渋谷パルコ《青木良太 個展》
アートな酒器 うつわラインアップ
東京・渋谷パルコの「Discover Japan Lab.(ディスカバージャパンラボ)」にて2023年12月16日(土)〜2024年1月8日(月)にかけて、年末年始に合わせて開催される今回の個展では、見つめるだけでも高揚感に浸れる酒器や、大人数の場でも活躍するうつわが数多く披露される。その中から、目でも味わえる「アートな酒器」を厳選紹介!
Discover Japan公式オンラインショップでは12月19日(火) 20時より順次販売スタート!
青木さんならではの着目点
“攻め”のうつわ
「人が集まってお酒を飲む機会が多い、年末年始のタイミングだから」。これが今回の個展において、酒器の展開を増やした理由。個性的な作品を制作している割に、肩ひじ張らない発言をする青木良太さんに、酒器に関する見どころをたずねた。
「陶芸において、基本となるのは抹茶碗のかたち。それと同じ技術でつくるのが盃です。ただし、抹茶碗の技術を小さな盃に落とし込むのが難しい。釉薬によって焼成時に流れて垂れる割合が異なります。焼いた後を計算し、釉薬をかける範囲をいかに攻めるかで、陶芸家としての技量が試される。もちろん自分の作品は攻めています」
そこが青木さんならではの着目点ということだろうが、かたちや色合いを見ても攻めた作品ばかりだ。実際に手に取ると、使い心地のよさにも気がつくことだろう。
眺めても使っても美しい徳利
夜空にも海原にも見えると評判の釉薬、スターブルーを使った徳利。くびれた部分は親指と人差し指でつまむのに最適なかたち。楕円形の口も注ぎやすく、眺めても使っても美しい。
麗しき輝きを放つ贅沢な盃
薄い飲み口が冷たい酒に合うという、シンプルなデザインの盃たち。金を混ぜてゴージャスな発色を目指した「女王様」や、深海に光が差し込むイメージで制作された「深海瓷」、真珠貝の内側の煌めきを表現した「真珠瓷」など、どれも見た目が麗しい。
ミルクピッチャー由来の愛らしさ
青木さんがスイス研修時代に現地の家庭で使われていた、ミルクピッチャーをヒントに制作。M・Sサイズは日本酒やワインを入れる酒器におすすめ。SSサイズは料理のソース入れにも。うつわごと電子レンジで加熱して、熱燗にすることも可能だ。
世界的な人気を誇るチムチムがうつわに!
「これで飲んだら場がドカンと盛り上がる」という、いわばアートとしゃれが混然一体となった作品。うつわのベースは中国茶器だが、飲みの場で酒器としても使ってほしいそうだ。
読了ライン
日常のうつわラインアップ
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text: Tonao Tamura photo: Norihito Suzuki
2024年1月号「ニッポンの酒最前線」