自然と文化体験を求めて日本各地へ!
注目のアドベンチャーツーリズム5選|後編
いま注目を集めている日本のアドベンチャーツーリズムを紹介。巡礼の道を踏み締めるロングトレイルから海山に抱かれた滞在、大自然のアクティビティから美食まで、忘れられない体験が勢揃い!
今回は、北海道と沖縄のアドベンチャーツーリズム、そして岩手の海の幸、高知の山の幸を満喫する文化体験を5つ紹介。
<テーマ>
北の大地で暑くなりたい派?
南の島で涼しく過ごしたい派?
01|北海道
温泉が流れる滝を逆走して世界遺産・知床を再発見!
北海道の北東部に位置する知床半島は、急峻な山々と湿原、湖沼など独自の自然と生態系が評価され、2005年に世界自然遺産に認定された。その中で知床硫黄山の山麓にあるカムイワッカ川では稀少な「湯ノ滝」めぐりが楽しめる。全身で水しぶきを浴びながら小さな滝を乗り越え、上流を目指しながら川を上るにつれて湧き出る温泉の温度が上がる驚きと川の中を歩く爽快感。そして変化に富んだむき出しの岩肌を踏破する達成感はほかでは味わえない。地球のパワーを体感できるアドベンチャーアクティビティを体験し、知床の魅力を再発見しよう。
カムイワッカ湯ノ滝のぼり
問い合わせ|知床斜里町観光協会
住所|北海道斜里郡斜里町本町29-8
Tel|0152-22-2125、0152-24-2639(土・日曜)
料金|高校生以上2200円、中小生550円 ※8月9日〜8月18日は高校生以上3000円、中小生750円(マイカー規制期間のため、シャトルバス料金含む)
www.goshiretoko.com
02|北海道
採掘文化に触れながら硫黄のあふれる山の中へ
世界有数の透明度を誇る神秘の湖、摩周湖が広がる北海道・弟子屈(てしかが)。この地にはアイヌ語で「アトサヌプリ」と呼ばれる活火山・硫黄山がそびえ立つ。現在では原則立ち入り禁止になっているが、認定ガイドが率いるツアーに参加すればトレッキングが楽しめる。約3時間のトレッキングで雄大な景色を望みながら、噴気孔からのダイナミックな噴煙を観賞。ガイドによる硫黄採掘の歴史・文化、自然の解説で学ぶツアーで感じられるのは、活火山のリアルな息吹と自然の神秘だ。
アトサヌプリトレッキングツアー
問い合わせ|摩周湖観光協会
住所|北海道川上郡弟子屈町摩周3-3-1
Tel|080-4046-2200
料金|1万3000円〜
Mail|atosanupuri.booking@gmail.com
www.masyuko.or.jp
03|沖縄県
沖縄の伝統文化と亜熱帯の自然を満喫する
沖縄本島北部に広がる「やんばるの森」。1億年前から生き続けていると伝わるこの森には日本の両生類、爬虫類の約6割をはじめ、稀少な固有種や絶滅危惧種が生息し、多種多様な生態系を形成。「やんばる、奇跡が生きる森へ」は、世界自然遺産にも選ばれた原始の森を舞台に、今帰仁(なきじん)城跡などで触れる「沖縄の自然信仰」や、サバニ船に乗船する「集落の人々の暮らし」、そして「自然との共生」という3つの物語をめぐる4日間のツアーだ。神秘の森は自然とともに生きる喜びを教えてくれる。
やんばる、奇跡が生きる森へ
問い合わせ|OKINAWA ADVENTURES
料金|28万円〜
www.okinawa-adventures.com
<テーマ>
海の幸も山の幸も、土地の風土ごと美味しくいただく
04|岩手県
漁村集落の保存をつなぐ、漁のサステイナブルツアー
岩手県南東部、三陸海岸の中心に位置する釜石市は、世界三大漁場のひとつである北西太平洋漁場の一角をなす三陸漁場とリアス海岸が広がる。大槌湾に面する箱崎白浜地区は、漁業が盛んな集落だったが、東日本大震災で大きな被害に遭った。ツアーでは、民泊で地元の人たちと交流しながら、養殖業や郷土料理体験などで漁村文化に触れられる。森林インストラクターとめぐる漁村住民の聖地「千畳敷」で体感する壮大な大地や、小さな宿で堪能するおもてなしと新鮮魚介の郷土料理、さらに小型漁船を活用した養殖業の見学と、知られざる物語に触れる時間は、豊かな気づきを与えてくれる。参加することで環境保全への意識が高まり、地域にも貢献できるのが魅力的だ。
漁村集落の小さなお宿交流と漁民が守りつなぐ海山体験1泊2日
問い合わせ|根浜海岸観光施設「根浜シーサイド」
Tel|0193-27-5455
Mail|nebamacamp@dmo-kamaishi.com
https://visitkamaishi.jp
05|高知県
「おきゃく文化」への入り口!田舎ずしの料理体験
県土の約84%を森林が占める高知県は、豊かな自然と温暖多湿な気候の恵みを受け、独自の食文化を発展させてきた。その中で、古くより地元に根づいているのが「おきゃく文化」。「おきゃく」とは、結婚式や節句、神事、棟上げなどの酒宴のこと。その場に欠かせない郷土料理が「田舎ずし」だ。それは、巻き寿司やちらし寿司といった一般的な田舎寿司ではなく、山菜やこんにゃくなど地場食材を寿司ネタに見立てた彩り豊かな握り寿司のこと。近年はヴィーガンなどに人気のヘルシーな寿司を、郷土料理について卓越した技術と知識を有する土佐の料理伝承人から学べる。地元の手づくり味噌の味噌汁とともに自分の手で仕立て、試食する体験は何物にも代え難く美味しい。
田舎ずしづくり体験
問い合わせ|久保川生活改善グループ
Tel|090-1323-5940
料金|2500円
Mail|meruchan798.@yahoo.co.jp
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text: Ryosuke Fujitani
Discover Japan 2024年8月号「知的冒険のススメ」