熊野の命水」を仕込み水として、カナダから直輸入した設備で醸造している。原料の麦芽はカナダ、ドイツ産、ホップはアメリカ、ドイツ産を中心に、しっかりとした味わいと飲みやすさが特徴。
富「比較的新しいものの多くの人に評価されているブルワリー」
・COPPER
原材料:麦芽、ホップ、イースト
ABV:6%
スタイル:ペールエール
価格:421円/330㎖
ペアリング:肉料理
飲み頃は…3~5°C
・アメリカンクラシックIPA
原材料:麦芽、ホップ、イースト
ABV:6.5%
価格:464円/330㎖
飲み頃は…3~7°C
・GOLD
原材料:麦芽、ホップ、イースト
ABV:5.5%
価格:421円/330㎖
飲み頃は…3~5°C
〜鳥取県〜
名峰・大山が育む大自然の恵みをビールに込める
大山Gビール
160年以上の歴史を誇る酒蔵にルーツをもち、広大なブナ林が広がる大山の伏流水を使用したクラフトビールを醸造。極めて軟水にあたる良質な水がバランスのよい風味を実現。大麦、小麦、ホップ、酒米などの栽培にも取り組み、季節限定ビールに使用するなど、大山の自然を最大限に生かしたビールを造っている。
富「世界のビールコンペでも多数受賞しています!」
・ピルスナー
原材料:麦芽、ホップ
ABV:5%
スタイル:ピルスナー
価格:540円/330㎖
ペアリング:鶏の香草焼き
飲み頃は…3~7°C
・ヴァイツェン
原材料:麦芽、ホップ
ABV:5%
価格:540円/330㎖
飲み頃は…5~9°C
・ペールエール
原材料:麦芽、ホップ
ABV:4.5%
価格:540円/330㎖
飲み頃は…5~10°C
地域の特色が個性となるクラフトビール。気になるエリアから、あるいは自分の住んでいるエリアから、お気に入りのブルワリーを探してみてはいかがだろうか。
文=武田康広(ケディトリアル) 写真=野中弥真人 監修=富江弘幸